おふくろの味
子供の頃に食べたであろう母親の作ってくれた料理の味
多くの人がそれなりに記憶しているでしょう。
「好きだった」とか「懐かしい」と感じる人もいるでしょう。
自分の場合はどちらかというと
いや、はっきり言って母親の手料理は大嫌いでした。
思い出したくもない、
まずくて危険なものでした。
母親は味覚障害で
苦みと辛みに鈍感というか感知しないというか
まあ、とにかく「苦み」「辛み」に関しては「0」か「1000(100ではない)」でした。
おまけに変な健康志向?天然志向?があり
外食や中食(いわゆる「お惣菜」もの)を排除していました。
幸い祖母が長く存命で、食事の機会は祖母>母でしたので餓死することはなかったのですが。
祖母が亡くなる前に独立できたのでそれも幸いでした。
実際に母親の料理はどんなものだったのかといいますと
野菜は洗わない、アクは抜かない(天然物信仰のせい?)
塩は毒なので使わない
味の素の類は使わない
そんな感じの料理でした。
おまけに苦みを感じないので焦げに無頓着
ハンドクリームを塗った手でそのままおにぎり握ったりしても本人は味の異変に気付かない
などなど。
最悪なのは衛生(特に微生物関連)の知識がなかったので
生ものをそのまま常温で保存するのは日常茶飯事
誰かが早めに気が付かないと大変なことになります。
腐敗していても本人は気づかないのでそのまま調理します
そんな母親の料理は
とにかく苦い、辛い、不味い
おまけにしょっちゅう食中毒を起こす
こんな料理を好きになる方がおかしいのではないでしょうか。
そんなことも影響したのでしょう
自分は結婚するまで食事=ただの栄養補給としか考えていませんでした。
食事を楽しむとか、おいしいものを食べたいとか、そんなことは想像もしていませんでした。
いまは結構好きなものを好きなように食べて
食べることが一つの楽しみになっています。