54_小児・高齢者・妊婦外傷【救急救命士国家試験対策】
国家試験定期試験出題内容のまとめ
【小児外傷】
頭蓋骨の弾性
10歳未満の小児は骨組織が弾力性に富み、陥没骨折や若木骨折が起こりやすい。
気道閉塞のリスク
小児は成人に比べて舌の相対的体積が大きく、舌根沈下による気道閉塞を起こしやすい。
臓器のサイズ
小児は成人と比べて、肝臓や脾臓が相対的に大きい。
小児虐待の検討
2歳以上の幼児に重度の頭部外傷がある場合、小児虐待の可能性を念頭に置く。
乳幼児で急性硬膜下血腫、眼底出血、脳浮腫が見られる場合は、虐待を疑う。
【高齢者外傷】
β受容体遮断薬やカルシウム拮抗薬
これらを服用中の患者は、循環血液量減少時に頻脈が出現しにくい。
抗凝固薬や抗血小板薬
軽微な外力でも皮下血腫や頭蓋内血腫を引き起こしやすい。
【妊婦外傷】
循環血液量の増加
妊娠25週以降は循環血液量が30~40%増加する。
搬送時の体位
妊娠後期の妊婦は左側臥位にする。
胎盤剝離の疑い
胎動の感覚がない、持続的な腹痛、不正性器出血、腹部の板状硬がある場合に胎盤剝離を疑う。
胎盤剝離は胎児の死亡率が20~40%にも達することがある。
問題
小児は頭蓋骨に__があり、陥没骨折が起こりやすい。
とくに__歳未満の小児は骨化が未熟で骨組織が弾力性に富むため、若木骨折が見られる。
口腔内に占める舌の相対的体積が成人に比べて__ために、舌根沈下による気道閉塞を起こしやすい。
小児は成人と比べて、__や__が大きい。
第三者の目撃がない__歳以上の幼児に重度の頭部外傷を認める場合には、小児虐待を念頭に置き、聴取された受傷機転のみに基づいた判断は避けることが重要である。
乳幼児の頭部外傷で、急性__、眼底出血、脳浮腫の三徴を認めたら、虐待を疑う。
交感神経__受容体遮断薬やカルシウム拮抗薬を服用中の患者では、循環血液量減少に対する頻脈が出現しにくい。
抗凝固薬や抗血小板薬を服用中の患者では、軽微な外力によって__や__をきたす。
妊娠__週以降は循環血液量が30~40%増加する。
妊娠後期の妊婦を搬送する際には、__位にする。
胎動を感じられない、持続的な腹痛があるなどの自覚症状や不正性器出血、腹部の__を認めた場合には、胎盤剝離を強く疑う。
胎盤剝離では、軽傷のものも含め、胎児の死亡率は__~__%にも達する。
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解答
小児は頭蓋骨に弾性があり、陥没骨折が起こりやすい。
とくに10歳未満の小児は骨化が未熟で骨組織が弾力性に富むため、若木骨折が見られる。
口腔内に占める舌の相対的体積が成人に比べて大きいために、舌根沈下による気道閉塞を起こしやすい。
小児は成人と比べて、肝臓や脾臓が大きい。
第三者の目撃がない2歳以上の幼児に重度の頭部外傷を認める場合には、小児虐待を念頭に置き、聴取された受傷機転のみに基づいた判断は避けることが重要である。
乳幼児の頭部外傷で、急性硬膜下血腫、眼底出血、脳浮腫の三徴を認めたら、虐待を疑う。
交感神経β受容体遮断薬やカルシウム拮抗薬を服用中の患者では、循環血液量減少に対する頻脈が出現しにくい。
抗凝固薬や抗血小板薬を服用中の患者では、軽微な外力によって皮下血腫や頭蓋内血腫をきたす。
妊娠25週以降は循環血液量が30~40%増加する。
妊娠後期の妊婦を搬送する際には、左側臥位にする。
胎動を感じられない、持続的な腹痛があるなどの自覚症状や不正性器出血、腹部の板状硬を認めた場合には、胎盤剝離を強く疑う。
胎盤剝離では、軽傷のものも含め、胎児の死亡率は20~40%にも達する。
練習問題
問題1
小児の頭蓋骨に弾性があり、起こりやすい骨折はどれか?
A. 圧迫骨折
B. 陥没骨折
C. 破裂骨折
D. 粉砕骨折
E. 剥離骨折
答え: B
小児は頭蓋骨に弾性があり、陥没骨折が起こりやすい。
問題2
骨化が未熟で骨組織が弾力性に富むため、10歳未満の小児に見られる骨折はどれか?
A. 完全骨折
B. 複雑骨折
C. 若木骨折
D. 病的骨折
E. 開放骨折
答え: C
10歳未満の小児は骨化が未熟で、骨組織が弾力性に富むため、若木骨折が見られる。
問題3
小児で舌根沈下による気道閉塞が起こりやすい理由はどれか?
A. 気管が狭い
B. 口腔内が乾燥している
C. 舌の相対的体積が大きい
D. 頭部が大きい
E. 気管支が柔軟すぎる
答え: C
小児は口腔内に占める舌の相対的体積が大きいため、舌根沈下による気道閉塞を起こしやすい。
問題4
乳幼児の頭部外傷で三徴を認めた場合に疑われる病態はどれか?
A. 発作性疾患
B. 脳血栓
C. 虐待
D. 感染症
E. くも膜下出血
答え: C
乳幼児の頭部外傷で、急性硬膜下血腫、眼底出血、脳浮腫の三徴を認めたら、虐待を疑う。
問題5
妊娠後期の妊婦を搬送する際に推奨される体位はどれか?
A. 仰臥位
B. 右側臥位
C. 左側臥位
D. 座位
E. 伏臥位
答え: C
妊娠後期の妊婦を搬送する際には、左側臥位にする。
参考文献:救急救命士標準テキスト
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54_小児・高齢者・妊婦外傷
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②聞き流し1問1答
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