脱衣所で全裸のジジイに抱き着かれた話
※この記事は以前ブログで書いたやつをそのまま貼っています※
どうも、パッピーです。
タイトルからして卑猥な記事ですみません。
ただ、この事件をどうにか誰かと共有したかったのです。
この件に関して、僕とおじいちゃん、どちらが悪いのか?という事を。
まぁ僕は10:0で向こうが悪いと思ってますけど笑。
しかし、得てして僕ら人間は自分が悪いとは思いたくない生き物。
もしかしたら客観的に見て僕の方が悪い可能性だってあるかもしれないので、どっちが悪いのかを皆さんに判断して頂ければと思い書いていきます。
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これは僕がバイトの福利厚生でジムに通えていた頃の話。
具体的に言えば、2018年の1,2月頃だったと思う。
その頃の僕は毎日ジムに通うのが日課だったので、その日もいつもと同じくジムでトレーニングに励んだ後、汗をかいた体を洗い流すために大浴場へと向かった。
・・・その時には、まさかあんな事になるなんて考えてもみなかった。
大浴場に着き服をパッパと脱いで、トレーニングにより激しく疲労した体をシャワーで流し湯船に浸かる。
お湯は大体42℃位だっただろうか。
足先からチョポンと湯に入り、傷んだ筋肉に温かいお湯と入浴剤が心地よく染みるのを感じる。そして肩まできちんと湯に浸かった所で思わず「あぁぁ」という声が漏れる。
まさに極楽だった。
激しいトレーニングを頑張れるのも、温かい湯船に全身を使った時に感じるあの何とも言えない快感を味わうためだった。
この幸福な快感を10分位味わった後、そのままの足でサウナへ向かう。
これが一連のいつものルーティーンだ。
サウナは更に最高だった。
ただ座っているだけで体の中にある悪いもの全てを排出してくれる。
ジワリジワリと汗が噴出し、自分より前に入った人よりは先に出ないぞ、という意気込みをする事で精神力を鍛える事も可能なのだ(オススメしません)。
そう、トレーニングの締めは、サウナでの忍耐力の強化であった。
そうして10分弱程度入った所で限界が来たので、そのまま外に出て水風呂へ。
ここで無邪気な小学生であれば、ザッバーンと音を立てて飛び込むのだろうが、当時の僕は19歳。立派な大人である。友達の中にはもう既に就職して社会人として生活している人も大勢いる年齢だ。とてもそんな事は出来ない。
そんな事を思いながら、僕は火照って限界が来ている体を無理やり動かし、ザッバーン!!と勢いよく水風呂に飛び込んだ。
・・・いや、さすがに周りに人がいない事を確認しての判断ですよ笑
まぁそんな事は良いとして、とにかくサウナで火照った体をキンキンに冷えた水風呂で冷まし、体の中の毒素を全て排出し終えたと思った僕は脱衣所へと向かった。
ここで事件は起きたのである。
脱衣所で体を拭いていたところ、後ろから急に
「お兄ちゃん、若いね」
という声が聞こえてきた。
振り返ると、大体160cm位で、優しそうな恵比須顔のちょっと腰の曲がったおじいちゃんがそこに立っていた。
脱衣所には僕とこのおじいちゃん以外誰もいないので、このおじいちゃんが僕を呼んだ事は間違いないらしい。
声を掛けられたので当然僕も応対する。
「はい、19歳なので、超がつく程の若者ですよぉ」
と少しおどけて、若干キングダムの王齮将軍テイストを交えた感じの返事をした。
するとおじいちゃん的にはその返しが嬉しかったのか、
「ははは笑、そうかい、そりゃあ若いねぇ、何でも出来るねぇ」
と笑顔で返してくれた。
とりあえず向こうが出したサーブを上手く返すことには成功したみたいなので、後は相手がどういう風なゲームメイクをするのかと思い、僕は少し黙って様子を伺う。
すると、0.5秒も経たないうちにそのおじいちゃんが話を始める。
おじいちゃん「僕はここにずっと通ってて、いつもプールで泳いでいるんだよ。でね、人を笑わすのが大好きなわけ。だからいつもプールにいるおばちゃん達を笑わせているのさぁ。知ってるかい?人は1回笑うと2歳若返るんだよ。」
正直僕はすぐに帰りたかったけど、さすがに話かけてくれたおじいちゃんを邪険に扱う事も出来ないので、
僕「えぇそうなんですかぁ、凄いですねぇ、じゃあプールにいるおばちゃん達はおじいちゃんのお陰でもうギャルと変わらないですねぇ。あ、僕も今笑ってるから、2歳マイナスで17歳になってますか笑?」
と今思えば100点の返しをした。
おじいちゃんはその返答が凄く嬉しかったらしく、
おじいちゃん「おぉ、そうだよそうだよ。笑うと若返るからねぇ。君は分かってるねぇ」
とご満悦だった。
会話に一段落着いた所で、やはりすぐに帰りたかった僕はおじいちゃんと正面から向き合っている体の向きをちょっと変え、もう帰りますよぉという雰囲気を出した。
しかしさすがおじいちゃん。
そんな僕の意図には一切気づかないようで、地獄の質問をしてきた。
おじいちゃん「ねぇねぇ、僕はいくつに見える?」
ヤバい!と直感的に感じたが時すでに遅し。
おじいちゃんのターンはもう終了で、既に僕のターンへと回ってきている。
クッソ!こうなると「俺のターン!ドロー!!」と某カード漫画のシーンが頭に浮かぶ中、必死に脳みそをフル回転させながらこの地獄の質問に対する最適解を探す。
クッソ!この質問をするのは普通女性だけだろ。
まぁ女性にされても模範解答が何かは知らないけどさぁ、それがまさか同じセリフをおじいちゃんから問われる事になるなんて。
しかもこの場には僕とおじいちゃんの二人っきり。
第三者を巻き込んで負担をシェアする事も出来ない。
あぁ、世界にはもうあなたと私しかいないのよ。今この場所で言えば私がアダムであなたがイブね、なんていうミュージカル調のセリフまで頭に浮かぶ始末。
クッソ!時間がない。
少なくとも僕の頭は出来がいい方じゃない。
センター試験の数学2Bは100点満点中2点だった位には出来が悪い。
そんな僕からすれば、この問いの答えはリーマン予想と同じ位の難易度を感じるものだった。
うん、どうすればいいんだ?
この場合、見た目の年齢よりも若く言うのが正解なのか?それとも見たまんまを言った方がいいいのか?
どっちだ?2つに一つ。
待てよ、女性の場合だとどうなる?
若めの年齢を言った方がいいのか?
でもあまりも露骨すぎるとお世辞だとバレてしまう。
僕はあまり嘘が上手なタイプじゃない。
つまり、下手に思ってもいない事を言うとすぐにバレてしまうだろう。
僕の今すぐ帰りたいオーラには気付かなかったおじいちゃんも、多分この事に関しては相当に神経を尖らせているはずだから、メンタリストDaiGoのように一瞬で僕の心を暴いてしまうはず。
う~ん、どうしたらいい?どうしたらいい?
このセリフって、テレビとかドラマで良く見るやつじゃん!
そのシーンって言われた方はどうやって乗り切っていたっけ?
あ~、ちくしょう、全然思い出せねぇ。
普段どんだけ頭使ってないんだよ俺ぇ~~。
等と色んな思考をする中、冷静におじいちゃんの年齢を考えてみた。
顔つき、シワ、シミ、髪の感じ、骨格や姿勢等々あらゆるデータを読み取る。
ふむふむふむ。
・・・多分80歳位かな。
僕の中でそう見積もりを立てた。
多分この感じは、今までの僕の経験上その位の年齢だろう、という直感だ。
とりあえずそう予想した所で、本題に戻る。
1見積もりより若めの年齢を言う
2見たまんまを言う
う~ん、まだ決めかねる。
どっちがいいんだ?
よく世間では、嘘をつかずに正直に言うのが良い、とされているけど、あれは時と場合による事はまだ20年も生きていない僕にも十分分かっていた。
あまり可愛くないと思っている人に、素直に「お前可愛くねぇな」とでも言えば次の日から壮絶なイジメに合う事は必至だ。
つまり、世の中には正直になった方が良い事と、嘘をついた方が良い事の2つがある。
そして数学のように正解は必ず1つ、という訳でもないのが難しい所。
そんな世の中の厳しさを、僕は今まさにここで体感していた。
まさかジムでこんな経験をするとは。
さて、どうする。
僕に許されているシンキングタイムは残りコンマ数秒程度。
おじいちゃんは餌を待つ金魚のように僕の答えを今か今かと待ち望んでいる。
もう誰も傷つけずに穏便に済ませるのは無理かもしれない。
それはもう僕の経験不足、実力不足のせいだ。
クッソ、もうなるようになれーー!!
半ばやけくそになりながら僕は答えた。
僕「・・・えぇと、ろ、60歳位かなぁ?」
オドオド100%の状態で答えだった。
セリフ全てにビブラートが入っていた。
さてどうだ?僕の答えは正解か?不正解か?
おじいちゃんの反応を待つ。
するとおじいちゃんは、
おじいちゃん「ありがとーーー!!!」
と僕に笑顔で近づきながらそう言った。
ふぅ、どうやら正解だったようだ。
ヒヤヒヤしたぜおい。
まぁ、これで僕も一つ成長したかな?
なんて思っていたらふとおかしい事に気づく。
おじいちゃんがどんどん近づいてくるのだ。
あれ?近づきすぎじゃない?既にパーソナルスペースの内側にいるんだけど?え?なんでなんで?
と色々考えているうちに、おじいちゃんはその両手をタカのようにバッサァと広げる。
そして、僕の思考も追いつかないまま、広げた手を僕の背中の方後ろまで絡め、ガッチリとロックしてきた。
つまり、僕はおじいちゃんに抱きつかれたのだ。
このおじいちゃん、まさかの喜びをハグで表現するというアメリカンスタイルの使い手だった。
そして忘れてはいけない。
ここは脱衣所である。
僕もおじいちゃんも、あろうことか生まれたままの姿なのだ。
つまり、この空間には、全裸の若造に全裸のおじいちゃんが抱きついているという、恐らく県内で最もカオスな場所となったのだ。
僕の全身を、シワシワで温かい何かがこべりつく。
同じ温かさでも、先ほど味わった湯船やサウナのような安心出来る温かさではない。
感じるのは、100%の嫌悪感だった。
特に最悪なのは太ももの部分である。
思いっきり当たっているのだ。
何が?って
ナニである。
ブツである。
おもっくそ当たっているのである。
ゼロ距離なのだ。
動物を専門とするカメラマンが、よく「その距離わずか2mでライオンの撮影に成功!」とか言っているが、僕はゼロ距離だ。
おじいちゃんの亀や玉がゼロ距離で当たっている。
恐らくもう数十年前に役目を負え、後は死を待つのみであるナニが当たっている。
生前はかなり激し生き方をしたのだろうか、そのしぼみ具合は尋常じゃない。
燃え尽きたぜ・・・真っ白にな・・・
某ボクシング漫画のセリフが浮かんでくる。
ウソみたいだろ。死んでるんだぜ・・・それ。
某野球漫画のセリフまで浮かんでくる。
とにもかくにも、今僕の太ももには、数十年前に閉会式を迎えたであろうブツが、おじいちゃんが上に動けばそれに合わせてグインッと上に動き、下に動けばグオンッと下に動く。
何なんだろうかこの一体感は?日体大の集団行動並だ。
なぜお風呂から上がった直後にこの世で一番汚い物をダイレクトに感じなきゃいけないのだろうか?
僕は何か悪いことをしたのだろうか?
僕のふとももはまるでキャンバスのように、年季の入った汚い筆でヨイサッ、ヨイサッと自由に塗られていく。
僕のふとももにマーキングでもしたいのだろうか?
きっとそうに違いにない。
僕はあまりの嫌悪感にそのおじいちゃんを突き飛ばそうかと思ったが、相手はおじいちゃん。突き飛ばすのは訳ないことだが、もし突き飛ばして転ばせでもしたら大変だ。
さすがにそれはマズいと思った僕は、このまま放っておく事にした。
・・・もう好きにしてくれ
・・・気が済むまで
・・・冥途の土産だ
そんな思いが通じたのか、ものの数秒後にはおじいちゃんはガッチリとロックした腕をほどき、2、3歩バックステップをした後笑顔で僕にこう言った。
おじいちゃん「実は僕ね、80歳なんだよぉ~」
僕「見た目相応じゃねぇか!!!」
・・・・そう心の中でつぶやきこの事件は幕を閉じた。
当然僕の体は汚れてしまったため、再びシャワー、湯船、サウナ、水風呂のルーティンを1回目よりもしっかりとこなしキレイにしました。
特に甚大な被害を受けた太もも部分は、ボディソープを10プッシュ位しこれ以上ない位に泡立てて何とかギリギリ浄化する事が出来ました。
こうしておじいちゃんのブツの感触を人生で初めて味わった貴重な体験が終わった。
もう2度とやりたく味わいたくない。
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さぁいかがだってでしょうか。
あまりこのような経験をされた方もいないのではないかと思います笑
冒頭にも書きましたが、この事件は誰が悪いでしょうか?
・気を使って見た目マイナス20歳の年齢を申告した僕
・しぼんだアスパラガスを僕に押し付けてきたおじいちゃん
書き終えてみると、微妙だなぁと正直思いますね。
僕が正直に言えば、ふとももをおじいちゃんの死にかけのウツボで攻撃される事も無かったでしょうし・・・
まぁこの件の教訓を1つ挙げるとすれば、
「いくつに見える?」
ともし誰かに聞かれたなら、正直に見たまんまの年齢を言おうやって事ですね。
もしかしたらそれによって相手の機嫌を損ねるかもしれません。
でもそれでもいいんです。
正直が一番。
無理に気を使って見た目よりも若い年齢を言えば、今回の僕のように太ももを年老いたハブに攻撃される事も無いですから。
てなわけで今回は以上です。
ありがとうございました。
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