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第三回書き出しコロシアム【Final Set】もう終わったあとですが全感想
この記事は小説企画『第三回書き出しコロシアム』の、単なる一読者による感想です。
ネタバレがありますので、未読の方はご注意下さい。
各作品のタイトルのそばに、作品の本文がリンクしてあります。すぐに読みに行けますので、よろしければご利用下さいませ。
第三回書き出しコロシアムFinal Set!
#書き出しコロシアム
— 書き出しコロシアム 運営アカウント (@Genbu_KIKAKU) December 1, 2024
これよりFINALsetを開始します!
第三回書き出しコロシアムもいよいよ大詰め……!
最後までよろしくお願いいたします!https://t.co/9pfkEaAq80
企画会場リンク
第三回#書き出しコロシアム【Final Set】会場(小説家になろうのページに移動します)
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/
感想について
感想を全部書き終えるまでは、X(Twitter)を見ないようにして、最終順位や、作者様がどなたかなのかを知らない状態で作業しました。
単なるアマチュアの一読者が、読んで何をどう感じたかどう思ったか、ひとつのサンプルといった程度の感想です。
作品の印象的なところや良いところ、興味を引かれたところに注目しています。
自分が何をどう感じているのか、という点をうまく言語化して説明し、わかりやすく伝えるスキルが足りておらず、いろいろわかりにくいところがある感想だと思います。
1〜3話通し読みしたり、書きながら再確認もしておりますが、読み落としたり読み間違えているところもあると思います。
何かありましたら、マシュマロでもX(Twitter)でも、お知らせください。
感想の内容について、ご不快に思われるなど、何かありましたら、こちらのマシュマロにご連絡下さい。削除訂正等の対処をいたします。
決勝作品の感想(◇が投票先・☆が推し票)
奇遇仙女は賽をふる ~悪鬼悪女討伐伝~ ◇
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/2/
すみません、第2話の勝敗を勘違いしていました。引き分け~負けでした。
しかし、いわゆる負けイベントではなく、勝負の行方がわからない、起伏のある面白さがあったことには変わりません。
第3話は、勝負の結果、玄布さんの依頼を受けての占いでした。色とりどりの玉の賽を振ったり、陰陽の魚が出てきたりと、今回も華やかで麗しいイメージが展開しました。
今後は玄布さんと行動を共にして、第六天魔王の封印を目指す方針が定まって、敵対勢力サイドらしきでは、琵琶精が絡んでなんと天子に異変が起こり、何やらとても恐ろしげなセリフも出てきて、このさきもいろいろ波乱万丈そうなエンタメ展開を期待できる結びとなりました。
第1話~3話を通して、俗界と仙界、仙人や妖怪、摩訶不思議な術や力、あでやかで豪華なディティール・イメージが入り乱れる感じの、柔らかな魅力の中華ファンタジー作品でした。
贋作公主は真龍を描く
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3話も書籍化レベルだと思いました。必要な情報の出し方、中華な設定やアイデアの丁寧な入れ込み、情報量、面白さ、わかりやすく緻密な語り口など、とても完成度の高い作品でした。
今回は、彩玉さんの師匠・丁班檸さんが登場、具体的でかっこいい過去エピソードも添えられて、贋作元の画師・柳宗儀さんの、画はすごいけど人格的にはないわーなところも同時にわかって、キャラ紹介も巧みです。まだ存命のこんな人の画の偽物は、あとあとリスクが大きそうです。
贋作作りの相談を進めつつ、彩玉さんの揺れる内面も描写され、今後は贋作の依頼をこなしつつ、復讐もしたいと願う今後の意図がわかりました。
暁飛さん側も、贋作プレゼントにまつわる動きに、中華ものらしく秘密の政治的思惑や陰謀が飛び交い、贋作が生み出す跡目争いの勝利への道も補足して示されて、今後は分の悪い後継者レースを勝ち抜くという目的がはっきりしました。
最後のないものねだりが、実は有るものねだりで、読者としてはついニヤニヤしてしまう、いい感じのオチでした。
1~3話を通じて、複雑な中華風の設定と物語の前提が、わかりやすく丁寧に示されて、女性向けの魅力も備えた中華ファンタジー作品でした。
「一日勇者になろう!」 ~吟遊詩人(アイドル)の私が一日で魔王討伐まで目指す話。い、一日だけなんだからね!~
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/4/
第3話は、竜に乗って空の旅、雲の中の館と、冒険ファンタジー感とRPGのイベント感溢れる素敵で楽しい舞台で展開しました。結界を勇者の剣で突破するなんて、まさしく見せ場のイベントです。
新たな仲間、ベアルさんの、エリナさん激推しぶりがすごいです。強そうで硬派そうなイメージとのギャップが大きい! あと帽子の下が気になります。
最後はとても怖そうな魔王様、たぶん女魔王様の視点で、ますます謎が深まり、ただ倒せばいいというものではなさそうです。しかも、ロイ王子の不吉な二つ名!
1~3話を通じて、何か悲劇的な匂いもする謎のパズルが展開しました。
このさきにはいろいろなトレードオフ、どっち取ってもマイナスな選択を突きつけられそうなシリアスな葛藤や、思いがけない重い真実が隠されていそうだと思いました。
明るくて可愛くて魅力的なエリナさんには、あまり悲しんだり苦しんだりして欲しくないです!
でもきっと、いろいろうまくいってハッピーエンドになると期待します。
奥村さん家のガーディアン ◇☆
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/5/
推し票もこちらに入れました。
第3話では、機能として外には出られないという制限が発覚、高価なオプションになっているしくみも面白かったです。本当にわりといいおうち向けの家電的なものとして世の中に普及してるんですね。アイ子さんの行動に制約ができてドラマ的にも盛り上がります。
そして沼田の野郎、許すまじ! こんな糞はフルボッコにすべきです。
アイ子さんの無限ギギギギ最高でした。そりゃあもう、人間でいったら怒り心頭、八つ裂きものです。アイ子さんには悪いのですが、ギギギギと一緒に笑ってしまいました。
うろ覚えですが、脚本の技術書に、コメディにおいて最も笑えるのは、その人物が最も辛いとか悲惨な状況になったとき、とありましたが、その通りでした。アイ子さんにとっては、機械も狂わんばかりの一大事。
と思ったら、アイ子さんのポケットから可愛いミニアイ子さんが! ねんどろいどより小さいのにエントリーモデルでも高性能なのすごいです、未来楽しい!
こんな小さくて、成人男性相手には分が悪そうでも、読者としてはもう安心、ニヤニヤものです。小さくて可愛いミニアイ子さんがちまちま動いて、いかにして糞野郎を圧倒的にボコボコしてくれるか、次回のミニアイ子さんの大活躍に期待しました!
1~3話を通じて、主人公アイ子さんの魅力、近未来の世界観の楽しさ、視点者にはわかっていないことが読者には良く見える一人称ならではの面白さなど、面白さがいっぱいつまったSFコメディ作品でした。
保護したおじさんの中から美少女宇宙人が出てきた
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/6/
第3話では、ウーリャさんが大人気の配信者に! 一方で、ヴラードルへの反撃の牽制も成功し、これ以上地球の都市が消し飛ばされる心配はなさそうでよかったです。
第3話には小ネタがいろいろ盛り込まれてSF的な面白さがありました。
食料生産設備と食品構成機が面白かったです。謎肉やツル草が食材に変わるなんて、ドラえもん的楽しさ。配信衣装も、衣服構成機で作れるなんて楽しいです。
第2話に続き、地球規模の一大事でありながら、どこかゆるっとしたお祭り騒ぎ感という、コメディとシリアスの独自の面白バランスで進行し、終盤ではしっかりと次への展開が!
危険ながら、航宙軍への働きかけを得られる逆転のチャンスという、待ちではない具体的な勝利の道筋が示されて、この局面に、春樹君とウーリャさんのらぶらぶカップルはどう立ち向かっていくのか、相変わらず圧倒的強者ポジのヴラードルをいかにやっつけてくれるのか。(個人的好みでフルボッコ希望です)
1~3話まで、緩くて楽しいSF要素を中心に、意外にもシリアスな要素を絡め、ユーモアとドラマのバランスを取りながら軽快に展開する、SFらしいコメディ作品でした。
下剋上マッチ投票先・投票候補作品の感想(◇が投票先・☆が推し票)
うらみあい
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/7/
次はどう来るかと思った第3話は、1話に出てきた悠人君の叔母さん・理恵子さんの視点でした。おお、掘り下げてくるなと思ったら、思いもかけない情報、ダークな因習の気配!
本格的にどろどろしてきました。1話でふんわり普通に想像していた悠人君とお母さんと叔母さんの日常とはまるで違っていました。
さらに1話の続きにもつながって、過去に触れつつ現在も進む、わかりやすい構成でした。齧られた子たち、生きてたのにビックリ。
今回の視える系ホラーシーンも、語りや描写で臨場感が伝わります。ホラー苦手勢な自分は寝静まった夜には読めないものでした。
理恵子さんには何か不思議な力があり、霊能者・白牟田さんも出てきて、引きからして、得体のしれない怪異に対抗し、解決する道筋もありそうだとわかり、ホラー苦手勢としてはちょっと安心しました。まだ読めそう。
1~3話を通し読みして気がついたのですが、深澤さん、1話の時点で死んでます!?
つまり2話で始まったエピソードは、1話の過去になるわけで、これからもたぶん同時進行で語られるだろう出来事が、どう関連して組み上がっていくパズルなのか、興味を惹きつけられる構成です。
1話2話3話と、読みやすくわかりやすい構成と文章、感覚に訴えてくる表現で、毎回ホラーの見せ場と娯しみを入れ込みながら、前提状況をセットアップしていき、いよいよ本格的な展開が始まりそうなところで引き。とても読ませて引きこむコワイ書き出し3話でした。
失翼の龍操士と霹靂 ◇
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/11/
第2話で期待したものが全部読めた第3話でした。
龍に乗る飛翔シーンも、いかにして魔力嵐を解決するかのアクションも、ファンタジー的なアイデア、ビジュアル的な映えが抜群でした。飛びながら空中に魔法陣を描くなんて、かっこよすぎます。
龍操士の腕前の差が、実際の務めで如実に現れることも、問答無用ではっきり読者にわかります。見せ場として最高でした。
さらに、終盤では、前世ノエシスの事件の謎が。エレアさんにも、ソロさん自身にも危険が迫りうる展開で、まだ『どういうことかな、こういうことかな?』と適当予想ができるほどの情報は出ていませんが、いったいどんな理由や事情がある事件なのか、気になります。
そんな状況ではっきりと心に誓い、宣言するソロさんが頼もしいです。失ったものを取り戻して再生していく力強い物語を期待します。
1~3話を通して、物語の本番への導入としてまとまっていて、主人公ソロさんが最初の再生を遂げる見せ場も盛り上がりました。
このさきは過去を克服し、色々取り戻して、さらに飛翔していくだろう物語を期待する独自ファンタジーでした。
官能小説家『海堂院蝶子』は俺のクラスの委員長である
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/12/
第2話の最後で予想していたよりも、バッティングのトラブルがとんでもなく悪化してしまう展開は、まったく予想外で、すごく劇的でした。
まさか、こんなにも痛々しい、いわば生きるか死ぬかの展開になるなんて!
しかし、超展開という飛び方ではないです。1話2話と、明るくコメディ調でありながら、高木君の人間性だったり、蓼科さんとのやりとりだったりから、地に足のついた部分、シリアス方向に進んでも違和感のない土台があったと思います。
高木君のお母さんの、おかん感、懐の深さが好きです。この苦しいときに、我が子はもちろん、よその子のことまで受け止めてくれる。場合によっては都合良くなってしまいかねないところですが、違和感ないんですよ、高木君のお母さんだよなという感じです。
高木君、偉かった! 『世の中には決して食っちゃいけない~』このセリフ、最高です。
そんな高木君と、蓼科さんには、もうこれ以上ないほどのらぶらぶハッピーで最高に幸せな体験を分かち合える日が来てくれることを願わずにはいられません。
今はまだ、苦しいなかでなんとか戦う時だけど、頑張って欲しい! 何もかも上手くいってハッピーになって欲しい! です!
1~3話を通じて、タイトルの過激さからは思いもよらない、笑いとユーモアのなかで、徐々に絆と想いを深めていく恋愛が展開し、ヘビーな苦さもある青春ラブコメ作品でした。
幻獣牧場の王 ~不器用男のサードライフは、辺境開拓お気楽ライフ~ ◇☆
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/15/
最初からずっとイチ押しで、ずっと期待どおりに面白かったです!
推し票もこちらに入れました。
Finalの3話では、第1話から期待してこのさき見れると思っていたものを、まさに見せて頂きました。
バートン男爵も、グリフィンのレオナルも、幸せになれそうで本当に良かったです。
フィーネさんの記憶の炎の過去を映す力が、このような使われ方をするとは! とても効果的で、伝聞になる幻獣の事情が、臨場感のあるリアルタイムの場面となって読者が見られる、便利なギミックでした。毎回の定番パターンとしても機能しそうです。
困った幻獣が来る→エルンストさんが対応する、フィーネさんの記憶の炎で過去や事情が直に見られる→問題が解決する→幻獣やマスターが幸せになる。
これからの毎回のパターンのサンプルとしてもわかりやすく、このさき何が見られるかがはっきり示されて、いろいろな幻獣と問題、時に変化球などが見られそうだと期待しました。しかも安心のハッピーエンド確約。
改めて1~3話と読んでみて、やっぱり面白かったです。
読みやすくてわかりやすい文章、丁寧な人物描写、随所に小ネタやアイデアが盛り込まれて、細かいところが行き届いた完成度があります。
3話分で、本格的な幻獣牧場経営へと進む足場が丁寧にきっちり組まれ、メインの面白さに向かう準備が整えられ、このさきも面白いと期待し、さきを読んでみたくなる作品でした。
Flight to Chaos
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声を、声を大にして言いたいです、3話目も面白かったです!
松永さんと佐藤さんが機外でのサポート体制、久我さんとの連絡もつながって、敵は敵でどんどん計画を進めていって、ついに非常事態に突入。
久我さんはどう活躍するのか、このさき何が起こるのか、癖つよ人物たちがどう絡んでどんな騒ぎになるのか、本格的な始まりを期待しました。
要注意容疑者のスコット副操縦士は、なんらかの異世界から来た人なのか、妄想に囚われているのか、カテゴリーAじゃないのかなど、気になる情報がいろいろ! まさかバーミューダトライアングルからどこかに行くつもりなのですか??
最初に3話を読んだときは、ここまでの展開には、地に足の着いた現実感があり、久我さんの運の悪さくらいしか超自然ぽい要素はなかったので、そっちじゃないかなと思いつつも、本当にどこかに行くとなったら、それはそれで混沌が増して、真面目な久我さんとの対比も増して面白そうだなと思いました。
(改めて、1~3話を通しで読むと、あらすじも込みで、異世界ネタの気もしてきました)
ボブさんが単なるオタクではなく、サイバー犯罪も可能なスキルの持ち主とわかり、おお! と思いました。一応久我さんの味方、仲間になりそうで、この先どう活躍し、協力するのか期待が高まります。真面目な久我さんと真顔漫才になりそうです。
本人の強い思想のもと維持されている重量級の肉体は、荒事には不向きで的も大きいので、大丈夫かというハラハラ感も。
参加作品をまとめて読んでいると、この作品の一般エンタメ小説的な、しっかりした情報量、伏線、謎、展開は、Web小説スタイルより相対的に遅く感じてしまうのが不利かなと思いました。
1~3話と通して読みましたが、別に遅くないんですよ。多角的な情報が盛り込まれているので、Web小説スタイルほどサクサクは読めませんが、中身たっぷりで面白いんです。
謎や伏線らしきがいくつもあり、役者も状況も揃ってきて、本格的に展開していく続きが読みたくなる作品でした。
下剋上マッチ作品の感想
Sランク探索者のぜんぜんのんびりできないドラゴン牧場経営
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/8/
第3話も、2話の最後を受けて、卵を孵すために奮闘するリガさんから始まってスムーズな展開でした。この孵化の独自設定が面白くて、いい感じの高原に笑いました。魔力反射板とか、さらっと細かくネタが詰まって、可笑しかったです。
そして順調に進むかと思えば、またしっかりと『時間』という難題が投下され、さらに試行錯誤の果てしない難しさと、困難は大きく、リガさんをして『畜産をナメていた』と珍しく反省の言葉が!
ここ意外と重要な気がするというか、1話からの大きな変化で『すごく困難な仕事に取り組むんだ』と認識を改めていて、のちのナイモスさんとの協力関係へとつながると思いました。
生まれたチビドラたちは『好きな総菜発表ドラゴン』の、ファンアートでだんだんころころ丸く肥えていった姿を想像しました。逃げ出すところ可愛いです。
怪鳥ジズとのバトルアクションも入って、毎回ネタが盛りだくさんです。
ダンジョンマスター・ナイモスさんがついにリガさんを認めてくれ、協力関係になり、ひとつの区切りと、このさきの見通しもできて、第3話でひとつの展開が完了したまとまり感がありました。
剣を習いたいチビドラたちはちまちま可愛く、目がキラキラで可愛く、果たしてリガさんとの関係はどうなるのか。
最後は何だか『俺たちの戦いはこれからだ』感があります。続きを書くご予定は無い感じでしょうか?
1~3話まで、常にリガさんのキャラの勢いがあり、ブレることなくドラゴン牧場への道を歩むというか突進し、定番のファンタジー異世界でわかりやすいのに、設定はつくりこまれ、アイデア・小ネタが盛りこまれ、困難投下とその解決のベーシックな強力エンジンを備えた、Web小説として完成された面白さを持った作品でした。
深窓令嬢の真相
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/9/
第3話は、1話2話の内容を踏まえての、より規模が大きく緊張感のある事件が展開し、盛りあがりました。
ジャックくんとフィグリー子爵夫人の危険性を秘めたやり取り、暗号の謎解きからのどんでん返し、日常の範囲を超えた政治的な動きも関わり、読みごたえがありました。
一度使われた小道具から、二度目の謎解きが引き出されるところが、特に面白かったです。
また、第2話でも思いましたが、ベルナールさんは、とても女性人気がありそうなキャラだと思いました。単純に身分が高く見た目がいいだけでなく、マリさんを完全に理解し、フォローしていて、マリさんの方はとても気安く、恋愛的に意識していない関係性が、ポイント高そうです。
第1~3話で、ライトに楽しめる感じの連作短編の最初の印象から大きく変わり、スケール感がアップしました。異世界恋愛に近い世界観で、女性向けに馴染みやすくアピールするミステリという、ひと味違った面白さが楽しめる作品でした。
かがやき損ねた星たちへ
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/10/
第3話では、事件が大きく動き、語り手の嶺次郎さんに深くかかわる展開にびっくりしました。二人兄弟の一人だけが学費を貰って大学に進学、それなのに人生邪魔されて、そりゃ恨みますね。
タイトルが回収されました。左翼活動家がキラキラ輝く青春を楽しく謳歌しているという視点が面白いです。たしかに、大学生の遊びといえば遊び。
3話でも、細かく愉快な表現が飛びだす独特の語り口と会話のやりとりで、あちこち面白かったです。
『これが仮にも警察官の言うセリフでしょうか』
『手先の器用な男でなかったせいか、いつも独特の結び方をする兄でした』
『「よし、嶺次郎の兄さんを殺そう」』『前言撤回』『わかってくれなくて結構です』
『だから多忙な中で見合いに勤しんでいる』などなど。
最後には薫さんの独壇場、大活躍。それまでのネタがひとつに畳まって、いよいよ盛り上がりそうな展開でした。
1~3話まで、毎回新事実が明らかになる展開と謎解きがあり、独特の語り口と、癖の強いキャラたちの会話が面白く、皮肉なユーモアが効いたミステリ作品でした。昭和を舞台にしているのも、珍しかったです。
魔法好きくんの流され最強譚~平凡教師の悪夢を添えて~
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/13/
第2話で家を出たラーシュ君、第3話ではさっそく主人公最強系の展開となりつつ、広がった世界を楽しむ優しい空気感でした。
馬車の床下収納や足回りの魔法的仕組みは、ラーシュ君じゃなくても興味深くて気になります。魔法がテーマのお話なので、このさきこういった魔法ディティールの面白さが具体的にいろいろ出てきそうだなと思いました。
ロドリク君とヨエル君の兄弟は、のちのち重要なサブキャラになりそうです。普通にフレンドリーなので、仲間とか友達でしょうか。
最後には、単に魔法を学べるという環境以上の、最強主人公にうってつけのお話、じいちゃんも一緒! これは成長後の軍事的なイベントなど、楽しみな布陣です。
地域的に対魔獣の戦力が求められるのも、のちのち討伐などのイベントに発展しそうです。
ラーシュ君はいろいろ恩恵を受け、力を振るえる立場になって、前世とはまったく違うとても恵まれた最強ルートを順調に進んでいきそうです。
その先で平凡だった前世がどう絡んでくるのかという謎と、そのときの展開が将来的な引きになってるつくりが、長編らしい面白さがあっていいです。
1~3話を通して、わかりやすい主人公最強ものに、前世の謎というひねりを加え、先の展開への布石を入れながら、生きる幸福感みたいな緩やかな満たされる空気が流れていて、人間ドラマ部分も読ませそうな作品でした。
転生☆お嬢様育成ゲーム!プリンセス系になりたい私vsパンク系に育てたい転生プレイヤー
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/16/
第3話でついに、ミーティアさんがパンク系のお召し物を着用!
オリビエさん、策士ですが、歩み寄ってくれて優しいですね。お父様に会えるよう、色々気を配ってくれたり、注意も適切。とっても良いお兄さま。これで変態でさえなければ……!
さすがゲームのヒロインだけあって、ミーティアさんの可愛さに皆さんメロメロですが、単純に外見だけが可愛いんじゃないと感じます。
二歳児の体と一体化したシンプルで素直な感情と、前世の人格からのものの見方や考え方のハイブリット(かんしゃくを起こしても話せばわかり、取引まで通じる二歳児!)で、他者への愛や優しさ、ほんの小さなことも素敵な価値あることとして大きく受けとめるなど、表現はコミカルですが、そういった内面の魅力が効いてると思います。
転生したことで『ミーティアたん、マジ天使!』になっています。
お母様の死を思い出すと辛いロバーツお兄様のことも幸せにしてくれそうです。(お父様がむちゃくちゃマッチョということは、騎士の専門学校に通うロバーツお兄様もけっこうマッチョ?)
1~3話を通じて、明るく可愛いミーティアさんの、元気でコミカルな語り口と、ちょっとした対立はあれど、愛に溢れてみんな優しいのが魅力的な作品でした。
1話のオープニングや、いずれ消えるオリビエさんの設定など、暗さだったり痛みだったりが存在する世界でもありますが、すべてをミーティアさんが幸せに変えてくれそうです。
死と神男子は眠り姫を目覚めさせたい
https://ncode.syosetu.com/n8058ju/17/
3話目に入って、あらすじにあったローファンタジー要素が一気に出てきました。同時に、どういう話かわかりやすくなりました。
例えが古いんですが、プリンセスやウィングスなどの、現代日本を舞台に、神話や異世界、転生などの独自設定を持つ女性向けのファンタジーマンガ、あの感じの雰囲気、設定で、イメージがつかみやすくなりました。
新キャラ架論先生も、そんな感じで、ただし今風の絵柄で顔が浮かびました。
古都音おばあ様は、相変わらず居るだけでかっこいい雰囲気です。おばあ様も何らかの神だったりするんでしょうか。
恋愛とは違う識途君の気持ちが謎解きされてすっきりしました。
識途君は未亜さんを助けたいのに、本体の方は絡まった呪いを解いて終わりにしたいと考えているという耐えがたい葛藤が設定され、物語が動き出した印象です。
このさきはおそらく、識途君は第三の道、新たな解決法を目指す方向で奮闘するんだろうなと予想しました。
1~3話にわたって、他の作品とは違う独自の雰囲気や空気感、キャラの心情に深く沿って掘り下げて描写するスタイルが印象的な作品でした。
最後に
これにて、とりあえず、第三回書き出しコロシアム3Set分揃った感想をやり遂げました。
質などはともかく、やりきりました。自分を褒めたいです。
今回は16作品だったので、ボリュームを抑えれば、全感想3セットできるかなと思ったのですが、Setごとの発表に間に合わせることができませんでした。短くまとめるのもスキルが必要なのだと学びました。
2ndSetの終わり~Final Set期間は、家族に風邪を感染されてしまい、さらに時間が厳しくなって、もう諦めようかと思いました。熱は出なかったのでどうにかなりましたが、一週間以内の全感想の難しさ、文章、構成、解析など、色々な面でスキルの足りなさを痛感しました。
最終結果、リアルタイムで追いかけようかどうしようか迷ったのですが、書きかけている記事を完成させることにして、X(Twitter)は見ないで続けました。新しい情報も踏まえて書き直していたら、もう収拾がつかないので。
なんか、去年の第2回の結果発表の時と同じようなことやってます。
こういう企画は、一緒に追いかけたり、タイムラインの盛りあがりを見たりしたいです、やっぱり。来年こそは!
第三回書き出しコロシアム、今年もレベルが高く、面白い作品がいっぱいでした。
書き出しコロシアム運営様と、各作品の作者様に感謝いたします。
大変勉強させて頂きました。
ありがとうございました。
主催者様、今年もまた、素晴らしい企画を開催して下さり、ありがとうございました。
参加者の皆様、毎回楽しく読ませて頂きました。
全3セットに及ぶハードな戦い、本当にお疲れさまでした。
更新履歴
◆2024/12/11 記事公開。