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2024 K-POP 楽曲大賞 〜①楽曲〜

今年もやって参りました、年末総決算の時期です。
毎年の如く、年内には間に合わないスケジュール感で執筆しております。
必ず出すので全編はしばしお待ちを。
(誤字はご愛嬌、公開後に高頻度で修正・追記しています。ご承知おきください。)

さて勝手に始めた楽曲大賞も今年で7回目となりました。
韓国アイドルだったら再契約。
こんな長く続けるとは思っておらず、自分が一番びっくりしています。

2024年は7000曲以上、2000以上のアーティストを聴き、その8割以上が韓国音楽という側から見たらまあまあ異常な音楽生活を送っている筆者でございます。
昨年は5000曲余りだったので、今年のApple Musicも記録更新です。

2024年もよく聴き、よく見て、よくオタクをしました。





※部門内はリリース順であり、ランキングではありません。

▫️今年の10曲

・SEOLA - NO GIRL

宇宙少女のソラがソロデビュー、1stシングルより1曲。
UK garageのビートにソラの重厚感ある声質が相まって洗練された滑らかな楽曲になっており、大変好みで1年通してよく聴きました。
むしろこの曲がタイトル曲の方が良かったのでは?なんて思ったこともありますが、収録曲にしれっと良曲を入れ込んでくるのもスタシらしいと言えばらしい。
宇宙少女の面影を感じる1曲。



・RIIZE - ‘Impossible’

ドストレートなハウスミュージックに、ドストレートなハウスダンス。これはやられた、と思いました。
当たり曲しか出さないと定評があるRIIZEがまたも良い曲を出し、(そりゃ〜売れるわ)と説得力を高めた文句の付けようがない完璧なカムバックです。

基本的に初夏〜夏本番にかけてハウスが増えるシーズンではありますが、今年はハウス量産年とも言えるであろうほど多くのハウスソングが誕生したK-POP界隈。
今年は4月にリリースされたこの曲を境に、春からハウスブームが後押しされたように感じます。
ソヒの「Gumme that beat」から始まるイントロは、一気に高揚感が増す爽やかさが感じられて爽快な気分になります。




・tripleS - ‘24‘

「LOONAやトエスで好きな曲にはほとんどGDLOが関わっている」というのが数年の経験で得た個人的好みでありますが、ま〜嫌いなわけないよねと断言できるほど大変好きな曲調でございました。

結成から1年以上の時間をかけメンバーを集めてきたtripleSですが、ようやく最後のメンバーであるS24が公開され晴れて24人が揃う完全体になりました。
そんな彼女たちの象徴でもある‘24’という数字を掲げる曲ですが、歌詞の中には ‘Rising‘ や ‘Generation’ など代表曲も登場し、グループとしての過去や未来への誇りを感じる部分が感じられます。

「We are better treasures better dressers (私たちは良い宝物、素敵に着こなす)」という歌詞も、理不尽や矛盾と戦う現実社会でそっと背中を押すような肯定をしてきたトエスの物語を思うとさらにグッと胸を打たれます。




・Daul - ‘Gimme Love (Thirsty) feat. Se.A’

今年本当によく聴きました!!
Daulが作るビートが大好きなんですが、これまたドツボな曲が生まれてしまって参った。
2step x deep houseなんて私がこの世の音楽ジャンルで一番好きな組み合わせですから。
サビの4つ打ちがほんと〜に気持ち良い。からの2stepへスマートなビートチェンジ。
BPMは131、移動中に聞くことが多いのでちょうど良いテンポ感です。

Sa.Aは1995年生まれのシンガーソングライター。2013年にデビューし、今はシンガーとプロデューサーの両面を持つアーティストです。TRASUREやiKONにも楽曲提供をしています。
透明感と篭ったエッジの効いたバランスが良い声質がとても良いです。



・Yves - ‘LOOP feat. Lil Cherry’

LOONA再デビューのラストランナーを飾ったイヴ!待望のデビューです。
会社を辞めLOONAが実質解散になり各々が再デビューをしてきた中、唯一活動の兆しが見えなかったイヴ。
音楽作業している様子は見えていたので、ようやく準備が出来たのだと一安心しました。

UK Garageをメインに、サビではジャージークラブへビートチェンジ。
さらにdeep houseも組み込み、スタイリッシュにまとめられています。
客演にLil Cherryを迎えるのもシブくて良いですね。
ちゃんとK-HIPHOPを聴いてる人のチョイスだと思います,

MVでは少し煙たい雰囲気が漂うのも、マイナー音楽らしくて好きです。
トンネルのようなロケ地にいるイヴを見ると、LOONAソロデビュー曲 ‘New’ を思い出さずにはいられないですね。




・GroovyRoom, GEMINI, DAWN, Jay Park & Vince - ‘IG’

トッププロデューサーのGroovyRoomがH1GHR  MUSICを退社しAT AREAへ完全移籍ということで、退社と移籍の記念でリリースされたシングル「AT H1GHR」より1曲。
退社をお祝いするかのようなリリースなどアイドル界では珍しいですが、そんな柔軟性ある音楽活動を出来ちゃうのがこの界隈の良いところ。

参加メンバーがとんでもないことになっていて、これで一つのフェス開けるのでは?と思うほどトップアーティストが勢揃いしています。

GroovyRoomにしてはジャジーでアナログチックな雰囲気と、パクジェボムやGEMINIなどK-R&Bシーンを牽引する面々による上質なメロディーを堪能することが出来ます。
Vinceのパートでは「1234567~」とIVE ‘ELEVEN’ をサンプリングがありますね。
作詞作曲にはWOODZことスンヨンも参加しており、改めてグルビの顔の広さに感心しました。

ちなみにシングルに収録されたもう1曲にはpH-1・HAON・TRADE L・Woodie Gochild・BIG Naugthy・Sik-K・IIIBOIと、K HIP-HOP好きなら知らない人はいないであろうメンバーが揃っており、大変贅沢な1枚になっています。




・Loossemble - ‘TTYL’

ルセンブルが会社との専属契約終了前に出された卒業ソングともなり得るこの曲がかなり気に入りました。

TTYLとは「Talk to you later」の略で、「また会いましょう」という意。
疾走感溢れる軽快なメロディーが耳に残りやすく、中毒性があります。
LOONAの面影を探してしまうのが悪い癖だと思いながらもつい辞められないのですが、今回はまさに過去を彷彿とさせる空気感を感じてしまい、つい涙腺が緩んでしまいました。
ライアンジョンのプロデュースでありますが、この人は本当に女性アイドル曲の扱い方が上手ですね。




・XG - ‘IYKYK’

もはやK-POPの括りに入れていいものかと躊躇しながらも、あまりに良いので2年連続でXGを入れてしまいました。
私の中で当たり曲しか出さないグループとして完全に確立されているXGですが、今年も大変質の良い1年でした。

夏にリリースされた ‘SOMETHING AIN’T RIGHT’もかなり良く、大変重宝していたところでリリースされたこの曲にはやられましたね。
m-floの’Prism’をサンプリングし、アナログと現代感を融合させたライトなメロディーが聴きやすくて心地良い。
どことなくLisaの影を感じ、懐かしさを漂わせます。

今回も例にも漏れずCHANCELLORが編曲で参加していますが、単純にCHANCELLORが好きなのだと思います。
元々CHANCELLORが好きだったので彼が日本人グループの楽曲に携わると聞いた時はかなり驚きましたが、まんまとXGの楽曲に魅了されている今を思うと案外自分の好みには抗えないなと痛感しています。




・aespa - ‘Whiplash’

「今年はaespa無双年」と誰もが納得するほど、数々の記録と大賞がaespaの活躍を物語っていますが、ブームの追い打ちをかけるようにリリースされた‘Whiplash’がほんと〜に良かったです。

ヘビーなベース、気持ち良いくらい綺麗に鳴るスネア、サビでの露骨なアンチドロップ、どれを取っても最高。
10月リリースながらも、今年最も聴いた曲トップ10に入るくらいにはめちゃくちゃ聴いてます。

SNSでのスポイラーで解禁された一部パートを聞いた際、勝ちを確信すると同時に(ほんとにこれでカムバするの...?)(ここにきて聞く人を選ぶテックハウスに挑戦とは攻めすぎでは?)などと思っていたわけですが、「aespaのヒットに万人受けなど関係ねえ!私たちがジャンルを作っていく!」といった一貫した意思を感じましたし、実際売れてる様子を見ると変に媚びず潔い姿勢を貫くところがまた彼女たちの強さだと思います。
大衆受けは「大衆へ寄せる」のではなく、「大衆を惹き寄せる」ものですから。

プロデュースはイギリス人DJのShift K3YとSM所属DJのIMLAYが担当。
Shift K3Yといえば以前よりSMソングキャンプに参加しており、チャンミン・テヨン・ウィンターの ‘Priority’ に作曲編曲で参加していますが、今秋久しぶりにSMとのお仕事になります。
実は‘Whiplash’よりも少し早くリリースしたNCT WISH ‘Steady‘ 、‘Whiplash‘ 後にリリースしたNCT  DREAM ‘When I’m With You‘ にもプロデューサーとして参加しており、秋のSMカムバックタイトル曲を3連続で担当しました。
一時期のLDN NoiseやDem Joinzs並の登場率。
ちなみにShift K3Yは、昨年TWICEナヨンの‘NO PROBLEM’、春にはTomorrow x Togetherの‘I’ll See You There Tomorow’を担当しています。




・IRENE - ‘Like A Flower’

Red Velvet より4人目のソロ、ついに最年長アイリーンの登場です。
あのアイリーンがソロになるとどんな風になるのか期待を膨らませて待っていたわけですが、その期待以上にペジュヒョンの一面が感じられる「らしい」曲だったと思います。

アフロビートに挑戦したのは少々意外でしたが、上品でおとぎ話のような浮遊感が漂う楽曲に仕上がっており、グループのカラーも伺えるソロデビューになったと思います。

アイリーンの凄いところは、お姫様のような見た目をしてちゃんとラッパーなところ。
今回も高音と中低音を使い分けており、楽曲の深み出しに一役買っていますね。
全体的に聞きやすくて耳に優しい、比較的万人に受ける1曲だと思います。



▫️今年のアルバム

・NCT 127 - WALK

グループセンターかつ核でもあるテヨンが4月に入隊しメンバーが揃わぬまま初めて迎えたカムバックですが、イリチルらしさを残しつつ新しいジャンルも開拓していく様子が見られた今作はかなりの良盤だったと感じます。

タイトル曲の‘Walk’はブーンバップを取り込み、メジャーでいかないところこそイリチルらしさを体現化しているような1曲。

正規は曲数が多い分全体のまとまりや強弱が曖昧になりブレる傾向がありますし、そんな正規の6枚目ともなると持ち曲の多さが足枷となり苦労する頃ですが、果敢に多様なジャンルへ挑む姿勢や正面から音楽と向き合う気概をこのアルバムから感じました。
攻めるというより、守らないからこそ出る真面目さが深みを醸し出しています。

ネオカルはネオカルらしく、自ら切り開いてきた道をしっかり歩み進めている堅実さが残っていて、そういう自らのコミュニティーに対する敬意やプライド、泥臭い生真面目さが結構好きなんだと実感しました。



・KEY - Pleasure Shop

昨年9月にリリースされた’Good&Great’ が大変好みで、「秋のキーはあたる!」と法則が作られつつあるほど信頼しているキーソロですが、今回も良かったですね。

ハウスやUK Garage、ドラムンベースなどアルバム全体を通してEDMでまとめられていますが、余分な雑音は削ぎ落としたシンプルさが非常にスマートで良いです。
タイトル曲‘Pleasure’ Shop’ にはMZMCが制作していますし、昨年の‘Cool As’にも参加したSMとも縁が長い Dewain Whitmore Jr.も編曲におり、SM布陣勢揃いといったクレジット。




▫️今年のコラボレーション

・NAYEON - Magic feat. JULIE

ナヨンのソロにジュリーが参加すると聞き、「マジ...!?大出世じゃん!!!!」とかなり驚いた記憶があります。
キャリアも実績も十分あり去年女性ソロで賞を受賞しているほど売れたナヨンのソロ2作目に、デビュー1年の新人アイドルが1人でご指名される未来が来るなんてなんて、キオプデビュー当時は想像もしてなかったよ...。

ジュリー、かなりラップ上手いですよね。
英語話者だから英詞の発音は完璧ですし、韓国語の発音も良いので元々耳が良いタイプなんでしょう。
聞き取りやすいラップでありフロウも万人受けするスタイルだと思うので、キャスティング側も選びやすいラッパーだと思います。



・LE SSERAFIM - CRAZY feat. PinkPantheress

元々自作曲にf‘(x)やSHINeeなどのK-POP曲をサンプリングしてきたPinkPantheressですが、そんなK-POPへの関心が強い彼女がいつK-POP界隈に参入してくるんだろうと思っていたところ、ようやくその時が来たなと思いました。

昨年 'Boy's a liar Pt. 2' で爆発的ヒットをした PinkPantheress。
(G)IDLE 'Vision' や NMIXX 'Passionfruit' などK-POPでもPinkPantheressの影響をジワジワ感じていたのですが、流行のキャッチをしっかり逃さないところが抜け目ないHYBEだと感じます。

‘CRAZY’ そのものもかなり好きなんですが、 PinkPantheressの声が入ることで抜け感ができ一気に透明感が出ます。
やっぱり彼女はK-POPと相性が良い。



・MARK - Fraktsiya feat. LEE YOUNG JI

高等ラッパーに出演していた2人が満を持してコラボレーション!

あの頃より何段階もパワーアップして正真正銘トップラッパーになった2人が、それぞれのスタイルでぶつかり合っているのが大変良いです。

NCT 127、NCT DREAM、NCT U、SuperMと多くのグループを掛け持ちしどのグループにも染まるカメレオン的存在のマークですが、マークのソロを見ると案外本人はアングラでキッチュで、そんな尖ったスタイルが好きなのだと感じます。
前作の’Golden Hour’が出た時「尖りと泥臭さ」が強い印象に残っていたのですが、今回もその系統に通ずるものを感じ、マーク自身の人間臭さが色濃く反映された曲だと思いました。
来年のソロアムバムもかなり楽しみにしています。




▫️今年のRemix

・TAEYEON & IMLAY - To. X (IMLAY Remix)

SM所属IMLAYやGINJOによる公式Remix。
もちろん原曲も大好きですが、IMLAYのRemixはハズレがないので安心して聴けます。
原曲のアコースティックな曲調は残しつつ、電話のような規制音を入れていて洒落が効いていますね。
毎月楽しみにしているi ScreaMシリーズ、年々参加メンバーも増えているので勉強になります。


・NCT U -  Make A Wish (yunji Remix)

12月にリリースされたRemix集「K-POP ScreaM 1」より1曲。
個人的には初めましての韓国人女性DJによるRemix。
まさか今Make A WishのRemixが出るなんて誰が想像できますか?2024年ですよ?と、相変わらず予測が出来ない動きに翻弄されています。
SMの公式Remixといえばもはや原型を留めていない大暴れなRemixが醍醐味ですが、今作も適度に暴れていて好きですね。
女性らしい繊細な音が伺えるのも良いです。



▫️今年の日本語曲

・NCT WISH - NASA

NASA狂いになるくらいNASA音源を求めて三千里。ようやく音源出ました。

日本語・韓国語・英語をバランスよく織り交ぜており、今まで韓国語曲と日本語曲の棲み分けをしっかりしてきたK-POPでは珍しい手法。
この曲が出た後NewJeansも同じ手法で ‘Supernatural‘ を出しており、日韓ミックス手法は今後も流行りそうだと察しました。

というわけで日本語曲という括りにしていいのか分かりませんが、日本語曲として出すには勿体無いくらい出来が良い曲なので入れちゃいました。

プロデュースは数々のSM代表曲を手掛けてきたLDN noise。
NCTとは初期の楽曲から縁があるので、新しく誕生したNCT派生グループも手がけたことはグループコンセプト継承において大きな意味があると思います。




ここまでが楽曲部門となります。
SMばっかじゃないか!と思う方もいらっしゃると思いますが、今年のSMは本当に良かったんです。
特にタイトル曲に当たりが多かった。
音楽にこだわり続けるSMらしいプライドを感じた1年でした。

毎年選曲する際、タイトル曲ばかりにならないようにしようとバランスを考えて選別しているのですが、今年はSMに限らずどの事務所もタイトル曲の当たり率が高かったです。
ここで漏れた曲については、④番外編で一気に公開します。


では続いて、MV・パフォーマンス部門に続きます。

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