『億劫なアニマ』

祖父は茫漠たる荒野の言葉を話し、祖母は鮮烈なる密林の言葉を話した。
そして父母を知らない私は、鮮烈なる荒野の言葉を話すことになる。

村外れにある足ヶ池の辺りに座ってザリガニの鳴き声を真似していると、すこし離れたところから 何かがこちらを見ている。
人の様でそれでなく、獣の様でそれでなく、草木の様でそれでもない。
無理やり言葉にするのならそれは

億劫なアニマ

やはり言葉にしない方が良かったかもしれない。

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#寓話 #ノンセンス

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