アメリカ視察レポート:雑貨店 Five Below(ファイブ・ビロウ)がすごい
店数を急激に増やしている絶好調の雑貨店 Five Below(ファイブ・ビロウ)。2002年1月の設立から、2021年1月現在で1,190店舗、年商28億ドルに成長。2022年度も約160店舗の出店を予定しているそう。今回9月に視察したダラス・フォートワース周辺エリアでも、オープンエア型のショッピングセンターには、ほとんど入居していました。わずか20年足らずで4桁チェーンになるなんて、本当にすごいです。わが社なんて70年以上やっているのに、いまだにわずか50店舗です…。
約250坪の売場面積に、学校用品、衣料品、化粧品、本、電子機器、おもちゃ、お菓子まで、ありとあらゆるものが5ドル以下で販売されています。他店の似たような商品よりもはるかに安い!
Z世代(10代)から絶大な指示を受けているお店だけあって、わたしのような団塊ジュニア世代には、欲しいものは何も見つからない…(^^;)。おもちゃ箱をひっくり返したような、大人からしたらガラクタのような、大学生の部屋にありそうな物、といった商品構成でした。日本でいうと、サンキューマートが近いかもしれません。
店内の写真を少しご紹介。
核売場の1つとなっているのが、なんと「ボール」!
この他にも、大学生の部屋に貼ってありそうなポスターとか、部屋に転がってそうなおもちゃとか、「どこで売っているかピンとこないような物」を、核売場にしていて、10代のココロをがっちりつかんでいます。
一番驚いたのは、店舗のど真ん中で、ピアスを開けるサービスを展開していたこと。料金は、片耳5ドル。実際に開けているお客様もいらっしゃいました!ファイブ・ビロウの今年の重点政策のようです。小売業ながら、サービスを組み合わせている点や、ピアスデビューの手助けをして、ついでにピアスを購入してもらえる点など、わが社も何かヒントにしたいところです。
雑貨店といえば、アメリカではバラエティストアのダラージェネラルやダラーツリーは、5桁チェーンです。日本でいうと、100円ショップみたいな感じです。
※ダラージェネラル:店数18,130、年商342億ドル
※ダラーツリー:店数16,077(ファミリーダラー含む)、年商263億ドル
この2社も、新興勢力「ファイブ・ビロウ」をかなり意識した店舗を作っていました!5桁のチェーンストアでも、他社のいいものは、すぐに取り入れるところが、またすごいところです。
ダラーツリーは、通常の1ドルの売場に、3ドルと5ドルの売場を追加した店舗を実験していました。5ドルのボールもありました!お菓子売場も充実していました。
そして、ダラージェネラルは、「ポップシェルフ」という新しい店名の店舗を実験していました。まだ3店舗しかないようです。売場面積は185坪。
アメリカはものすごい物価高ですが、こうしたバラエティーストアが低価格を維持して、国民の暮らしを守っていました。
「豊かな暮らし」とは、高級品を買うことではなくて、ちょっと楽しくて、ワクワクするような商品や必需品を、手軽な価格でそろえることができることなんだと思います!