【格安EDH】1万円EDH その10「ドゥームスカージ、カルダール/Kardur, Doomscourge」(統率者・スターターデッキ改造編その5)
御無沙汰しております。ハルタカです。
遅くなりましたが、最後のスターターデッキの構築記事でございます。
もう発売して11カ月たってるけど今更書くなんて正気か? と思うかもしれませんが、ご安心ください。
今でもスターターデッキはネットで定価ぐらいで売ってます。
今からでもぜんぜん遅くない! 買おう!
赤黒のスターターデッキ『混沌の具現』の統率者は『ドゥームスカージ、カルダール』です。これがなかなかKUSETSUYOの統率者デッキ・・・だと思ってたんです。
まずは普通に素のスターターデッキのまま回してみました。
・・・とんでもない曲者でした。
『混沌の具現』
スターターデッキの中でもトップクラスに強いです。
というか、『ドゥームスカージ、カルダール』が相当ヤバいです。
先駆者に学ぶ
まず、今回の記事を書くにあたって、既にネット上には秀逸なカルダール使いの記事がありましたので、こちらの記事を参考にしました。この場を借りてお礼申し上げます。とても役立ちました。ありがとうございます。
【EDH】コンバットを支配しリソース有利を作り出せ!5KEDHドゥームスカージ、カルダール (塵中様)
スターター統率者デッキから始めるEDH ~デッキの概要と低予算改造案~④ ドゥームスカージ・カルダール編 (hyoi様)
これらの記事を読んで、まず私が思ったことは『すでにこの記事のリストで概ね完成されている!』ということです。お二人ともカルダールのポテンシャルを十二分に理解したうえでデッキを構築されており、低予算デッキを組むにしても基本ベースはこの記事のままで良いと感じました。
そこで当記事では、これらの記事とは別のアプローチでカルダールを組んでみることにしました。
デッキ構築条件は次の通りです。
当10000円構築では、主にBattle~Challengeを目標にしています。感覚的にはBattleの上位層~Callengeの中間ぐらいのレベル。この辺の肌感覚が人によって異なるのは重々承知しておりますので、あくまで参考程度に。
んで、いつもの上記の文言に加えて、次の条件を加えています。
よろしいならば戦争だ
「混沌の具現」をそのまま弄らずに使ってわかったことは、『自分以外への強制戦闘』はカジュアルレベルであるほど凶悪すぎる誘発型能力であるということです。最近は色々な構築済みデッキに『使嗾(しそう)』と書かれたカードが追加されています。
使嗾はカジュアルで起こりがちな盤面膠着を強引に打開させる能力であり、ゲームを盛り上げるために考えられた秀逸な能力です。うちの地元のフィルクラーグ使いもそう言ってたんで間違いないです。だからフィルクラーグ使いは無条件で殴るのが板。
ドゥームスカージ、カルダールの恐ろしさは、先ほどの記事の作者『塵中様』が記事中に説明してくださっています。それを引用します。
おわかりでしょうか、この赤黒ジェネラルのエグさが。
想像よりも何倍も強かった、カジュアル界のガチジェネラル・カルダールくんなのですが、先駆者によってデッキレシピがすでに完成しているので、今回は違うアプローチで組んでみます。
僕が今回着目したのは墓地です。『混沌の具現』には墓地に関係するカードが何枚か収録されています。そこを上手く活用してみました。
まず先にカルダールの短所について触れておきます。
カルダールはクリーチャーがいないときは何もしません。慣れてきたプレイヤーたちは4マナたまった時点でカルダールによって攻撃方向を操作されてしまうリスクを理解することになるので、無意味に脅威になるクリーチャーを出してくれないという出し控えが生じてしまいます。
カルダールを統率者にしたデッキの最大の欠点は「対戦相手が理解していると、こちらの思うような展開に持っていけない」ことにあります。それを解決する方法として「狩り立てられた」シリーズなどを試してみましたが、カルダールを出すまでこちらを殴ってくる材料になってしまったり、カルダールの思惑に嵌らないように3人でブロックし合ってクリーチャーを相殺して被害を最小限に抑えてしまうといった結果となりました。パーティーの主役などデザインからして相性がよさそうなカードでも、相打ちブロックにされてしまうなど、思惑通りにはならないのが実情だったのです。
理想を言えば、相手の意表を突いた展開を互いにさせて、そこをカルダールで無理やり戦争に発展させたいわけです。「出し惜しみせずに派手に盛り合おうぜ!」と。
そんな方法あるわけが・・・
あったんですよ、それが。
デッキリスト
逆様邪八宝塞
相手の意図せぬ形で互いにつぶし合いをさせる。
その鍵は墓地利用にありました。
戦場に戻ってきた全てのクリーチャーが、カルダールの合図と共に、お互いに殺し合う地獄の様相を呈するのです。
切削で対戦相手の山札を墓地に送り込むことで複数体のクリーチャーを仕込んでおき、生ける屍で無理やり呼び覚まして戦争に参加させます。
・・・これ逆様邪八宝塞じゃなくて、火火十万億死大葬陣の方が近いやんけ・・・(※BLEACHネタはここでやめます)
対戦相手も自分のライブラリーから何が落ちるのかを操作するのは不可能です。不可抗力。対戦相手の墓地を掃除するか、切削を止めるか、生ける屍を打ち消すという方法を取る以外ないのです。それだと後ろ向きな対策が多くなるので、ならばとカルダール側から攻め込めばいい話です。
早急に諸悪の根源であるカルダールを退場させればいい?
それはカルダールにとって一番嬉しい展開です。殴って退場させるためにわざわざ出してくれたクリーチャーを、カルダールでほかの対戦相手に殴って頂くだけなので、それこそこちらの思惑通りになります。
このように、進めば同士討ちになり、立ち竦めば殴られ、最期は墓地からの血みどろなパーティーに参加させられる――このデッキは最悪の選択を迫るピエロとして生まれ変わりました。まさにラクドスサーカス団にふさわしいクソの山のようなデッキです。最高ですね。
それではカルダール団長率いるサーカス団の団員たちを紹介します。
団員紹介
今回のデッキを簡単に分解しますと、こうなります。
催眠の宝珠・狂気の祭殿・精神クランクという強烈なライブラリー破壊系置物を序盤から並べて全プレイヤーの墓地を肥やしに行きます。
侵略樹、次元壊しは序盤のマナ伸ばしも兼ねられるので重宝します。今回は法務官を入れていませんので、下記の能力を使いたい人はお好きなシェオルドレッドとかを足してください。
一つの指輪はすべてを統べは指輪物語の英雄譚であり、切削力もそこそこあり、第二章の条件付き全体除去もそれなりに優秀で、時間稼ぎに活躍します。第三章もゲームを加速させるのに寄与してくれます。
大聖堂の王、ゲスやコンラッド卿、多元宇宙の突破はそれ自体がフィニッシャーにもなるパワーカードです。
このデッキの到達点が『お互いの墓地が肥え、カルダールが自分の墓地にいる状態で生ける屍(黄昏の呼び声)を唱えること』です。
ですがそれだと時間がかかりますので、それなりに相手の墓地に有効なクリーチャーが落ちたところで、こちらの戦場に拾い上げるカードを採用しています。棺の女王やくぐつ師の徒党は、相手の場に戻ってほしくないクリーチャーを追放するための墓地対策も兼ねています。
野火の悪魔はランダムのプレイヤーの墓地の呪文を利用しますが、何を唱えるかを選べるのはその墓地のオーナーです。ですが唱えないことを選ぶこともできるので、裏目になることはありません。自分が選ばれると、生ける屍を再利用することもできます。なかなか味のあるクリーチャーです。
このデッキの影の主役ともいえるのが地下墓地よりです。対戦相手の墓地も含めたリアニメイト呪文であり、脱出によって再利用可能。おまけにイニシアチブも得られるのでリソース確保にも動けます。不快な納墓役でサーチする候補の一つです。
カルダールのETBを何度も味わうためのカードです。
このデッキの真骨頂は、やはりカルダールによる強制戦闘です。それをサポートするカードを厚めに取ることがデッキの格子となります。
妖術師の衣裳部屋はお馴染みのブリンク系置物ですね。カルダールに限らずETB系クリーチャー全般と相性がよく、脅し付け系とのシナジーが期待できることも評価ポイントです。
特筆すべきは命綱でしょう。カルダールと最高の相性を発揮するカードの一つで、カルダールも対戦相手のクリーチャーも最後の一人が潰えぬ限り、際限なく戻ってくるので争いがいつまでも終わらないといったループ状態を形成します。これは九番隊副隊長・檜佐木修兵の卍解・風死絞縄の能力に通じるものがある・・・ここまで符合するとはカルダール、まさかBLEACHとの因果関係があるのか?(今度こそBLEACHネタやめますので許して)
ともあれ、命綱はカルダールのもう一つの能力『攻撃クリーチャー1体が死亡するたび、すべての対戦相手は1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る』を最も強力に運用できる相方となります。
この4人はいずれも毎ターンカルーダルのコピートークンを出します。
リオーニャはこのデッキで一番高い900円もするカードですが、マナも手札も使わないのは強すぎるの一言です。他のカードも同様に強力なカードですが、この中では割と新入りのオーシオンも大概なカードであり、特に下の起動型能力はコピークリーチャー次第では即座にゲームが終わります。
カルダールを墓地から手札や戦場に戻すものです。
これらカルダールとのシナジーを期待したカードたちは当然の事ながら他のETB(戦場に出たときに誘発する能力)との相性も良いので、リターンの大きなクリーチャーを何体か選んでいます。特に虐殺のワームは対戦相手のライフを奪い取るのに一役買いますし、隕石ゴーレムは赤黒が苦手とするエンチャントに触れる手段となります。
カルダールを墓地に送るために、このデッキにはクリーチャーを生け贄に捧げる手段を多数搭載しています。
上記が能動的なサクリ手段ですが、疫病造り師とチェイン・デヴィルは除去兼カルダールの生け贄用に使えます。無情な屍技術師はカルダールを生け贄にすることで、そのまま再キャスト用の宝物をゲットできるので無駄がありません。
赤黒といえば脅しつけ系スペルとサクり台を組み合わせたサクリファイスコンボです。
不死皇、ビーストは結構やり手なドクター・フーの新規カードです。唱えたときの誘発型能力なのであまり悪さができないようになっていますが、相手のコピーカードによるETBで悪用されないメリットもあるので個人的に気に入っています。このデッキは対戦相手の墓地からリアニメイトする呪文も多いので、追加ドロー要素もそれなりに期待できます。
今回はあまり採用していませんが、死亡時に戦場に戻る効果を付与するカードなども採用圏内だと思います。対戦相手がカルダールに除去を打つメリットが少ないので、自分でサクリファイスエンジンを強く使える場面で強いという感じもあり、今回は土地も兼任するマラキールの再誕だけにしました。
その他のカード
対戦相手の墓地を肥やすデッキなので、当然対戦相手の統率者次第では裏目になる場合もあります。そのための墓地追放カードです。これらはスターターデッキにそのまま入っているものを採用していますが、全く別のカードにしてもいいと思います。
ラクドスの魔除けは知る人ぞ知る『統率者戦で無限トークンコンボに入った相手が突然消し飛ぶカード』です。別に無限でなくても突然相手のライフが消し飛ぶ場面もありますので、是非ここぞというときに使ってください。
第二面が土地カード系のものを数枚採用しています。クリーチャーであるブラックブルームのならず者とアクームの戦士はリミテッドレベルの生物ですが、切削したときに自分のライブラリーにクリーチャーカードができるだけ落ちてほしいので採用しています。
これらは基本的にはタップインの土地扱いです。そのためこのデッキは土地が28枚で、第二面が土地のカードを6枚採用した実質34枚構成です。タップインが多くなるので、通常の土地はできるだけタップインのものを少なくしました。序盤はマナファクトかルーティングで手札の質を上げるぐらいしかやることがないデッキなのでタップインでも正直大丈夫かもしれません。
構築どころかリミテッドでもあまり使われなさそうなゾフの消耗ですが、強制コンバットで対戦相手もライフが詰まりやすいので、最後の詰めに使えるため採用しています。
ライフレースのサポートをするカードたちです。
雇われの剛力、スライサーは統率者戦でもお馴染みのクリーチャーで、低価格ながら順当に対戦相手たちを戦闘によるライフレースに巻き込めるので採用しています。無慈悲なる者ケアヴェクは古くから統率者戦をしてきた人ほどトラウマレベルのクリーチャーだと思います。特にライフ一桁になったプレイヤーはこのカードが戦場にいるだけで人権を失いかねない状況になります。アスフォデルの灰色商人は一気にライフレースを壊すカードであり、ライフを回復する貴重な手段でもあります。
イニシアチブや統治者を得るカードです。
イニシアチブや統治者は戦場でのコンバットを加速させるエッセンスになり・・・ません。デザイン上はそうだとしても、実際にはならない。ならなかったんだよ、ロック。
無理なコンバットをして得られるリターンがさして大きくないからです。ガラ空きなら殴る理由付けになる程度のものでしかないのです。
それなのになぜ採用しているのか。それはカルダール側が優位にイニシアチブと統治者を保有できるからです。カルダールが回りだすと戦闘でこれらのトロフィーを他のプレイヤーが奪うことは不可能になります。一方的に自分だけが享受できるのであれば、イニシアチブや統治者も意味が生じてきます。しかしあくまで補助的な目的に過ぎないので、今回はデッキ内である程度仕事ができるものに絞って採用しています。
ゴンドールの王冠はクリーチャーではない統治者を得るカードです。王冠を出してカルダールを出すと統治者になった上で次のターンまで殴られないので確定で2枚ドローになります。3マナ王冠→4マナカルダールの動きもスマートで美しいです。
奮起させるバードは一見防御的なクリーチャーに見えますが、その真髄は「対戦相手のクリーチャーにも速攻と威迫を与えられる」ことにあります。カルダールを場に出して強制攻撃を付与された対戦相手たちが何も考えずに第一メインフェイズにクリーチャーを出そうものなら、すかさず速攻を与えてあげましょう。また威迫付与によって強引なコンバットを対戦相手同士で発生させられるといった、なかなかに悪趣味なサポートが可能です。見た目以上に凶悪なカードです。もちろん自分のクリーチャーに速攻威迫付与も普通に強い運用方法です。
ゴブリンの太守スクイーはこのデッキの潤滑油となるカードで、ルーティングでのハンドの水増しや、ジャクシスの起動コストにあてたり、終盤はサクリ台を稼働させたり、コンラッド卿で毎ターンライフを奪ったりするなど、地味ながらとても良い働きを見せてくれます。納墓役で墓地に送り込むカードの代表ですね。冥界の裏切り者も似たような役割のカードですが、こちらは万が一奪われたイニシアチブや統治者を、速攻&シャドーですぐさま奪い返しにいけるため採用しています。
無作法な挑発者も盤面を固めるのに一役買います。格闘能力のおかげで自分の前のターンのエンド時に起動してダメージ稼ぎもできるので、そのまま突っ立っているだけで仕事をしてくれます。もちろん冒涜の行動とのコンボは言うに及ばずです。
火炎舌のカヴーを採用しているのはその汎用性故にです。先ほどの挑発者と組み合わせると最後の4点を削るためのコンボ要員になり、もちろん平時は対戦相手のクリーチャーを焼くためであり、緊急時にはカルダールを処分して墓地に送るためにも使えます。貪欲なチュパカブラだと対戦相手しか除去できないんです。
高パワー&タフネスのクリーチャーを処理したい時は火炎舌では処理できませんが、そんなファッティーが場にいるなら喜んでカルダールを出せばいいのです。
簡単なアップデート案
正直いうと、使い勝手だけでいえば前述の方の記事を参考にしてデッキを組んだ方がいいのかなと思います。
カルダール自体が時間稼ぎになり、フィニッシャーにもなりえるといった点を上手く使うために、『ブリンク』『墓地利用』『コピートークン』『超常的耐久力系』の四つの要素を上手く使うことが共通の構築理念となります。その辺を踏まえて、あくまでカルダールと組み合わせたときに強いカードを選んでいきたいと思います。
第1位 炎の踊り手、リオーニャ
やはりマナも手札も消費せずにコピートークンを出せるのは強力です。最近値段が上がっているので、再録してほしいカードですね。
第2位 命綱
カルダールという統率者を存分に楽しめるカードという点では堂々の第1位だと思います。でも第2位にしたのは、対戦相手も悪用できるという点があるからです。そのパーティーゲーム感が良いという人もいれば、あまり好みではないという人もいるので順位を一つ落とすことにしました。個人的には1位だと思う楽しいオタクカードです。
第3位 ゴンド―ルの王冠
カルダールのためのようなカード。確定2ドローはやはり偉いです。装備品としてはあんまり強くないのですが、一応忘れた頃に役立ちます。
第4位 雇われの剛力、スライサー
戦場をかき回すカードを幾つか試しましたが、結局『待て』か『相打ち』ができるカードが多かったんですよね。パーティーの主役は双方でブロックし合って潰し合うことで、荒れ狂う嵐の儀式は殴らないという選択肢があったりします。
そんな中で唯一想定通りの仕事をしてくれる子がスライサーでした。こちらに攻撃せず、二段攻撃のおかげで打点と半端な相打ちは許さず、サクり台送りもできず、すべてがカルダールの意図に噛み合っています。
ただしスライサーにも欠点があります。
受け止められるスペックのクリーチャーを出されると0㎝チキンレースをされてもれなく廃車します。またコントロールを渡された対戦相手がコピー系カードを使うことで伝説ルールにより無理やり廃車するといった抜け道が存在します。あとは普通にタップアウトレットによる攻撃回避も可能です。
それでもライフレースをかき回すには十分な仕事をしてくれます。統率者にすると思ったよりもガチすぎてカジュアル卓で使いにくい彼も、こういうデッキであればそこまで脅威にならないので、程よい賑やかしとして盤面に花を咲かせてくれます。ここは第4位にしておきたいと思います。
第5位 奮起させるバード
前述通り、ただのイニシアチブをもたらすだけの壁かと思いきや、想像の一つ上を行く鬱陶しさで対戦相手たちのイライラを招く鳥バードです。「それってあなたの第一メインフェイズですよね?」と毎回ひろゆき調で対戦相手に尋ねる僕の発言もまたイライラスイッチになります。こいつは危険物です。
第6位 夢幻の密集軍
マナも手札も消費しないコピーカードは偉大です。リオーニャより遥かに安価なのも素晴らしいです。ただ6マナなのでカルダール→リオーニャのような4マナ→5マナムーブができない点が少し残念。
第7位 トラブルメーカー、ジャクシス
同じくコピーカードです。手札を1枚使いますが、死亡時誘発で1ドローつくので、ルーティングクリーチャーという一面もあります。奇襲によって緊急時は3マナのコピーカードになるのも良い点です。スクイーがいると実質1ドローカードになるので、是非とも組み合わせたいところ。
第8位 ラバブリンクの英雄、オーシオン
継続的にコピートークンを出せるので、マナに余裕が出てくると強力なリソース元になります。ですがやはり目玉は9マナの起動型能力でしょう。5体もコピートークンを出すという頭が悪すぎる効果は何しても大体ゲームを壊すのに十分な代物で、このデッキでしたら業火のタイタンで本体込みのアタックで33点以上のダメージを与えることが出来ます。浪漫があるカードはいいですね。でもカルダールとの相性的には上位陣の方が即時性があるのでこの順位です。
第9位 ファイレクシア流再利用
カルダールとの組み合わせだとサクリ台との相性を前提にしているのでこの順位です。ただこのカードはチェイン・デビルなどの除去カードの使いまわしや、血たぎるソーサラーを組み合わせることで8マナでイニシアチブを延々と獲得するというコンボ要素があったりと、テクニカルなプレイに直結する部分でもあるので個人的にはオススメのカードです。上手に使うと楽しくなりますよ!
第10位 妖術師の衣裳部屋
雑なブリンクカード。カルダールの再利用だけでなく、脅し付け系で一時的にコントロールを奪ったクリーチャーをブリンクさせて、自分の場に定着させるコンボが可能です。ただ使ってみるとわかりますが、ターンエンド時に誘発するので隙が大きいのも事実であり、今回はこの順位としています。
本当の第1位 キイェルドーの背信者、ヴァーチャイルド
今回使用していないカードですが、紹介しなければならないカードです。
対戦相手にこちらへは殴れないトークンをドバーと出し、それらはブロックには使えず、さらにこいつが場を離れるとこちらに全員寝返ってくれる。『え、大丈夫? これオリカ?』ってレベルでカルダールにとって都合の良いことしか書いていないカード。間違いなく真の1位はこれです。
ではなぜ採用していないのかですが、それは統率者2016のカードで、再録が一度もされていないので値段もですが、ネット上にも在庫が殆どないからです。マジでない。日本語版は特にないです。
流石にここまで手に入りにくいカードはデッキに組み込みたくなかったので今回解雇しています。お持ちの方は是非入れてください。
実際に回した雑感とまとめ
勝率高くないか、このデッキ・・・?
今のところ10回ぐらい回して7勝ぐらいしています。これは予想外です。思ったよりもカルダール、ヤバいです。カジュアルレベルだと本当にコンバットによる戦争になるので、ほぼこちらの思惑通りの展開を作れます。まさか一番最後に組もうと取っておいたイカレたパーティーデッキだと思っていた赤黒スターターデッキが一番勝率が高いとは・・・。これには正直驚きましたね。
まぁでも明確な欠点があるので、ネタバレすると勝率もガクっと下がることでしょう。このデッキの欠点は統率者であるカルダールへの依存度が高い点で、そこに打ち消しを併せられると簡単にプランが崩壊します。ETB封じのカードもかなりつらいです。また戦闘を介さないコンボデッキにも指をくわえている他ありません。
それと、勘のいいプレイヤーなら気付いているかと思いますが、生ける屍を打ってもホントに戦争になるのかというと、思ったほどならないです。クリーチャーが薄いデッキもありますしね。ただ4人の中で一人でもクソデカファッティデッキが混ざっていると一気に阿鼻叫喚になるので超楽しいです。
そんなわけでして、今回は"challenge"の中間程度のデッキに仕上がったのではないかと思います。
ただせっかくカルダールで場をかき回したいのであれば、勝算を上げるカードばかりでなく、公式の想定通り、パーティーの主役などのカードを採用するのもありだと思います。でも、この手のカードは対戦相手のプレイングであっさり対処できちゃうんですよねー・・・。
精神異常のような全員ブロックできなくさせるとか、そういうサポートカードも検討していいかもしれませんね。あくまで僕の構築レシピは参考程度にしてもらえると嬉しいです。何度も言いますが、ネット上には素敵なカルダールのリストが多数ありました。それらも併せて参考にしてほしいと思います。
全5種のスターターデッキ改造案シリーズを終えて・・・
さて、長かったスターターデッキ5種の改造シリーズもこれにて終了です。本当に統率者スターターは統率者の入り口として優れたセットでした。
ガチの統率者ビギナー向けとしてのお勧め度としては 緑赤 > 青黒 > 赤黒 > 緑白 > 青白 の順番でしょうか。
コンセプトがわかりやすい緑赤ドラゴンデッキが最も使いやすく、5種の中で最もデッキ強度が高い青黒ゾンビもオススメできます。赤黒カルダールは組んでみてわかりましたが、実は結構強いです。カルダールが5種の統率者の中で最もカジュアルデッキに刺さる性能をしており、ここから色んなアレンジが可能なので個性が出てきて楽しい統率者だとわかりました。
緑白トークンは少し玄人向けのデッキです。5種の中で最も細かなギミックが多いので、そういうのが好きな人にはたまらないデッキになったと思います。個人的には5種の中で一番好きなデッキですね。
最後に青白飛行ですが、これはかなり人を選びます。ガチめの統率者をいずれ遊びたいのであれば入口としてはありかもしれません。細かな差し合いやリソースの取り方など、統率者戦で勝つための基本的な考え方は学べると思います。ただデッキパワーは抑えめなのでこのままでは勝ちきれませんので、あくまで登竜門として考えましょう。細かいこと抜きで飛行クリーチャーでバンバン殴ってカードをいっぱい引きたい人にも、このデッキが楽しいと思います。
そんなわけでして、今回のスターターデッキは『統率者デビュー組』に最適でした。是非好きな色、好きなコンセプトのものを手に取って頂ければと思います。そして悩んだときは参考にして頂ければ幸いです。
フォロワーが100人超えたらyoutuberになってEDH中心のMTG専門チャンネル立ち上げる公約は継続中です。
ついにフォロワーが98人になり、もうすぐ公約に達しそうです!!
このnoteのフォロワーさんは、ほとんどが統率者に関心がある方たちだけっぽいので、それで100人を超えることが出来るのは本当に嬉しいことです。いつもありがとうございます。
2023年ももうすぐ終わります。目標である100人を超えた後もnoteは頑張っていきたいと思いますので、引き続き応援して頂ければ幸いです。
面白かったらいいねやフォローをお願いします。あなたの一票がネットにニッチな格安レシピを増やす肥しとなります。
次回はもうイクサラン:失われし洞窟が発売していますが、それとは関係なくどうしてもやりたいテーマがあります。それは『緑を含まない3色の統率者デッキを10000円で組めるのか?』というテーマです。この前チームメイトたちと車で帰っているときに「緑抜き3色は10000円では流石に組めないのでは?」という話題になったので、チャレンジしてみたいと思います。
ちなみに統率者は既に決めています。エスパーです。あの懐かしの名ジェネラルを10000円で現代流にブラッシュアップしてみたいと思います。
それではまた会いましょう。では。