トランス脂肪酸のはなし 本当に食べすぎか?
各国の摂取カロリー
トランス脂肪酸は摂取カロリーの1%以下に抑えるよう推奨されている。WHO(2003)
トランス脂肪酸の過剰摂取の悪影響が注目され始めたのが2003のこと。
トランス脂肪酸に関する各国の状況
EU
1995~1996
トランス脂肪酸平均摂取量 1.2~6.7g/日
総エネルギー量の0.5~2.1%
2010
平均摂取量 エネルギー比1~2%
イギリス:エネルギー比1%以下
フランス:エネルギー比1%
デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン:エネルギー比0.5~0.6%
フランス
1999
トランス脂肪酸摂取量平均、男2.7g/日、女2.1g/日
アメリカ
1990
13.3g/日
1999
平均摂取量5.3g/日(エネルギー比2.6%)
2003
2.0%
オーストラリア、ニュージーランド
2009
0.4g/日
日本人の一日平均摂取カロリーは約1800~2200Kcal
カロリー摂取量ランキング
Dairy Caloric Supply (kcal/person/day)
国 平均摂取カロリー(1日)(Kcal) 2018年
1 アイルランド(Ireland) 3,885
2 アメリカ(America) 3,782
3 ベルギー(Belgium) 3,769
4 トルコ(Turkey) 3,711
5 オーストリア(Austria) 3,695
6 アイスランド(Iceland) 3,654
7 ルーマニア(Romania) 3,581
8 カナダ(Canada) 3,566
9 ドイツ(Germany) 3,554
10 ポーランド(Poland) 3,537
11 イスラエル(Israel) 3,528
12 イタリア(Italy) 3,503
13 フランス(France) 3,502
14 モンテネグロ(Montenegro) 3,500
15 ポルトガル(Portugal) 3,480
16 クウェート(Kuwait) 3,471
17 ルクセンブルク(Luxembourg) 3,465
18 チュニジア(Tunisia) 3,450
19 マルタ(Malta) 3,420
20 韓国(Korea) 3,420
21 モロッコ(Morocco) 3,412
22 リトアニア(Lithuania) 3,411
23 デンマーク(Denmark) 3,401
24 オーストラリア(Australia) 3,391
25 ギリシャ(Greece) 3,382
26 ノルウェー(Norway) 3,371
27 アルバニア(Albania) 3,360
28 スイス(Switzerland) 3,354
29 ロシア(Russia) 3,345
30 イギリス(U.K) 3,344
31 キューバ(Cuba) 3,344
32 フィンランド(Finland) 3,343
33 マカオ(Macao) 3,327
34 スペイン(Spain) 3,322
35 アルジェリア(Algeria) 3,322
36 ハンガリー(Hungary) 3,316
37 アラブ首長国連邦(AUE) 3,314
38 アルゼンチン(Argentina) 3,307
39 サウジアラビア(Saudi Arabia) 3,307
40 ボスニアヘルツェゴビナ(Bosnia andHerzegovina) 3,307
41 ブラジル(Brazil) 3,301
42 オランダ(Netherlands) 3,297
43 エジプト(Egypt) 3,292
44 チェコ(Czech) 3,277
45 ベラルーシ(Belarus) 3,270
46 香港(Hong Kong) 3,267
47 エストニア(Estonia) 3,247
48 ラトビア(Latvia) 3,229
49 中国(China) 3,206
50 ウルグアイ(Uruguay) 3,202
51 ニュージーランド(New Zealand) 3,191
52 スロベニア(Slovenia) 3,191
世界平均 2,928
日本(Japan) 2,705
トランス脂肪酸の規制がある国(米、カナダ、台湾、タイ、EU、シンガポール)
表示義務(韓国、中国、香港)
規制のある国を抜き出す
1 アイルランド(Ireland) 3,885
2 アメリカ(America) 3,782
3 ベルギー(Belgium) 3,769
5 オーストリア(Austria) 3,695
12 イタリア(Italy) 3,503
13 フランス(France) 3,502
52 スロベニア(Slovenia) 3,191
47 エストニア(Estonia) 3,247
48 ラトビア(Latvia) 3,229
49 中国(China) 3,206
46 香港(Hong Kong) 3,267
20 韓国(Korea) 3,420
2 アメリカ(America) 3,782
カナダ(Canada) 3,566
9 ドイツ(Germany) 3,554
10 ポーランド(Poland) 3,537
17 ルクセンブルク(Luxembourg) 3,465
19 マルタ(Malta) 3,420
32 フィンランド(Finland) 3,343
36 ハンガリー(Hungary) 3,316
23 デンマーク(Denmark) 3,401
44 チェコ(Czech) 3,277
42 オランダ(Netherlands) 3,297
7 ルーマニア(Romania) 3,581
22 リトアニア(Lithuania) 3,411
34 スペイン(Spain) 3,322
25 ギリシャ(Greece) 3,382
それぞれの国の摂取カロリーの1%とすると()内は脂肪としての重量
1 アイルランド(Ireland) 3,885・・・39(4.3
2 アメリカ(America) 3,782・・・38(4.2
3 ベルギー(Belgium) 3,769・・・38(4.2
5 オーストリア(Austria) 3,695・・・37(4.1
12 イタリア(Italy) 3,503・・・35(3.9
13 フランス(France) 3,502・・・35(3.9
52 スロベニア(Slovenia) 3,191・・・32(3.6
47 エストニア(Estonia) 3,247・・・32(3.6
48 ラトビア(Latvia) 3,229・・・32(3.6
49 中国(China) 3,206・・・・・・・32(3.6
46 香港(Hong Kong) 3,267・・・33(3.7
20 韓国(Korea) 3,420・・・・・・・34(3.8
2 アメリカ(America) 3,782・・・38(4.2
カナダ(Canada) 3,566・・・・・・・36(4.0
9 ドイツ(Germany) 3,554・・・36(4.0
10 ポーランド(Poland) 3,537・・・35(3.9
17 ルクセンブルク(Luxembourg) 3,465・・35(3.9
19 マルタ(Malta) 3,420・・・・・・・34(3.8
32 フィンランド(Finland) 3,343・・・33(3.7
36 ハンガリー(Hungary) 3,316・・・33(3.7
23 デンマーク(Denmark) 3,401・・・34(3.8
44 チェコ(Czech) 3,277・・・・・・・33(3.7
42 オランダ(Netherlands) 3,297・・・33(3.7
7 ルーマニア(Romania) 3,581・・・36(4.0
22 リトアニア(Lithuania) 3,411・・・34(3.8
34 スペイン(Spain) 3,322・・・33(3.7
25 ギリシャ(Greece) 3,382・・・34(3.8
世界平均 2,928・・・29(3.2
日本(Japan) 2,705・・・27(3.0
世界平均でトランス脂肪酸からのカロリーを1%以下に抑えるばあい、
トランス脂肪酸として3.2g/日になる。
平成18年の調査では
マーガリンでは平均7.0g/100g、
ビスケット類では平均1.8g/100g、
ショートニングでは平均13.6g/100g、
コーン系スナックでは、平均1.7g/100gなどです。
平成23年調査では
マーガリンの平均トランス脂肪酸は0.99g/100gだそう。
2020年の市販品では、森永のネオソフトが0.3g/100gだそう。
数年で急激に減っていますね。
日本の場合、企業が勝手に?対策してくれますので、わざわざ国として制限する必要はないのかも。
むしろ使用制限を付けることで制限値ぎりぎりまで使うものが出てきてしまうかもしれません。
まあ、マーガリンのトランス脂肪酸が1g/100gとしても
EUなどで提唱されている「摂取カロリーの1%以下に抑える」に当てはめると、
1日あたり約3.8g
日本の市販マーガリン換算にすると1日あたり380g
トランス脂肪酸対策済のマーガリンでは1日あたり1200g。
天然素材からくるトランス脂肪酸の分も考えて
1日摂取許容量を摂取カロリーの0.5%として考えると、
1日あたり1.9gほど。
「毎日マーガリンを190g以上食べていると体に悪いよ」
というのはわざわざ言われなくてもわかりそうだし、そんなに食べている人は少ないように思う。
菓子パン 0.2~0.3g/100g
フライドポテト 0.7~1g/100g
スナック菓子 1.5~2g/100g
という数字を流用すると、
菓子パン換算では1日630~950g
フライドポテト換算では1日190~270g
スナック菓子換算では1日90~130g
ちなみに
湖池屋うすしおチップス60g(0.1g/100g)
とんがりこーん75g(0.08g/100g)
じゃがりこ57g
かっぱえびせん77g
明治のカール64g
うまい棒6g
スナック菓子100gというと・・・
ポテチ 1.7袋
じゃがりこ 3.5個
かっぱえびせん 2.6袋
カール 3袋
うまい棒 33本
スナック菓子は1日200g以下にしましょう、というのはそれほど大変ではないかも。
ちなみにマクドナルドのフライドポテト
S=74g
M=135g
L=170g
だそうです。
Lサイズ2.4個で1日量を超えますね。Mなら3個。
朝昼夜にMサイズ1個づつなら良いのか?ってことですね。
まあ、フライドポテトだけを食べているわけではないので
少ないにはこしたことがないでしょう。
「うまい棒は1日33本まで」って規制されたらどうします?
「ポテチは週に17袋まで」
「マーガリンは週に2.6kgまで」
マーガリンの使用量、週に2.6kg以下に抑えられていますか?
ポテチやえびせん、週に17袋以下に抑えられていますか?
まあ、天然素材中にもトランス脂肪酸は含まれますし、
いろいろな食材から少しずつ摂取してますし、
追加で食べる(添加された)トランス脂肪酸の量をEU推奨の半分の摂取カロリーの0.5%以下にするとしても
うまい棒なら1日16本(笑)
ポテチなら1袋
マーガリンなら190g
ということになります。
1日3食に加え毎日スナック菓子を2袋以上食べている人は要注意ですね。
パンを食べるときにもマーガリンの使い過ぎ(1食あたり100g程度)には注意です。
6枚切りの食パン1枚は約60gなので、パンと同量のマーガリンを塗る人は要注意です。
どのくらいの人が当てはまるかわかりませんが、
ポテチ1袋なら食べることはありますが、
これを毎日続けろというと少しきついかもしれません。
なお、これらの数字は「このくらいにしときなさい」という数字であって、
「これを超えたらダメ」という数字ではないことに注意です。
ニューヨーク市では2008年に
レストランではトランス脂肪酸の含量を1食あたり0.5g未満に抑える
という条例が出ているようです。
これだけ見ると1日1.5g未満に制限?と思ってしまう人もいるかもしれませんが、
1日に何食食べるかは制限されていません。
極端な話、1日に5食、6食食べても規制には引っかかりません。
何にしても食べすぎは良くないってことですよね。
また、制限されているのはあくまでも外食だけなので、家庭で食べたりお菓子を食べたりにはまさに別腹。
こう考えるとニューヨーク市の条例は「ザル」ですね(笑)