【格安EDH】1万円EDH その3「 死蔵の世話人、死零/Shirei, Shizo's Caretaker」
こんにちわ、ハルタカです。
EDH(統率者デッキ)を10000円で組むシリーズ第三段です。
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一回目が青緑。二回目が赤白。というわけで今回は黒単です。
黒単の統率者は幅広いので何を選ぶか悩むところです。なので、何となく目の前のストレージに転がっていた彼にしました。
そんなわけで死蔵の世話人、死零を統率者にしたデッキを考えていきます。
初版が神河というのもあり、死零は統率者戦の黎明期の頃から一定数使用者がいます。それだけにネットで探せばレシピ自体は存在するのですが、最近は他にも魅力的な黒単の統率者が増えていますので、比較的新しめの死零のレシピというと正直少ないかなという印象です。
つまり令和版の死零のデッキを組むにはちょうどいい機会かなと思いまして、今回手がけてみることにしてみたわけです。ハルタカはEDH界のスキマ産業みたいな統率者デッキを手掛けるのをモットーにしております。
今回は統率者デッキを購入せずに、純粋にシングル価格10000円以内でデッキを組みたいと思います。
デッキ構築条件は次の通りです。
デッキレシピ
デッキレシピを公開しましたが、まずはこの紙束をご覧ください。
これ全部死零のために候補に挙げていたカードたちです。何が言いたいかというと、これだけ入れたいカードがあるということは、それだけ可能性の獣であるということです。
そこで今回はちょっと強気に、死零を10000円でレベル6帯クラスで勝てるように仕上げたいと思います。
デッキの構造
死零デッキは以下の二つの要素を死零で毎ターン繰り返すことで勝利を目指します。
これらに統率者を含む3枚コンボデッキといえます。正直なところ、このままでは不安定です。どうしたらいいかというと、簡単なことです。同じ役目のカードを増やすことで安定性を上げることです。そのためクリーチャーの数は51枚とかなり多めに取りました。
それぞれに死零のコンボパーツとしての役目がありますが、カード単体でも異なるカードとのシナジー要素や戦略的目的があります。まずは先にサクり台について話していきます。
鍵となるサクり台は11枚です。サクった際の効果も右に書きましたが、意識して採用している要素が二つあります。ドレインとマイナス修正です。
ドレインについては後述する勝ち手段に繋がっています。このデッキは最終的には死亡時誘発を主としたドレイン系効果で対戦相手のライフを根こそぎ吸い取って勝利を目指します。
マイナス修正ですが、これがこのデッキの鍵となる要素です。
これらは対戦相手のクリーチャーの除去だけではなく、自分のクリーチャーに修正値を与えることで墓地に送る目的も兼ねています。疑似サクり台というわけです。
自分のクリーチャーを墓地に送るという目的であるなら、黒によくある黒死病のような全体に1点ダメージを刻んで与える置物やクリーチャーでも代用できそうな気もしますが、マイナス修正で墓地に送ることで本来パワーが1よりも大きい自軍のクリーチャーも死零の誘発型能力のトリガーに引っかかるようになります。
特にさえずる魔女は「トークン生成、マイナス修正、サクり台」と欲しい要素がすべて揃っているまさにマスターピースといえる逸材です。これがなんと50円なのですから、統率者戦のデッキを考えるのはやめられないんですわ。自分自身をマイナス修正させて自壊させると死零で戻ってこれるので、死零と魔女だけで毎ターンネズミが2匹ずつ増えます。
それともう一つマスターピースと思っているのが膿絡みです。
全体にマイナス修正をばらまき、自軍のクリーチャーを巻き添えに自壊し、戻ってこれる。なんだ神コモンか。相性のいいカードを探している中でこいつを見つけたときは地獄に蜘蛛の糸は確かに吊らしてあるもんだなって思いました。
-1/-1カウンターではないので死零を殺さないところも偉いです。
ヨーグモスはこのデッキで最も高いパーツである1600円ですが、正直仕方ないぐらい強いので絶対入れた方がいいです。入れない構築も考えましたが、マナのかからないサクり台でカードが引けてマイナス修正を与えられるとか無茶苦茶すぎる。こいつが統率者ではないかと錯覚するレベルで毎回サーチ対象になります。黙って入れよう。
ハンデスについては死零を安全に出すために妨害札を捨てさせ、死零定着後は対戦相手の手札を毎回捨てさせて反撃の目を摘むためのハーフロック目的で入っています。
死零の誘発タイミングはターン終了時のため、相手の手札を捨てさせるのもそのタイミングに限定されてしまいます。しかし死亡時誘発であれば、相手のドローフェイズ後にサクり台で生贄にすることでインスタントタイミング以外の呪文や土地はプレイさせずに捨てさせることができるので強固なロック状態になります。
死亡時誘発の手札破壊系クリーチャーはそこそこいますが、各対戦相手に作用するほうが早い段階でロック状態に持っていけるので、害毒のヒキガエルとエルフの終末論者を採用しています。ヒキガエルはポータルにしか存在しないコモンカードで晴れる屋には在庫がなかったです。今回唯一wisdom guildの最安値価格を参考にしました。
早期に全員をドレインして勝利したいため、死の信者のようなカードは遅いので採用していません。血の芸術家(350円)も値段が高い割に単独のプレイヤーしかドレインできないので今回は不採用です。
特筆すべきは投石攻撃の副官です。死零と相性が良く、マナを使わずに自壊できるので毎ターントークンを量産しながらドレインを行う(有事の際はトークンを一気に捧げて対戦相手を一人強引に退場させられるので、回りだしたら勝ちにかなり近づく)という非常に強力なクリーチャーです。
想起の拠点はクリーチャーじゃないので場に留まりやすいですが、危険な臭いしかしない置物なので結構目の敵されやすいです。序盤にポンと置くよりはゲームを決められそうなタイミングでこそっと置く方が良いかなと思います(経験談)
デッキの潤滑油となるドロー系のクリーチャーも様々な選択肢がありますが、パワー1以下のものは概ね採用しています。仕事が終わった後もサクり台の種になる仕事があるので無駄になりません。
死零と相性が良いことで有名なカードといえば愚鈍な自動人形です。自分のカウンターを取り除くと0/0になって墓地に行くので死零のトリガーに引っかかるようになります。マナを使わないので毎ターンドローができるようになる強力なコンボです。
マナは使いますが婆カカシも死零との2枚コンボで毎ターンドローができます。
死零が5マナと重いのでマナ加速も大事な要素です。黒には生贄でマナを出すことができるクリーチャーが多数いるので、それらを極力採用しています。枠の関係でマネキン人形など無色しか出せないクリーチャーは不採用にしました。
Soldevi Adnateは強力なマナ加速とサクり台を兼任する当デッキの強カードです。最低でも本人を生贄に捧げれば2マナになります。
熱心すぎる弟子は置きマナ加速。実質2枚でマナ加速をするデメリットの強いクリーチャーですが、死零コンボが決まった後であればカードアドバンテージは比較的整っていると思いますので、最後のひと押しとなる強力なマナ加速エンジンに変貌します。毎ターン3マナ出して、マナの必要なサクり台を起動し続けることができます。
最近高騰した無慈悲な略奪者。1マナかかるサクり台が使い放題になります。地味にトークンでもマナが増えるのがヤバすぎます。ヨーグモスとの相性が抜群で、サクって宝物を出し、ドローしたクリーチャーを出して即生贄で・・・とチェインコンボが開始します。値段は張るけど絶対入れよう。
ここまでマナコストの軽いクリーチャーをデッキ内に取っていれば、バネ葉の太鼓はかなり強力に運用できます。少しお値段が張りますが早い段階での爆発力に繋がるので採用です。
クリーチャー除去は基本的にマイナス修正のクリーチャーたちが兼ねていますので最小限にしています。マイナス修正で倒しにくい呪禁やプロテクション持ちを処理するための生贄系を数枚。骨砕きはエコーを払わなければ自壊するので比較的使いがってが良いので残しています。
黒はエンチャントやアーティファクト置物でハメられやすいので、それらに触れられる隕石ゴーレムと大群への給餌を取っています。
選択肢は色々ある墓地対策の中でこれを選んだ理由は、1マナと軽いのでマナ加速用の生け贄要員として使えますし、霊廟の秘密でサーチしやすいので必要時にすぐ探してこれて、召喚酔いなしで使用可能な点を評価して採用しています。一応死零ともコンボしています。
能動的に自分のクリーチャーを生け贄にしていくので、しばしば墓地のクリーチャーを再利用したくなる場面に遭遇します。死者のインプやファイレクシア流再利用はそのサポートカードとして採用しています。
ネクロマンサーの弟子は死零と組み合わせると、弟子で墓地のパワー1以下のクリーチャーを墓地→戦場→墓地→戦場と行き来させて場に留めつつ、ネクロマンサーの弟子自体も死零で戻ってくるというインチキ臭い動きが可能になります。
そして死零デッキ最強の切り札がこの死者起こしです。
限定的なタイミングの呪文ですが、その効果は絶大。死零と組み合わせると突然大量のクリーチャーが場に戻り、一瞬にして対戦相手のライフやハンドを根こそぎ奪い取り、その後大量のモンスター軍団が押し寄せて勝利を搔っ攫うという夢のあるオタクカードです。
これが令和のラリーデッキだ。みんな死者起こしを1000枚買え。
ここまでが死零デッキの根幹となるカードたちです。
残りのカードについては次の項目で説明します。
その他のカードたちの解説
サクり台ドレインをする際に、クリーチャーの水増しになります。無慈悲な略奪者と組み合わせると実質無料で戻ってくるので、サクり台ドレインのスピードが2倍になります。
三つともサーチカードです。
霊廟の秘密は黒単でクリーチャーの多いこのデッキであれば非常に万能なサーチカードとなります。
最後の別れで墓地に送るのは大抵の場合、先ほどの冥界の裏切り者です。死零とネクロマンサーがいるなら投石攻撃の副官も良く墓地に送ります。
肉捻りですが、デッキの中の4マナのクリーチャーに生まれ変わるという変形を持っています。このデッキの4マナはエース級クリーチャーばかりです。
サクり台が欲しいならスランの医師、ヨーグモスかKrovikan Horror。
サクり台コンボを開始したいならさえずる魔女や投石攻撃の副官。
ドローしたいなら愚鈍な自動人形。
マナ加速したいなら無慈悲な略奪者か墓所の怪異。
墓地対策で苦しい場合のサブプランとして戦慄の存在。
変形はソーサリータイミングでしか起動できないので注意してください。
3マナで3体のクリーチャーを並べられるのでサクり台と相性が良いです。
この二つはクリーチャーの水増し要員です。ライブラリーから直接場に展開できるので、墓地や手札のリソースに依存しない点で優れています。
スゥルタイの使者はデッキ内のクリーチャーの枚数が51枚なので、予示すれば、およそ50%以上の確率で後続を展開できます。軽量なクリーチャーが多いので表にしやすいのも良いですね。
極めつけがクローンの殻です。死零がいるとマイナス修正を与えてパワーを1以下にしてから墓地に送り込むことで毎ターン後続のクリーチャーを次々と生み出すデウス・エクス・マキナと化します。
トークンでないクリーチャーが死ぬたびに邪魔者トークンを生産するという置物です。サクり台コンボが始まった際の水増し要員です。似たような効果のカードは多数ありますが、終盤の打点とライフリソースを確保する手段としてこちらを採用しています。この辺は趣味枠かなと思います。
死零に依存しているデッキなので、最低限守るためのバックアップカードです。マラキールの再誕はサクり台とも相性が良いので死零デッキにとても噛み合っています。
沼30枚入っているデッキなので、ほぼ毎ターン能力を誘発できます。
一応墓地を封じられた際の切り札としても使えますが、正直焼け石に水感があります。
死零を封じられた際のセカンドプランです。サクり台エンジンをある程度稼働させることができます。死零と組み合わせると、さらに強力に運用できますがオーバーキル感を醸し出すこと請け合いで、カジュアル統率者であることを我々は思い出すのであった。つまり趣味枠。
ジェネリック貴重品室・・・と思ったら、こいつ500円もしやがる。
でも黒単なら貴重品室とこれのどっちかは入れたいので頑張って枠を作って採用しました。
簡単なアップデート案
候補が多すぎて紹介しきれないので、簡潔に一つだけ言います。
ファイレクシアの供犠台を買いましょう。
実際に回した雑感とまとめ
とにかくギミックが多くて楽しいです。
戦場と墓地をクリーチャーがピョンピョン行き来して、リソースをガバガバ稼いでくるのはあぁ、心がピョンピョンするんじゃぁ~。
まぁ真面目な話、死零にめちゃくちゃ依存しているので、死零を狙われると一気にデッキが死にます。墓地依存デッキでもありますので墓地対策で死ねますし、CIPまみれなので倦怠の宝珠でも無事死亡。弱点は思った以上に多いです。
なので、地味なヘイトコントロールが大切です。序盤はリソースを稼ぎながら土地をしっかり伸ばし、後半一気に爆発させて巻き返しを防ぐように立ち回れるといいですね。
統率者戦は技術介入が少ないフォーマットのように思えますが、実際のところ上手に勝ち続けるプレイヤーはデッキ構築だけでなく、盤面の立ち回りを意識している人が多いと思います。
レベル5~6帯は妨害や隙の少ない即死コンボは少ないですが、マスデスが飛び交いやすく、一枚で戦況を変化させる重たいパワーカードが飛んでくる環境です。黒単は置物に触れにくく打ち消しを持たない色なので、マナ加速からのスタートダッシュに失敗した場合は、虎視眈々とチャンスが巡ってくるのを待つスタイルも大切だと思います。地道に沼を置き続け、リソースを伸ばしていくプレイを心がけてください。
ごめん。本当はアクセル全開でいきなりBUKKOMIかけるほうが楽しいです。勝つためのプレイも大事ですけど、たまには頭の悪いプレイをしたい日もありますよね。そんなときに死零のギミックコンボはとてもユニークで楽しいです。もしよかったら組んでみてください。
面白かったらいいねやフォローをお願いします。あなたの一票がネットにニッチな格安レシピを増やす肥しとなります。それではまた次回お会いしましょう。
あ、次回は出張!コマンドフェスト編!をお送り致します。
今まで作ったデッキや新しいデッキを使って参加してみたいと思います。果たして結果はいかに? お楽しみに! でわまた。