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「ユーザー熱量が異常」ーANRIがパラレルに継続して投資する理由

友達と遊べるたまり場アプリを運営するパラレルは、シリーズBの調達を完了しており、より多くの人に「パラレル」を使ってもらうためのプロダクト開発を進めています。

様々な投資家の方に出資いただいていますが、今回は、創業間もないタイミングから出資参画いただいているANRI代表パートナーである佐俣アンリさんと、パラレル共同代表の青木が対談させていただきました。

左からパラレル共同代表の青木、ANRI代表パートナー佐俣アンリさん、パラレル共同代表の歳原

当時の出会いや、投資の決断をした理由、今後パラレルに期待することなど、様々なお話を聞くことができました。

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シンプルな機能がコアユーザーにぶっささっていることに惹かれた

ー投資のきっかけ

アンリさん(以下アンリ):僕の場合いつもなんですけど、パラレルのプロダクト自体についてはよくわからんなあ、と(笑)。というのも、toCでエッジーなもので、少なくとも自分が直近の対象ユーザーではなかったので、”なんかすごそうだがわからん”っていう感じでした。でも、当時初めて話を聞いたとき、多機能じゃなかったのは超良かったなと思います。
「スタートアップのプロダクトは、はじめオモチャみたいに見える」という使い古されてきている言葉があると思うんですけど、当時パラレルのコアユーザーに刺さっている機能が、”パラレルで友達と話しながらゲームをすると、ゲーム中に聞こえる音声がきれい”の1点だったという。”これとこれとこれができてこれが”とかじゃなかった。例えばPUBG(スマホで楽しめるバトルロイヤルゲーム)の音が拾いやすいという。めちゃめちゃニッチな問題だけど、PUBGやってる人からするとまじの死活問題ですよね。
刺さる人に刺さるものを持ってた、というのがめちゃめちゃ良い印象だったなあと。

パラレル青木(以下、青木):一番最初にアンリさんにお会いしたのは、六本木ヒルズでのランチでした。ずっと筋肉の話、そこからの筋トレと営業の相関みたいな話をしていて(笑)
当時増資してもらえなかったら、僕らもう会社終わりだな、という感じだったので、リアルにその場にかけて行ったんです。でも実際、プロダクトの話は本当にちょっとしただけで、「なんでやってるか」とか、「二人はどういう関係か」とか、僕らの事業というよりどういう人間かということにすごいフォーカスして聞いてきたので、(まずは人をちゃんと見てくれているという意味で)安心感がありました。

ユーザーの何かをグリップする起業家は独特のオーラを持つ

ー投資の決断背景

アンリ:起業家にはすごいたくさん会ってるので、どれくらい気合いが入ってるかって分かるんですよね。事業にどれぐらい集中できているかもすぐ分かるので、パラレル代表の2人と会って「あ、この人たちは集中力がものすごく高いな」という印象を持ちました。
それから当時Wantedlyで、パラレルの前につくったtoCサービスがなぜ駄目だったかを書いて公開してたんだよね。ああいうの読んでも分かったというか。
ぶっちゃけtoBサービスの方が、toCサービスより賢くなくても作れると思うんだけど、toCって本当に賢くないと出せなくて。しかもやっぱり打率があって、当たらない時は当たらないというか。そういうときに、Wantedlyの振り返りの内容を見て、まあこういう人はどっかで当たるよねと思える典型なタイプだったなあって思います。

一方、”これはよくわからんし、ぶっちゃけ丁寧にANRI社内で説明しても、同意は得られないだろう”と思いましたが、「こういうのはとりあえず乗っとくでしょ」と思って投資しました。こういう訳わかんないものに投資するのがうちのファンドの良さというか。
うちのなかでは”不確実性”って呼んでるんですけど、何が今見えてて何が今見えてないか、要はgoodとbadまでが洗い出せていてそれぞれが何%で起こるかまでは分からないタイミングでも、GOできるのがシートファンドの良さだから。
でも投資にすごい自信があったのは、さっきも言った通り代表の2人にとにかく気合いが入っていたこと(笑)特に当時のパラレルみたいに、まだまだアーリーなところは突然サービスがバンされるって全然起こりうるので、それでもやれる人かっていうところはすごい大事にしてましたね。

あとは手ごたえを見つけちゃった瞬間の起業家って、ユーザーの何かを圧倒的にグリップしてるので、ロジカルに説明できない独特のオーラがあるんですよね。それはパラレルの2人に会った瞬間から感じました。
「お前らが分かるか分からんが、俺らはユーザーのあるものをもう掴んでいる」っていう。僕はtoCサービスをつくる才能やユーザーの心をつかむ才能はないけど、そういうのをつかんだという起業家の気配を察するのがうまいんです。

役割がはっきりしてるのが心地良い関係

ーアンリさんとパラレルの関係性

青木:アンリさんって結構はっきりしてるんですよね。「プロダクトは俺はわからねえ」ってさっきも言ってたと思うんですけど、プロダクトは分からないけど自分はファイナンスと人を見極めるプロであるっていう。
僕らは逆に言うと、プロダクトづくりには特化してるけどファイナンスは素人で。そんな感じで役割が明確なのは、すごくわかりやすくていいんですよね。居心地がいいというか。

少し変な言い方すると、投資家の方たちはいろいろなプロダクトを見ていますが、やっぱりプロダクトづくりの最前線でやられているわけじゃないので、当たり前ですけど1つのプロダクトのことって分かり切れるものでもないと思うんですよね。

当然、数値勘定できる部分はわかると思うんですけど、ユーザーさんのちっちゃな機微だったり、特に自分がターゲットユーザーじゃなくて分からないところには、「自分はもうプロダクトのことはわかんない。でも自分はファイナンスのプロでお前らはファイナンス素人だから俺がファイナンスやってやる」っていう、その関係補完がすごい出来てるのがすごくやりやすいですね。

アンリ:プロダクトの知見があるインベスターもいるだろうから、プロダクトの話になったらそういう人に任せるし。Twitter以外使えんわ、俺は(笑)

青木:(笑)
僕たちはシリーズBを完了してますが、テンション的にはまだシードと思ってやってるんですよね。facebook超えるものをつくるというパラレルのポテンシャルに対して共感してベットしていただけるのが有難いと思います。
そこに対しての目線観が合ってないと、たぶんお互い幸せにならないなと思うので、やっぱりポテンシャルを見てくれる方に入っていただきたいと思っていました。

ロジカルに計算しても10億人使うプロダクトは予知できない

ーSaaS全盛期の今パラレルへの想い

アンリ:投資して早く収穫したいんだったら流行ものだったり上場株とかやって、半年や1年で投資回収していればよくて。でも僕らはシードファンドなので、流行ってるトレンドに乗ることが逆に危ないというか。
僕は「hey」に9年前に投資しましたけど、9年前にFintechなんてワードはなかった。だけど、シードファンドならそういうワードやトレンドがなかったりするものに投資をしてなんぼなので。逆にワードが非常に騒がれているものの方が眉唾だったりもするんですよね。例えばどんなにロジカルに計算しても、facebookの出現は予見できなかったと思います。10億人使うものつくった方が楽しいじゃんって感じる人たちを僕は面白いなあと思うから。そういう人たちが、本当にとんでもない人数が使うものを生み出すのを投資を通じて見てきました。

世界共通の欲求に対して価値提供を目指す

ー今後パラレルが狙うマーケット

青木:例えば、会議をする場が会議室からzoomになったり、女子高生がカフェやファミレスでおしゃべりする場がLINEのグループ通話になったり、学校の友達との放課後過ごす場がRobloxになったり、オンラインにつながっている時間は増えています。パラレルは、オフラインで友達と遊ぶときのオンライン版渋谷のハチ公みたいになりたいと考えています。物理的に離れてたり、時間が合わなくても集合できるようなオンラインの空間みたいな。
そういう意味でいくと、事業ポテンシャルは当然日本に限ったことでもないんです。”友達と遊ぶ”っていう欲求って、日本人だけが持ってるものじゃなくて、世界中の誰もが共通して持ってるし、若いからやるとかおじさんだからやるとかそういう話でもなく、老若男女誰もが持つものですよね。だからこそポテンシャルがある事業だと考えています。

パラレルのビジョンや事業について詳しく説明しているHPは☛こちら


青木:
海外でも同じ根本的な欲求があるかどうかを確認できて、それが普遍的な欲求なのであれば、僕たちは正しいプロダクトをマーケットインさせる、つまりPMFさせるだけの話だと思っているので、”海外だから””日本だから”と分けず、やること自体はそこまで変わらないかなと思っています。
一方で、プロダクトがいいからって流行る時代でもないので、ちゃんと伝達していくチャネルを検証しに行くことは重要だと考えていて。そこは既に検証を始めています。具体的には、海外でパラレルを広めていくチャネルが存在しているかの検証をしており、しっかりと数値がついてきました。例えば韓国ではCPI10円以下で獲得できて、正直マジかよってなりました(笑)

アンリ:海外でも勝つために一番大事なのは、経営陣がそこを本気で狙っているか。toCサービスで本当にfacebookと同じポジションを狙うことをマイクパフォーマンスじゃなく、真顔で言っているスタートアップって意外とないんですよ。本気で狙っていれば、優先順位もちゃんと変わってきます。
そういうパラレルのスタンスもあって、この前のフォロー投資は、GP(ジェネラルパートナー)満場一致で、もともと考えていたよりも金額を増やしました。「まあそういう戦いをする会社にやっぱり投資したほうがいいでしょう」っていう。
あと、toCサービスってやっぱり熱狂が最高なんですよね。とんでもない人数がとんでもない時間使ってる感じとか。パラレルの総通話時間とかやっぱり異常ですからね。
ユーザーが大きな規模で集まってきて何が起きるかわからないっていう瞬間に立ち会えることがtoCサービスをつくる醍醐味なんですけど、それを味わえる瞬間ってなかなかない。期待しています!

=(対談終)=

パラレルは、日本発のグローバルSNSになっていけるよう今後も爆速でのプロダクト開発を進めていきます。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

パラレルの各種情報☛パラレルHP
本記事の対談動画☛こちら



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