うちのうさぎが胸腺腫になった
うさぎの胸腺腫記事
① ② ③ ④
我が家のうさぎが2週間前に9歳になった
一昔前のうさぎの寿命が7~8歳であったことを思えば、まぁまぁ長生きしているほうであると思う。
これまでに患った病気といえば4才の頃、糞詰りで危機一髪になったことがあり、その際には自力でひねり出したことで事なきを得た。
それ以外には病気らしい病気もせず、うさぎを飼うことが初めての飼い主を不安にさせることもなかった健康で性格の良いうさぎである。
昨今、餌の改良やネットで拾える知識量の増加から、うさぎの寿命は10年を超えることも増えてきており、かく言う我が家のうさぎも8才を迎えたあたりから「このまま10才越えを目指せるのでは?」と漠然とした希望的想像をするようになり、いつまでも健康でいてほしいとシニア用のサプリや、前述の糞詰りの経験からそれ対策のサプリなどを与えるようにしていた。
2021年初夏
夫がリラックスして大人しく伏せていたうさぎの目が通常時より飛び出しているような気がすると言う。
私も見てみたが、そうかな?いつもそれくらいじゃないかと答えた。
うさぎの目は興奮したりすると飛び出し気味になることがある。
動物病院へ連れて行ったときなんかは、落ちちゃうよってくらいに飛び出すし、テンション高く走り回っているときにはいつもより少しだけでている。
夫が気になると言いだしたとき、私はそれとの違いをあまり感じなかったのだ。
しかし、後から振り返ってみるとこれは胸腺腫の最初のサインだったのではと今では思う。
気にはなるが食欲はあるし、よく動き、よく寝る。
そのときは一旦様子見でと夫との話を終えた。
2021年秋
眼球のことは気のせいかもとお互い思ったのか、それ以来話さなかった。
が、次に気になりだしたのがうさぎの呼吸だった。
我が家では寝るとき以外、ゲージを開けて室内で自由にさせている。
1日のうち数回テンション高く走り回るが、日長9割はお気に入りの場所で座ったり、伏せていて大人しくまったりとしていることが多い。
その落ち着いている時の呼吸が、まるで運動した直後のように早く荒いのだ。
少し気になるな、と思い始めてからたった数日で鼻を全開にして早い深呼吸のような状態になっていった。
これは流石に何かが起こっていると感じ、病院へ行くことにした。
病院について
約9年前、うさぎを迎えてから最初の検診で連れていった病院は、この辺りではズバ抜けて小動物を数多く見ている動物病院であった。
普通の動物病院では見かけることが少ないインコやうさぎ、その他の小動物たちでごった返し、まだ子供だったうさぎを抱えて順番待ちをしている間も次々と来院する人と動物の多さに驚いた。
レントゲンやいくつかの検査を受けて問題ないと太鼓判をもらい安心したのだが、待ち時間の長さがネックに感じそれからは一般的な動物病院でうさぎも診察できる獣医がいる他の病院がかかりつけ医となった。
それからずっとお世話になっている獣医さんが、産休に入られるとお知らせいただいたので、その前に軽く健康診断をしてもらうことにした。
私は一緒に行けなかったから詳細はわからないけれど、問題なかったと夫から報告があったのだが、その1ヶ月後に呼吸が荒れだした。
かかりつけ医は既に産休にはいっており、他の獣医師はうさぎは見れないとのことだったので私達は数年ぶりに待ち時間の長い病院へ行くことにした。
久しぶりの初診
病院へ行く前に電話し予約を入れる
こういう症状が出ていて、気になるので見てほしいと伝えるといくつかの質問を受けた後、(病院に来られるのは)早いほうが良いと思いますと言われ一気に恐怖感がでてくる。
すぐさま予約をいれ、相変わらずの長い待ち時間を経て我が家のうさぎを見た先生は開口一番「これは良くない状況です」と私に伝えた。
ついさっきまでお薬もらって暫く養生して心配したけどまだまだ元気だね!って安堵しながら帰れると思っていたのに、パッと見ただけでも「良くない」と言えるほどの状態であるとわかった瞬間、私の心は激しく動揺しはじめた。
さらに「まずレントゲンを撮るが、こういった状況では撮影中に急死することもあります」と先生が言う。
レントゲンを撮ると死ぬ可能性がある、けど撮らないと何も分からないという、生死に関する二択に心の処理が追いつかない私はとても形容し難い表情をしていたと思う。
生きるためにやるのだ。と、自分自身に言い聞かせてなんとか「お願いします」と声にだした。
うさぎが検査室へ連れて行かれるのをギリギリまで見送り待合室で結果がでるのを待つ間、普段信仰心なんて微塵もないくせに、とにかく神に祈った。
検査結果
しばらく経って名前を呼ばれ、再び処置室へ戻るとそこにはカゴに入れられてうさぎが待っていた。
神様、ありがとう。また逢えました。
レントゲンを撮るには撮れたけど、本来であればうさぎを仰向けにして撮るところ、死の危険性があがるので側面から撮りましたとのこと。
0才のころの同病院における検診で撮影したレントゲン写真も用意されており、今回の撮影と比較しながら説明を受けた。
かかりつけ医の病院でレントゲンを撮ったことはなかったように思うので、こちらの病院で本人の正常な状態と比較できるデータが残っていて良かった
そして「恐らく胸腺腫だと思います」と告知を受けることとなった。
胸腺腫とは?できることは?
胸腺腫が如何なる病気なのかについての詳細は省く
先生に告げられたのは、
・なにか明確な理由があってなる病気ではないので、あれをしていれば。しなければ。などは関係ない
・肺に雑音がでたりしないので、聴診器で胸の音を聞いても分からないし、レントゲンを撮らないと判明しない(直前に受けたかかりつけ医での検診では引っかからなかった理由がこれ)
・ガンも考えられるが状況から見るに胸腺腫の可能性が高い
・この病院、県内、近隣の県全てにおいて外科的切除は現在対応できない病気である
・手術を望むならば東京の病院であれば可能ではある
・胸腺腫は周りの組織と複雑に絡むため手術自体がとても難しく、やったとて成功はゼロに近い
・薬はステロイドで、一生飲み続けねばならず寛解はない病気であること
その他諸々。
まず絶望。からの、やれることはあるという希望。
手術はしない。それはすぐ決めた。死ぬ可能性しかないのは駄目でしょう
色々話して、他の胸腺腫の子のレントゲンも見ながら、ステロイドの効果について詳しく説明を受け投薬を決めた
ネザーランドドワーフ(うさぎ)の胸腺腫闘病記 全4回