15_循環障害・腫瘍【救急救命士国家試験対策】
国家試験定期試験出題内容のまとめ
【循環障害・腫瘍】
1. 梗塞と虚血
梗塞: 高度な虚血によって細胞障害が進行し、局所が壊死に陥ること。
虚血: 組織に必要なだけの動脈血が供給されない状態。
酸素需要の高い組織では、完全な動脈閉塞が無くても梗塞が生じることがある。
2. 塞栓と血栓
塞栓: 血栓などが血流で運ばれ、血管の閉塞や血流障害を引き起こすこと。例:空気塞栓。
血栓: 血管内で凝固した血塊や、それによる血流障害。
血管内で血栓が生じる主な要因は、血管内皮の異常、血流の異常、血液性状の異常。
3. うっ血と心不全
うっ血: 静脈や毛細血管に血液がうっ滞した状態。
全身性のうっ血: 右心系のポンプ機能の低下により、うっ血性心不全で生じる。
左心不全: 肺水腫を引き起こし、呼吸困難をもたらす。
4. 出血の種類
出血の種類: 動脈性出血、静脈性出血、毛細血管性出血。
血腫: 組織内に相当量の出血によって作られた血液の塊。
5. 血液の異常
血小板の減少: 再生不良性貧血や白血病では血小板が減少し、出血のリスクが高まる。
血液の濃縮: 血栓形成のリスクを高める要因の一つ。
6. 腫瘍の種類と特徴
腫瘍: 遺伝子の異常により発生する。
良性腫瘍: 発育が遅く、転移しない。例:上皮性腫瘍(良性)。
悪性腫瘍: 制御なく急速に増殖し、転移する。例:上皮性腫瘍のうち悪性のものを癌と呼ぶ。
骨肉腫: 骨から発生した悪性腫瘍。
7. 腫瘍の浸潤と転移
浸潤: 腫瘍が周囲の組織や臓器に広がること。これを浸潤性という。
転移の様式:
血管性転移: 血流を介して転移。
リンパ行性転移: リンパ管を介して転移。
播種性転移: 腹膜や胸膜を介して広がる。
問題
梗塞とは、高度な __________ によって細胞障害が進み、局所が __________ に陥ることを言う。
__________ とは、組織に必要なだけの動脈血が供給されない状態である。
__________ とは、血栓などが血流で運ばれ、血管の閉塞や血流障害をきたすもの。
血栓とは、血管内で凝固した __________ やそれによる血流障害。
血管内への空気の混入による血管の閉塞は、 __________ である。
酸素需要の高い組織では、動脈の __________ が無くても梗塞を生じる。
静脈や毛細血管に血液がうっ滞した状態を __________ という。
全身性のうっ血は、 __________ のポンプ機能の低下によるうっ血性心不全で生じる。
左心不全では、 __________ による呼吸困難を来す。
出血源となる血管の種類により、動脈性出血、 __________ 出血、毛細血管性出血に分けられる。
内出血のうち、相当量の出血によって作られた組織内の血液の塊を __________ と呼ぶ。
血管内で血栓を生じる主な要因には、血管内皮の異常、血流の異常、 __________ の異常がある。
再生不良性貧血や白血病では __________ が減少する。
血液の __________ は血栓形成のリスクの一つとなる。
骨から発生した悪性腫瘍は __________ と呼ばれる。
腫瘍のうち、発育が遅く転移しないものを __________ という。
良性腫瘍と悪性腫瘍とでは、細胞の配列、核の大きさ、 __________ などが異なる。
腫瘍のうち、上皮組織から発生したものを上皮性腫瘍といい、そのうち悪性のものを __________ という。
腫瘍のうち、制御なく急速に増殖し転移するものを __________ という。
腫瘍は、 __________ の異常によって生じる。
浸潤とは、腫瘍のできたところから癌細胞が直接に周囲の組織や臓器を壊しながら広がることを言うが、このような腫瘍の性質を __________ という。
癌の転移様式には、血管性転移、リンパ行性転移、 __________ 転移がある。
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解答
梗塞とは、高度な虚血によって細胞障害が進み、局所が壊死に陥ることを言う。
虚血とは、組織に必要なだけの動脈血が供給されない状態である。
塞栓とは、血栓などが血流で運ばれ、血管の閉塞や血流障害をきたすもの。
血栓とは、血管内で凝固した血塊やそれによる血流障害。
血管内への空気の混入による血管の閉塞は、塞栓である。
酸素需要の高い組織では、動脈の完全閉塞が無くても梗塞を生じる。
静脈や毛細血管に血液がうっ滞した状態をうっ血という。
全身性のうっ血は、右心系のポンプ機能の低下によるうっ血性心不全で生じる。
左心不全では、肺水腫による呼吸困難を来す。
出血源となる血管の種類により、動脈性出血、静脈性出血、毛細血管性出血に分けられる。
内出血のうち、相当量の出血によって作られた組織内の血液の塊を血腫と呼ぶ。
血管内で血栓を生じる主な要因には、血管内皮の異常、血流の異常、血液性状の異常がある。
再生不良性貧血や白血病では血小板が減少する。
血液の濃縮は血栓形成のリスクの一つとなる。
骨から発生した悪性腫瘍は骨肉腫と呼ばれる。
腫瘍のうち、発育が遅く転移しないものを良性腫瘍という。
良性腫瘍と悪性腫瘍とでは、細胞の配列、核の大きさ、発育様式などが異なる。
腫瘍のうち、上皮組織から発生したものを上皮性腫瘍といい、そのうち悪性のものを癌という。
腫瘍のうち、制御なく急速に増殖し転移するものを悪性腫瘍という。
腫瘍は、遺伝子の異常によって生じる。
浸潤とは、腫瘍のできたところから癌細胞が直接に周囲の組織や臓器を壊しながら広がることを言うが、このような腫瘍の性質を浸潤性という。
癌の転移様式には、血管性転移、リンパ行性転移、播種性転移がある。
練習問題
問題 1
高度な虚血によって細胞障害が進み、局所が壊死に陥ることを何と呼ぶか?
A) 塞栓
B) 血腫
C) 梗塞
D) 浸潤
E) 再生
答え: C) 梗塞
問題 2
組織に必要なだけの動脈血が供給されない状態を何と呼ぶか?
A) 梗塞
B) 血栓
C) 虚血
D) うっ血
E) 出血
答え: C) 虚血
問題 3
血栓などが血流で運ばれ、血管の閉塞や血流障害をきたすものを何というか?
A) 虚血
B) 塞栓
C) うっ血
D) 浸潤
E) 再生
答え: B) 塞栓
問題 4
血管内で凝固した血塊やそれによる血流障害を何と呼ぶか?
A) 塞栓
B) 出血
C) 血栓
D) 虚血
E) 血腫
答え: C) 血栓
問題 5
空気が血管内に混入して閉塞を引き起こす状態を何と呼ぶか?
A) 血栓
B) 塞栓
C) 出血
D) うっ血
E) 再生
答え: B) 塞栓
問題 6
静脈や毛細血管に血液が滞留した状態を何というか?
A) 塞栓
B) 虚血
C) うっ血
D) 梗塞
E) 再生
答え: C) うっ血
問題 7
全身性のうっ血はどのポンプ機能の低下によって生じるか?
A) 左心系
B) 右心系
C) 脳
D) 肝臓
E) 腎臓
答え: B) 右心系
問題 8
左心不全では、何によって呼吸困難が引き起こされるか?
A) 虚血
B) 血腫
C) 肺水腫
D) 塞栓
E) 血小板減少
答え: C) 肺水腫
問題 9
血管の種類によって出血はどのように分類されるか?
A) 動脈性出血、静脈性出血、毛細血管性出血
B) 毛細血管性出血、リンパ出血、筋肉出血
C) 動脈性出血、筋肉出血、毛細血管性出血
D) 静脈性出血、動脈性出血、骨髄出血
E) 血小板出血、動脈性出血、静脈性出血
答え: A) 動脈性出血、静脈性出血、毛細血管性出血
問題 10
相当量の内出血によって作られる血液の塊を何と呼ぶか?
A) 塞栓
B) 血腫
C) うっ血
D) 梗塞
E) 再生
答え: B) 血腫
問題 11
血管内で血栓を生じる主な要因には含まれないものはどれか?
A) 血管内皮の異常
B) 血流の異常
C) 血液性状の異常
D) 血小板増加
E) 血管狭窄
答え: D) 血小板増加
問題 12
再生不良性貧血や白血病では何が減少するか?
A) 赤血球
B) 血小板
C) 白血球
D) リンパ液
E) 酸素
答え: B) 血小板
問題 13
骨から発生した悪性腫瘍を何と呼ぶか?
A) 骨腫
B) 骨肉腫
C) 骨髄炎
D) 骨壊死
E) 骨再生
答え: B) 骨肉腫
問題 14
発育が遅く転移しない腫瘍を何と呼ぶか?
A) 良性腫瘍
B) 悪性腫瘍
C) 癌
D) 骨腫
E) 血栓
答え: A) 良性腫瘍
問題 15
悪性腫瘍に含まれない性質はどれか?
A) 制御なく急速に増殖する
B) 転移する
C) 発育が遅い
D) 周囲組織に浸潤する
E) 再発しやすい
答え: C) 発育が遅い
問題 16
上皮組織から発生した悪性腫瘍を何と呼ぶか?
A) 骨腫
B) 癌
C) 骨肉腫
D) 血栓
E) 塞栓
答え: B) 癌
問題 17
腫瘍はどのような異常によって発生するか?
A) 免疫
B) 細胞
C) 血液
D) 遺伝子
E) 組織
答え: D) 遺伝子
問題 18
腫瘍の浸潤性とは何を指しますか?
A) 腫瘍の大きさが急速に増加すること
B) 癌細胞が周囲の組織や臓器を壊しながら広がること
C) 血流が滞ること
D) 血管の閉塞を引き起こすこと
E) 骨が破壊されること
答え: B) 癌細胞が周囲の組織や臓器を壊しながら広がること
問題 19
癌の転移様式に含まれないものはどれか?
A) 血管性転移
B) リンパ行性転移
C) 播種性転移
D) 骨転移
E) 肺転移
答え: E) 肺転移
問題 20
血液の濃縮によってリスクが増加するものはどれか?
A) 貧血
B) 血栓形成
C) 癌転移
D) 骨再生
E) 血流増加
答え: B) 血栓形成
参考文献:救急救命士標準テキスト
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効率的な学習の3ステップ
講義の復習
授業で強調された内容をメモし、理解できなかった部分は講師に質問!参考書や資料を活用して理解を深めましょう。問題を解く
問題を解くことで理論を実践に結びつけ、時間制限を設けることで試験本番への準備が整います。特に間違えた問題を重点的に復習することが重要です。解答と選択肢を見直す
間違えた問題を振り返り、なぜ間違えたのかを理解して次に活かしましょう。微妙な選択肢の違いにも注目し、落とし穴に気づく力をつけていきます。
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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト
15_循環障害・腫瘍
①音声解説
②聞き流し1問1答
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