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単発短編小説

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#じんわり

【短編小説】紫色の夜明け

(1)――「キミはもう二度とこの部屋から出られない」 「今からキミを、この部屋に軟禁する!」  猛暑の気配が残る夕暮れどき。  大学で夏休み前最後の講義を受け、スーパーで食糧品を買い、ネット通販で買った諸々の受け取りを終え、ようやく一息つけたところで、彼女は高らかに意味不明且つ不穏な宣言をしたのだった。 「今度はどんな映画を観たんだよ、ユカリ」  僕はスーパーで買った安いカフェラテを飲みながら、それだけ返した。  所謂「ごっこ遊び」が突発的に始まる程度、僕と彼女の間柄で