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vol.2『やきいもボーイ(PIZZA BOY)』春夏は岩手、秋冬は名古屋の2拠点で、おいしいを広げる日々

おとなになるってどんな感じ?

おとなになるってこわいこと?
おとなになるのはたのしいの?

大人になると、ぐんとひらける目の前の世界。
そんな毎日をゆたかに生きる、すてきな人々へのインタビュー。
ゆらゆら輝く瞳に潜む、たくさんの想いやストーリーをお届けします。



春夏は岩手でピザ屋さん、秋冬は名古屋で焼き芋販売を行っている、やきいもBOY(PIZZA BOY)さんへのインタビューです。


オープンまでの道のり

-お店を開くまでの経緯を教えてください。

「元々は岩手県出身で、専門学校への進学と同時に仙台に住み始めました。卒業後、社会人生活にも慣れてきたところで3.11の震災があり、それを機に名古屋へ移住することにしました。
元々美味しいものを食べたり飲んだりするのが好きだったのですが、移住後様々な飲食店で働くうちに、自分でお店をやってみたいと思うようになりました。その中でも、現地には行ったことがないのですが、イタリアの食文化に興味があって。いろんなお店で食べ歩いたり、本を読んだりして知識を深めていきました。」

「そんな中、趣味でパンを焼いていたこともあり、移動販売のピザ屋をやってみたいと思いはじめました。ですが、移動販売を行う上で購入した乗り物が小さすぎて……一旦ピザ屋は断念することに。
この乗り物で何かできることは? と調べて、たどり着いたのが焼き芋でした。」

名古屋と岩手、2拠点生活のはじまり

-最初は名古屋で始まったお店ですが、今では春夏は岩手、秋冬は名古屋で営業をされています。離れた2つの場所で、このような形でお店を始めたのはどうしてですか?

「コロナが大流行しているあたりから、地元に帰って何かやりたいと強く思うようになりました。でも高校生までしか暮らしてない岩手は、ほとんど何も知らない場所に近くて。いきなり帰って私に何ができるんだろうという漠然とした不安がありました。そこで、ひとまずお試しのような感じで名古屋と地元である岩手とを行ったり来たりする事にして、二拠点生活をスタートさせました。
せっかく行ったり来たりするならそれぞれの場所で働いて"出稼ぎ"してみようと思い、秋冬に名古屋で焼き芋屋さん、春夏は岩手でピザ屋さん、というスタイルで、2020年ごろからスタートしました。


「焼き芋もピザも、1人でやっているのでだいたい全部大変ですが、同じくだいたい全てが楽しいです。おいしいって言ってもらえたら嬉しいし、来た人のちょっとウキウキした顔を見るのも楽しい。」

やきいもとピザだけじゃない、3つめの仕事

「実家が兼業米農家です。米に関しては両親が主体で行なっており、私自身はまだまだ勉強中といったところです。そのため二拠点生活のサイクルは稲刈りが終わったら名古屋へ、稲の苗の栽培が始まる頃には岩手へ、というタイミングを基本にしています。
また、野菜の出荷はしていませんが家では育てており、季節ごとの野菜やハーブなどをピザに使う事もあります。」


相棒、アペについて

-名古屋でも岩手でも、とってもおしゃれな乗り物に乗ってらっしゃいますよね。すごくかわいい!
この乗り物とは、どのように出会ったんですか?

「アペとの出会いはネットでたまたま見つけた動画です。とあるイタリア料理の現地の事情について知りたくて色々と見ていた時に発見し、この謎の乗り物を調べるところから始まりました。それがアペ、正式にはベスパカーといいます。
年式によってデザインが様々ですが、私はこの年式が一番好きです。
こだわりというのは特にありませんが……スピードが出ない事もあり公道では沢山の方にご迷惑おかけしていると思います。けれどもみなさん優しく見守って下さって(主に"何だあれは?"という視線ですが)、その場にいる方々にはいつも感謝しています。」


毎日のこれから

-はじめてお店に行った時、すごく楽しそうにお仕事されているのが印象的でした。お芋もすごく美味しかった。2拠点生活はこれからも続きますか? 今後の展望をぜひ教えてください。

「地元に帰るのがひとまずの目標なので、名古屋での焼き芋はあと2年くらいで終了予定です。
岩手のピザ屋さんは現在テイクアウトのみなので、今後、飲食スペースの確保やピザ以外のメニュー販売に向けても準備しているところ。
最終的には地元の超田舎で宿泊できるレストランをやりたいと思っているので、やりたい事はまだまだ始まったばかりです。」



2024.9
interview & writhing:橘ぱぷか

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