ハロルドとモード2024感想
わたしがSexy Zoneファンとしてちまちま更新をしていたこのnoteを放置し、2年が経ったことを知った。
その間もわたしはSexy Zoneおよびtimeleszを楽しく応援していたわけなのだが、「ログインパスワードを失念し、再設定が面倒くさい」というただそれだけの「めんどくさがりには分かりすぎる理由」で、更新を怠っていた。
本日はしかし、朗読劇「ハロルドとモード」に我らが松島聡くんがご出演(祝)することとなり、しかもその激レアチケットが当たった(!)ということで、せっかくなのでnoteに感想をかいていこうと思った次第だ。
ーーー2年前、佐藤勝利くんがハロルドを演じたとき、閉幕後ゆらりと倒れかけた黒柳徹子をみて、わたしは、「もう次はないかもしれないな」と涙ぐんだ。
彼女の年齢と、満身創痍になるまで舞台に打ち込む性格、そして倒れかけたその様子をみて、近い内に彼女は舞台を引退をするかもしれない、と思った。
素晴らしい舞台だったーーこの機会に徹子を生で見ることができて良かった。と。
が。
んが。(鼻濁音)
普通に2年後も徹子は舞台にたっているし、徹子の部屋に人を呼んで好き放題しているし、若かったはずの私だけが年を取り、なぜか意味もなく、夜中に目が覚めるようになったし、最近意味不明にめちゃくちゃトイレも近くなった。
言うてまだアラサーにもかかわらず。
徹子はすごい。私は確信した。
私、そのうち徹子より年上になるかもしれない。
徹子、いつまでも若く美しい徹子よ。
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ハロルドとモードの舞台について、まずはそのストーリーを軽く記録に残しておこう。
主人公ハロルドは、IQが高く、裕福な家庭に育った青年であるが、あることをきっかけに学校を退学してしまう。
友達がおらず、孤独な彼は、母親ーーーいつも正面から向き合って向き合ってくれないーーーの愛情に飢えている。
ハロルドは母親の気を引くために、幾度も「自殺ごっこ」を繰り返す。そ
のたびに母親はハロルドに呆れ返り、彼を「まともにする」ために、結婚をさせたいと考えるようになる。
ハロルドは「消えていくもの」に強く心を惹かれている。
物が潰れてしまうこと、この世からなくなることーーーそういったものに執着し、彼は他人の葬式に好んで出席する。
そしてある日、そこで出会った79歳の老女「モード」と出会う。モードの破天荒さに振り回されながらも、ハロルドは彼女から「人生における大切なこと」を学び、そしてあれだけ執着していた「消えていくもの」によって、人を愛することと、生きることを学んでいくーーー…
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というのが、ハロルドとモードの大まかなストーリーである。
はっきり言って設定から天才である。
まず孤独な美少年、そしてそんな美少年のIQが高い。
この設定だけで、正直ご飯がモリモリ食べられる。
さらに彼は金持ちの息子であり、可愛らしい服を着ている。これは最早、旅館ででてくる、おかずの数が過剰な朝食である。
炊飯器ごと持ってきてほしい。一升食べる。
マジで食う。
マジで。
■舞台の感想
最初に幕が空き、明るい光のもとに照らされた松島聡をみたとき、私は「電球かな?」とおもった。
彼は、人間とは思えないほど発光していた。
美しい顔、美容室帰りでもそうはならんやろ、というサラサラの髪の毛、上品な衣装。
正直、松島聡と間違えて、舞台にデカめの電球が置いてあるのか思った。
舞台って、そういうこともあるか…?と思った。
松島聡を知らない人間があの舞台をみたら、「電球が黒柳徹子と共演しているぞ」と思ったかもしれない。
しかもワット数が強めのやつである。
なんならナイター中継とかでつけるやつくらい光ってた。正面に座ってたら目が潰れてたとおもう。
傷害である。
そして、電球の横にはめちゃくちゃ金持ちの家のプードルのような黒柳徹子が座っていた。
めちゃくちゃ金持ちのいえのプードルという表現は、正直伝わらないと思うが、めちゃくちゃ可愛いワンちゃんを思わせるヘアスタイルに帽子、犬か牛かみたいな柄のコートをおしゃれに着こなしていた。
しかし、とにかく徹子がすごい。
まじで淀みなく喋るし、法定速度ガン無視で車を走らせる高齢者という狂った役になりきっていた。
徹子は79歳の役なので、
「おいくつですか?」
「もうすぐ80」
「見えないですね」
「まだ79だからね」
という掛け合いが作中であるのだが、正直最初は「80にめっちゃ見える」のである。なぜなら91歳だから。
でも、次第に徹子の若々しさに、最後には「これは80には見えませんねぇ」となってくるのである。
これが演技の力であろう。
そして我らが松島聡。
今回松島聡くんは、3代目ハロルドを演じた勝利くんから衣装を、初代ハロルドを演じた生田斗真くんから靴を引き継ぎ、舞台に立っていた。
ゆっくりとした口調で語り始めた彼の演技は、また勝利くんとは異なったハロルド像だった。
勝利くんのハロルドより、感覚としては精神年齢が3歳くらい上に感じた。
他者へ愛情を求める熱意がすごかった「勝利ハロルド」と比べると、静かなハロルドだった。
とにかく母親の愛情に飢え、人を愛することに飢え、ようやく満たされた「他人への愛」によって最後は自分の人生を生きる決意をしていく。
愛情と悲しみの強かった勝利ハロルドとくらべると、「やはりこうなった」という雰囲気を、聡ハロルドからは感じた。
聡ちゃんのハロルド像は、「孤独」の中に生きていた。波がなく、自分の殻に閉じこもるハロルドは、「少しずつ殻を崩し」、モードだけでなく「自分そのもの」と出会い、外の世界に触れる。
そして最後には、また別の「世界」を新しく構築していく彼の姿が見えた。
ーー非常に穏やかで、彼らしい演技だったと思う。
あまりにも松島聡らしい演技だったので、正直すごく辛くなるときがあった。
彼自身と、見ているこちらが重ねてしまい、作り話なのに、現実のような錯覚を覚えてしまったのだ。
勝利ハロルドには「かわいいね」「盲目やね」「モード大人やね」という、こちらの余裕を与えてくれる、「年下の男の子の熱い情熱」がすごくあった。(勝利くんという役者は、熱に浮かされている愛情表現の演技がとても上手い。この愛うまくいかないだろうなという気配を常に感じさせてくれていた。)
しあし、聡ちゃんハロルドには大人な部分が多く、「ちょっとやばくない?」「ほんとに添い遂げるのでは?」「え?なんか今回オチ違います?」という若干の恐怖があった。
そして、あまりにもハロルドの仕草が聡ちゃんらしい愛情表現だったので、聡ちゃん自身とキャラクターが重なり、「もし今後聡ちゃんが結婚とかしたら…」という残酷な妄想を一瞬してしまった。
勿論当方は大人なので、その場で舌を噛み切ることで、気持ちをすぐに切り替えることができた。
よかった。
■ない記憶
聡ちゃんハロルドは、あまりにも好きな松島聡だった。
わたしは一応既婚者なのだが、「初恋」と思った。
聡ちゃんの愛情表現の演技には、「初めて人を好きになってしまった」ときの感情を沸き起こしてくる力があった。
正直自分がキモすぎて涙が出そうだったが、クラスメイトの松島聡に恋した記憶が蘇ってきた。
松島聡とわたしは、同じ学校で3年過ごしたと思う。
(ちなみに彼とわたしの年齢差はそもそも3歳以内に収まっていない。怒涛の留年!みすず学苑!していないと小学校以外かぶるはずもないのだが、ない記憶がBlu-ray画質で再生された。)
まじでよかった。ほんとにチケットがとれてよかった。ありがとう自名義。ありがとう松島聡、そして黒柳徹子。
そして全然関係ないが、深川麻衣ちゃんもめっちゃ好きだったので生で見れて嬉しかったです。
かわEかったです。
■生きづらさについて
聡ちゃんがカーテンコールの締めの挨拶で、「現代は、この作品がうまれたときよひも、より生きづらい時代になったと思います」ということを言っていた。
彼のことを(アイドルとして)好きになってから、ずっと繊細な人だと思ってきた。
私自身は上司のチャットを無視したり、普通に言い返す生意気なことができる女性であるが、それでも人生が悔しくて「ぜってー◯す」みたいな闘争心で眠れなくなることもある。
彼のような繊細なひとにとって、どれほどこの世の中には困難なことがあるだろうか、と思った。
そして、彼に救われる大半のファンは彼のそんな繊細さに惹かれた人たちであり、きっと彼と同じように繊細な人が多いのであろうと思った。
そんな彼と彼のファンが、こんなふうに「誰かに救われる」だけではなく、「誰かを救い」「自分自身を救う」選択をする「強い物語」と出会えたことが、本当に特別なことだと思う。
本当はあと50回見たいが、自分のチケットは当然ながら一枚しかないので、今回で見納め。
わたしの日々を励ましてくれる、本当にすてきな舞台でした。
これから観に行く人たち、楽しんで。
そして、クッククッカーCD化希望です。
ぉゎり
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