23_局所の観察・神経所見の観察【救急救命士国家試験対策】
国家試験定期試験出題内容のまとめ
【局所の観察・神経所見の観察】
1. 皮膚の色から考えられる疾患
皮膚蒼白: ショック、脱水、驚愕
チアノーゼ: 心肺機能不全、低温環境(貧血があるとチアノーゼは出現しにくい)
皮膚黄疸: 肝・胆道疾患、溶血性疾患
皮膚紅潮: 発熱、一酸化炭素中毒
皮膚発赤: 急性炎症、感染、熱中症
2. 瞳孔と神経症状
両側瞳孔散大、対光反射消失: 脳ヘルニア進行による死の危険性
眼球運動制限、斜視、複視: 動眼神経の障害
3. 呼吸と臭い
呼気にアセトン臭: 糖尿病ケトアシドーシス
4. 皮下の異常
皮下気腫: 空気やガスが皮下に貯留した状態
脊柱後彎(亀背): 脊柱が後方に突出している状態
5. 腹膜刺激症状
腹膜刺激症状が見られる疾患:
消化管穿孔
急性膵炎
壊疽性胆嚢炎
6. 麻痺と神経症状
片麻痺: 片側の上下肢に見られる麻痺。脳出血、脳梗塞で多く見られる。
四肢麻痺: 上下肢が両側性に麻痺。脳幹部障害、頸髄損傷、末梢神経、神経筋接合部病変でも起こる。
交叉性片麻痺: 顔面と四肢の麻痺側が異なる。脳幹部に病変がある徴候。
バビンスキー反射: 異常反射。中枢性麻痺で認められる。
7. 運動失調
原因となる障害部位: 小脳、脊髄後索。失調性歩行が観察される。
8. 髄膜刺激症候
髄膜炎、くも膜下出血で出現: 項部硬直など。
9. 麻痺の評価方法
バレー徴候: 軽度の片麻痺の有無を確認。
ドロッピングテスト: 意識障害や従命が得られない場合の麻痺評価。
問題
皮膚蒼白で考えられる疾患は________、脱水、驚愕である。
チアノーゼから考えられる疾患は心肺機能不全、________環境がある。
皮膚が黄疸から考えられる疾患は________疾患、溶血性疾患がある。
皮膚紅潮では発熱、________中毒が考えられる。
皮膚発赤では急性炎症、感染、________が考えられる。
意識障害傷病者で両側瞳孔が散大して対光反射が消失していれば________の進行により死の危険性がある。
眼球運動に制限が生じて斜視となり複視となるのは________神経の障害である。
糖尿病ケトアシドーシスで呼気に________臭が生じる。
空気やガスが皮下に貯留した状態を________という。
脊柱が後方に突出している状態を________と言い、その高度なものを亀背と呼ぶ。
腹膜刺激症状の徴候が見られるのは消化管穿孔、急性________、壊疽性胆嚢炎などがある。
貧血があると________は出現しにくい。
片麻痺とは片側の上下肢に見られる麻痺であり、________や脳梗塞などで見られることが多い。
四肢麻痺とは上下肢が両側性に麻痺した状態をいい、脳幹部障害や________で認められることが多いが、大脳、末梢神経、神経筋接合部の病変でも起こることがある。
顔面を含めた脳神経の麻痺側と四肢の麻痺側が違うときには________片麻痺と呼ばれ、脳幹部に病変があるときの徴候である。
バビンスキー反射などの________反射の出現は異常であり、中枢性麻痺の際に認められる。
運動失調の原因となる障害部位としては________と脊髄後索があり、いずれの障害でも失調性歩行が観察される。
髄膜刺激症候とは________やくも膜下出血などにより、髄膜が刺激された際に出現する症候で、項部硬直などがある。
軽度の片麻痺の有無をみるには、________徴候を用いる。
意識障害のある傷病者などで、従命が得られない場合には________テストで麻痺を評価する。
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解答
皮膚蒼白で考えられる疾患はショック、脱水、驚愕である。
チアノーゼから考えられる疾患は心肺機能不全、低温環境がある。
皮膚が黄疸から考えられる疾患は肝・胆道疾患、溶血性疾患がある。
皮膚紅潮では発熱、一酸化炭素中毒が考えられる。
皮膚発赤では急性炎症、感染、熱中症が考えられる。
意識障害傷病者で両側瞳孔が散大して対光反射が消失していれば脳ヘルニアの進行により死の危険性がある。
眼球運動に制限が生じて斜視となり複視となるのは動眼神経の障害である。
糖尿病ケトアシドーシスで呼気にアセトン臭が生じる。
空気やガスが皮下に貯留した状態を皮下気腫という。
脊柱が後方に突出している状態を後彎と言い、その高度なものを亀背と呼ぶ。
腹膜刺激症状の徴候が見られるのは消化管穿孔、急性膵炎、壊疽性胆嚢炎などがある。
貧血があるとチアノーゼは出現しにくい。
片麻痺とは片側の上下肢に見られる麻痺であり、脳出血や脳梗塞などで見られることが多い。
四肢麻痺とは上下肢が両側性に麻痺した状態をいい、脳幹部障害や頸髄損傷で認められることが多いが、大脳、末梢神経、神経筋接合部の病変でも起こることがある。
顔面を含めた脳神経の麻痺側と四肢の麻痺側が違うときには交叉性片麻痺と呼ばれ、脳幹部に病変があるときの徴候である。
バビンスキー反射などの病的反射の出現は異常であり、中枢性麻痺の際に認められる。
運動失調の原因となる障害部位としては小脳と脊髄後索があり、いずれの障害でも失調性歩行が観察される。
髄膜刺激症候とは髄膜炎やくも膜下出血などにより、髄膜が刺激された際に出現する症候で、項部硬直などがある。
軽度の片麻痺の有無をみるには、バレー徴候を用いる。
意識障害のある傷病者などで、従命が得られない場合にはドロッピングテストで麻痺を評価する。
練習問題
問題1
皮膚蒼白で考えられる疾患はどれか?
A) 心不全
B) ショック
C) 脳出血
D) 膵炎
E) 肝硬変
答え: B) ショック
問題2
チアノーゼの原因として考えられるものはどれか?
A) 肝不全
B) 高温環境
C) 心肺機能不全
D) 糖尿病
E) 甲状腺機能亢進症
答え: C) 心肺機能不全
問題3
皮膚が黄疸である場合に考えられる疾患はどれか?
A) 肝・胆道疾患
B) 腎不全
C) 心筋梗塞
D) くも膜下出血
E) 気胸
答え: A) 肝・胆道疾患
問題4
皮膚紅潮が見られる場合に考えられる疾患はどれか?
A) 発熱
B) 低血圧
C) 気胸
D) 結核
E) 腎不全
答え: A) 発熱
問題5
皮膚発赤が見られる場合に考えられる状態はどれか?
A) 糖尿病
B) 急性炎症
C) 脳梗塞
D) 心筋梗塞
E) 間質性肺炎
答え: B) 急性炎症
問題6
両側瞳孔が散大して対光反射が消失した場合に考えられる状態はどれか?
A) 糖尿病性ケトアシドーシス
B) 脳ヘルニア
C) 甲状腺機能低下症
D) 肝不全
E) 腎不全
答え: B) 脳ヘルニア
問題7
眼球運動に制限が生じ、斜視と複視が見られる神経の障害はどれか?
A) 顔面神経
B) 動眼神経
C) 三叉神経
D) 迷走神経
E) 視神経
答え: B) 動眼神経
問題8
糖尿病ケトアシドーシスで呼気に生じる特徴的な臭いはどれか?
A) アンモニア臭
B) アセトン臭
C) 酸臭
D) 鉄臭
E) 腐敗臭
答え: B) アセトン臭
問題9
空気やガスが皮下に貯留した状態を何というか?
A) 水腫
B) 皮下気腫
C) 脂肪壊死
D) 浮腫
E) 膿瘍
答え: B) 皮下気腫
問題10
脊柱が後方に突出している状態を何というか?
A) 側弯
B) 前弯
C) 後彎
D) 亀背
E) 頸弯
答え: C) 後彎
問題11
腹膜刺激症状が見られる疾患に該当しないものはどれか?
A) 消化管穿孔
B) 急性膵炎
C) 壊疽性胆嚢炎
D) くも膜下出血
E) 胃潰瘍
答え: D) くも膜下出血
問題12
チアノーゼが出現しにくい状態として正しいものはどれか?
A) 高血圧
B) 貧血
C) 肝不全
D) 高体温
E) 腎不全
答え: B) 貧血
問題13
片麻痺が見られる原因疾患として適切なのはどれか?
A) 脳出血
B) 胃潰瘍
C) 関節リウマチ
D) 糖尿病
E) 肝硬変
答え: A) 脳出血
問題14
四肢麻痺の原因として考えられるものはどれか?
A) 肝硬変
B) 胃潰瘍
C) 頸髄損傷
D) 虚血性心疾患
E) 急性肺炎
答え: C) 頸髄損傷
問題15
顔面と四肢の麻痺側が異なる場合を何と呼ぶか?
A) 同側麻痺
B) 交叉性片麻痺
C) 両側麻痺
D) 完全麻痺
E) 全身麻痺
答え: B) 交叉性片麻痺
問題16
バビンスキー反射が見られる状態として正しいものはどれか?
A) 末梢性麻痺
B) 中枢性麻痺
C) 筋萎縮
D) 肝硬変
E) 動脈硬化
答え: B) 中枢性麻痺
問題17
運動失調の原因部位として適切でないものはどれか?
A) 小脳
B) 脊髄後索
C) 脳幹
D) 末梢神経
E) 中枢神経
答え: C) 脳幹
問題18
髄膜刺激症候が見られる疾患はどれか?
A) 髄膜炎
B) 肺炎
C) 脳梗塞
D) 糖尿病
E) 胃潰瘍
答え: A) 髄膜炎
問題19
軽度の片麻痺の有無を確認する際に用いられる徴候はどれか?
A) バレー徴候
B) バビンスキー徴候
C) ケルニッヒ徴候
D) ロンベルグ徴候
E) ラセーグ徴候
答え: A) バレー徴候
問題20
意識障害のある傷病者で、従命が得られない場合に麻痺を評価するために用いられるテストはどれか?
A) バビンスキーテスト
B) ドロッピングテスト
C) フィンガーテスト
D) ケルニッヒテスト
E) オルトナー検査
答え: B) ドロッピングテスト
参考文献:救急救命士標準テキスト
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講義の復習
授業で強調された内容をメモし、理解できなかった部分は講師に質問!参考書や資料を活用して理解を深めましょう。問題を解く
問題を解くことで理論を実践に結びつけ、時間制限を設けることで試験本番への準備が整います。特に間違えた問題を重点的に復習することが重要です。解答と選択肢を見直す
間違えた問題を振り返り、なぜ間違えたのかを理解して次に活かしましょう。微妙な選択肢の違いにも注目し、落とし穴に気づく力をつけていきます。
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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト
23_局所の観察・神経所見の観察
①音声解説
②聞き流し1問1答
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