演劇ハイキューが大千秋楽を迎えられずに幕を閉じた
2015年から上演している演劇ハイキューというシリーズ作品の最後の最後の大千秋楽が、中止になった。
そもそも演劇ハイキューにおいても、原作ハイキューにおいても、私は超の付くド新規だ。
2020年自粛期間中、LINEマンガで3巻分無料公開されていたハイキューをなんとなく読み始めたのがきっかけで、急速に沼ってしまったハイキューというジャンル。
秒で単行本を集め、(既に43巻くらい出ていた)アニメを全て見て、妹も沼に突き落とし、バレーどころかスポーツに微塵の興味もなかった運動音痴の私がまんまとこのバレー作品の魅力にハマってしまった。
原作とアニメの履修を済ませ、目に入らないわけがなかった"ハイステ"というジャンル。
そもそも須賀健太くんのTwitterを昔からフォローしていたのでハイステの存在自体は知っていたが2.5次元系にはまるで興味がなかったためスルーしていた(今思うとその頃の私を往復ビンタしたい)。
TikTokやらでハイステの存在を知ったらしい妹が(情報源が若い)ゴミ捨て場の決戦にどうしても行きたいと、東京凱旋公演のチケットを数日取っていたが、都合がつかない日があったらしく1枚私に譲ってくれたのが私が演劇ハイキューに沼る始まりだった。
ハイキューを好きになった時点でハイステに興味も少しはあったし、何より「ゴミ捨て場見れるてヤバ〜」「久しぶりの現場だな〜」(普段はアイドルオタクとして生きている)くらいの気持ちで当日まで過ごした。いや開演のその瞬間までそうだった。
いざ開演。1時間の第1幕を終え休憩に入った時の私の心情、
「一体...........................................何が起きている...................」
とにかく目の前で繰り広げられていた光景が衝撃すぎた。ずっと頭を鈍器で殴られていた。開演してからずっと瞬きをしていなかったかもしれない。
キャラクターを演じる俳優さんたちのお芝居、ダンス、演出、音楽、もう上手く言えないが全てが衝撃で素晴らしくて手が震えた。ヤバすぎる、という旨を妹にLINEでバカみたいに送り、20分の休憩が秒で終わった。
2幕はずっと号泣していた、原作で内容は知っているのに、全てわかっている話のはずなのに。目の前で繰り広げられるゴミ捨て場の決戦にずっと涙が止まらなかった。いやマジでこんなはずじゃなかった、大混乱しながらひたすら泣いていた、なんなんだこれ。
混乱したまま公演が終わり会場を出たが心臓のバクバクが治まらなかったのを覚えてる。
気づいたら帰りの電車で次の日の見切り席を購入している私。ほとんどここは理性が働いていないしよく覚えていない。
結局3公演入り大千秋楽の配信も買った、そして毎回泣いた、いや本当に自分でも意味がわからない。最初は妹に譲ってもらったラッキー!のテンションで入ったのに会場を出る時には正気を失っているから怖い。ここまでたった1週間の出来事。
正直ハマるのが遅すぎると過去の自分を責めたが生で見たあの空間と肌で感じたあの衝撃を一生知らずに死ぬことにならなくて良かった。本当に良かった。2020年最後にとんでもないものを見てしまった。シリーズ最後である次も絶対に見に行こうと心にめちゃくちゃ誓った。
過去の作品も見まくって、初期に演じていた役者さんたちや音楽や演出全てに感動が止まらなくて、一人一人が本当にキャラクターそのもので、もっとハイキューという作品が好きになった。あと改めて須賀健太さんって何者?と思った。日向翔陽演じるために生まれてきた?
そして開幕した頂の景色・2 。今回は初日に見に行った。これで最後なんだな、と思うとそれだけで涙が出た。泣きすぎ。
数日ある東京凱旋公演中に自分の誕生日の公演があり、その日のチケットも取ってあったのでそれはもうウキウキだった。誕生日という特別な日に大好きな演劇を見れる!?あの夢みたいな空間で過ごせる!?と大人とは思えないはしゃぎ方をしてた。
めちゃくちゃ楽しみにしてた。
めちゃくちゃ楽しみにしてたんだよな、私だけじゃなくて、演劇ハイキューが好きな人達全員、キャストさんたちもみんなみんな。
4月末、緊急事態宣言が出た時点で、東京凱旋公演は絶望的だな、と思った。これは多分中止だな、とすごく嫌なのに何故か冷静にそう思った。
でも実際中止が告知されるとやっぱり涙が出るもんで、公式から出た文章を読みながら大の大人が静かに泣いた。何年も繋いできたこの作品の最後を、生で見ることが出来ない。稽古を重ね、誰よりもこの作品を愛していることを知っていた過去に演じていた方々も含めた全キャストのみなさんのことを考えるとそれはもう涙が出た。
あの空気を生で感じられないことには絶望だったけど、イベント事ができないのはどこも一緒で、色んな舞台やライブが中止になっていたし、同じ思いをした友達と傷を慰め合った。
大千秋楽の生配信だけを楽しみにしていた。
そんな時公式から出された「公演関係者2名から新型コロナウィルスの陽性反応が確認されました。」の文字。「無観客公演の生配信につきましては中止とさせていただきます。」
頭が真っ白。多分これを読んだ全員何も考えられなかっただろう。
まずは陽性反応が出た2人が無症状で、大事に至らなくて本当に良かった。それは本当に心から思う。何があるか分からないし、大事になっていたら演劇どころではない。
なんとか飲み込もう、受け入れようと思い続けて5月9日、キャストさんや公式Twitterで掲載された客席に並べられたユニフォームたちを見た時、やっぱりこんな終わり方をしてほしくなくて、終わって欲しくなくて、納得できなくて、悲しくて仕方がなかった。
1ファンのただのわがままだってわかってはいるけど、こんなにも素晴らしい作品の最後の最後がこれだなんてどうしても信じたくなくて、ウイルスに怒っても仕方がないけど、本当に心からコロナウイルスを恨んだ。
この作品の最後をちゃんと見届けたい、彼らが繋いできた青春を、汗を、涙を、どんな形でもいいからまた見たいと日々願ってしまう。
きっと、ボールはまだ落ちてない。
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