第21回書き出し祭り 依頼感想
依頼感想7作品、すべて完了いたしました。
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削除依頼、問題等、何かありましたら祭り中は匿名にて、マシュマロにてご連絡下さい。対処いたします。
祭り終了後のお礼参りは特に必要ありません。
(クレーム等はもちろんお受けいたします)
★★読者様へ★★
この記事は作品内容に踏み込んだ感想です。
作品を未読の方は、ネタバレにご注意ください。
各感想にも、作品へのリンクを添えてあります。
書き出し祭りとは
ライトノベル作家の肥前文俊先生が主催する、小説企画です。
100名の匿名参加者が、25名ずつ四つの会場に分かれ、作品タイトルと4000字の書き出し、400字のあらすじ(任意)だけで、どれが一番魅力的な書き出しかを投票で競うお祭りです。
詳細は、こちらの公式アカウントから確認できます。
書き出し祭り事務局(運営様Xアカウント・プロフィール)
第21回書き出し祭り会場
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書き出し祭り会場(主催・肥前文俊先生の企画用アカウント)
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感想依頼の応募者様へ(※ご確認下さい)
会場別・作品番号順に並んでいます。
単なるアマチュア小説書きの感想です。
書籍化もランキング入りもしていないです。
感想の内容は、あくまで筆者の感覚や好みによるものです。
違うと思われる部分は、無視して捨ててください。
特に、気になるところなどは、人それぞれの好みや考え方で、大きく違いが出るものです。決して絶対的な事実、普遍的な評価ではないです。
使えそうなところだけつまんで、適宜ご利用ください。
不快に思われた、削除して欲しいなど、何かありましたら、マシュマロにてご連絡下さい。誠意を持って対処いたします。
祭り終了後のお礼参りは不要です。
(クレーム等はもちろんお受けします)
受付作品一覧(受付順)
1番 4-03 愛は不要なので結婚しましょう
2番 1-12 殉葬妃は蘇る ~今度こそ愛する貴方と生きるために~
3番 1-02 ドキッ♡ヤクザだらけの異世界転生〜仁義もあるよ〜
4番 2-01 シナスタジアの聖女、今日も最前線を征く
5番 1-15 Re;TRY!〜どうか、今度こそ殺されませんように!〜
6番 4-25 貧乏令嬢の花婿探し ~なぜか、悪役令嬢に溺愛されるなんて聞いてませんけど!?~
7番 1-17 黄泉坂学園で生き返りを目指して
第一会場
1-02 ドキッ♡ヤクザだらけの異世界転生〜仁義もあるよ〜
作品ページへのリンク ←※『小説家になろう』へ移動します
読みやすくわかりやすい文章のうまさ、独特のリズムと個性のある軽快な語り口が際立つ作品です。
主人公の今までや、ヒロインとの出会い、ヤクザ世界と関わるきっかけ、手掛ける最初の事件についてまでが、スムーズに語られて、テンポよくわかりやすく楽しめました。
内容は、異世界転生チートお約束の『僕何かやっちゃいました?』の変化球でした。やっちゃいました。まずはとてつもないお嬢様のハートをがっちりつかんでしまいました。
でも、やっちゃったことでこの先、賞賛を得て名声を得てかけのぼっていくであろう世界が普通じゃない。異世界ヤクザ界隈で無双する!
このアイデアが新鮮でした。
魔族の国、魔王軍なんかでの無双成り上がり作品はよく見かけますが、ヤクザは見たことないです。(なろうで検索しても、有名作品は無さそうでした)
主人公が求めるスローライフに対し、勇者や冒険よりはるかに相性最悪なところも、劇的パワーになっています。
良アイデアは、ヤクザだけでなく、ファンタジーらしい魔法やスキルなどの設定が緻密です。
主人公は、前世の記憶や知識により、転生後の実年齢を超えた能力を持っていますが、理屈やルール、長年の鍛錬の裏付けもされています。チート的な、高い能力を発揮しながらも、ズルい感じがありませんでした。
読みやすくわかりやすいだけでなく、文章それ自体にツッコミどころや面白いところがいっぱいです。
世界まるごと顔面偏差値が高いとか(平凡という建前の少女マンガヒロインやラノベ主人公のキャラデザインだ~と笑ってしまいました)、川上からどんぶらことか、魔弾と書いてチャカとか、異世界だから魔魚の餌とか、その他にもいろいろ、細かいところに面白ネタがちりばめられています。
ただ、クロウ君もレシーナさんも普通とはかなりズレた感性のキャラで、双方がボケの状態になっているため、少し離れた目線からの、世界の常識的なライン、まわりの客観的な情報が見えにくい面がありました
最後に、作者さまにお書き頂いた『具体的ポイント』についてお答えします。
1 楽しい気持ちで読んでもらえたか。
笑ったところがいくつもありました。文体、語り口のテンポの良さ、わかりやすい異世界転生設定と欧風世界観で読みやすいのに、独自設定や情報密度が濃くて楽しかったです。
2 主人公、ヒロインにどのような印象を持ったか。
主人公→達観して常に落ち着いた態度、ビルドゲームとスローライフ以外には無頓着、さっぱりクールドライ。他人の気持ちに疎い?(or自分の気持ち含めて疎い?)
ヒロイン→とても寂しい・人恋しい、がゆえに?執着が超激重、ヤクザ育ちゆえに考え方が極端。
それぞれにヤバみがありそうな対照的カップル(?)です。
特に主人公は、前世の壮絶らしき過去のせいか、普通とはズレた感覚があるため、怖いヤクザ世界に引き込まれても、ひるまずビビらず平気でやっていけそうです。読者ツッコミ待ちの笑いが期待できます。
3 作品のどのような要素に一番心惹かれたか。(恋愛、能力、世界観、など)
魔法要素に『魔法』『魔術』で違いのある独自設定が一番でした。
『魔法』はいわゆるスキルやジョブのようにキャラ固有で与えられながら、まったく違う自由な拡張性があって面白いです。キャラが増えることで、新たな面白さも拡張される優良設定だと思います。
今回はあまり出てきませんでしたが、ビルドゲームのシステムを応用した魔法や魔術による活躍をもっと見たいと思いました。
以上です。
感想依頼して頂き、ありがとうございました。
(何かありましたら、マシュマロまで作品名にてご連絡下さい。誠意を持って対処いたします)
1-12 殉葬妃は蘇る ~今度こそ愛する貴方と生きるために~
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まずインド風の世界観が新鮮で魅力的な作品です。
欧風貴族物、中華風後宮物とは違う個性で、しかもいいとこ取りも可能な、異世界恋愛としても優良設定だと思います。
死に戻り物という、わかりやすいテンプレとの組み合わせで、通常とは異なる個性の世界観が馴染みやすくなっていると思います。
輪廻転生などを含みそうなアジアンな死生観と、死に戻りネタとの相性もいいです。
冒頭は静かに死を受け容れていたアイシャさんの心が、ダミニによって激しく乱され傷つけられ、最後は憤りや後悔、無念の思いで終わる過程、心情の動きや大きな変化が、臨場感たっぷりに描かれています。
背景や事物など、色々な描写が丁寧で細やかで、読みやすく、迫力があります。指先が痛かったです。
表現のなかで、特にいいと思ったのは、突き飛ばされて副葬品の中へ倒れ込むところです。
倒れる感覚、騒々しい物音、ぶっ散らかる物など、視覚・聴覚・触覚・平衡感覚から『裏切られた、それまでが崩れた』が象徴・暗示されて、静寂を破る物音のイメージが、裏切り開始の合図にもなっています。
また、ダミニが実に憎らしい! 言うことやること、敵として存分に憎めます。
今度は鼻を明かしてめったくそにやっつけたれ!と思えます。
ちょっと気になった点は、ダミニが登場したところです。初読のときに、細かい情報の把握の面で若干つっかかりました。
ダミニが何者か(側妃、侍女、従姉、殉葬しない、懐妊中)、何をするのか(殉葬における儀礼的な引き留めをする役)という点を理解するのに、ちょっとだけ読み直しました。
最後に作者さまにお書き頂いた『具体的ポイント』についてお答えします。
1.時間の経過・場面転換に違和感や読みづらい点はないか
とのことですが、構成も文章も、これはもう、プロの方かなと思えて、私なんかがなにか言うのもアレなのですが。
まったく問題ないと思います。
1 王の死、アイシャさんの現状。
2 ダミニ登場。
3 ダミニの裏切り。
4 墓所の絶望。
5 死に戻り。
場面構成としてはこんな感じだと思います。
1~3は同じ場所で、時間も連続して、違和感やわかりにくさはありませんでした。次への橋渡し、開始の合図があり、自然につながっていきます。
3と4の間には、時間の経過がありますが、指先の描写で時間が表現されてつながっています。
4と5の間で、時間が10年前に戻りますが、こちらも覚醒の過程、衣装や紅玉などの小道具や王とのやりとりで自然につながっています。
2.回帰後のヒロイン(アイシャ)の立ち回りをどう期待/予想するか
過去の行動を、大人目線と未来情報によって判定・訂正。前より賢い妃となって夫を補佐、まわりの高評価も得るし、陰謀も暴く。
ダミニの悪事も、動かぬ証拠を押さえてから公的・正当に思いっきりやっつける。
過去のダミニに同情の余地があるなど、場合によっては和解して、ダミニの感情や行動そのものを変える。
死に戻り物なので、こんな感じですべてうまくいってハッピーになって欲しいと期待します。
ただ、感想をまとめるため何度も読み返していると、これは死に戻り無双ざまぁにならないかも、という不穏さも感じました。
アイシャさんが年の割に頼りない&ダミニのセリフがかなり思わせぶり。
過去の更なる残酷な真実を知る、最も切望するものには届かないなど、そういったどろどろダークな話の可能性も……とも思えました。
3.ヒーロー(アルジュン)にどのような印象を持ったか
『文官タイプの穏やかで優しい知的な人物。国の平和や民の幸せにとっては良い王だったが、当人の権力や勢力が弱く、敵によってうまいこと謀殺されてしまったらしい』
この書き出しからイメージした人物像です。
ちょっとだらだら長くなってしまってすみません。
感想依頼して頂き、ありがとうございました。
(何かありましたら、マシュマロまで作品名にてご連絡下さい。誠意を持って対処いたします)
1-15 Re;TRY!〜どうか、今度こそ殺されませんように!〜
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『九つの命による九回のループ制限のもと、今度こそ生き延びるという目的を果たせ!』
この作品は、主人公の目的がわかりやすく、設定がキャッチーです。
死にたくない、殺されたくない、生き延びたいという目的はとても普遍的で、問答無用の説得力があります。
読者はハッキリした目的を理解し、どうやれば生き延びられるんだろう、どうするんだろうと思いながら、話を追うことができます。
また、残り回数がゼロになり、もう何も間違えられない崖っぷちに追い込まれた状態で話が進んでいくことになり、この先あらゆる選択や判断、行動のひとつひとつが重要になり、サスペンス効果があがります。
文章は、パワーと勢いがあり、主人公の心情を力強く描いています。語り口にリズムがあり、場面ごとにおける主人公の感情がよく伝わってきます。
内容は、全体的に、知りたい情報が不足気味に感じられました。
七回のループのたびに、どんな分岐点をどう潰してきたのか、ざっくりでも知りたいです。
この最後のチャンスで生存を達成するにはどうすればいいのか、今まで何を間違えてきたのかという、謎解きのヒントが欲しいからです。
同様に、毎回のループに必ず美也子も絡んでいるので、どう絡んで死に至るはめになるのか、関わり方を知りたいです。
ただ、心情を前面に押し出して突き進む語り口から、唯さん自身が信頼できない語り手であるなど、主人公と一緒に目的を目指し謎を解いていく話ではなく、構成や語りのギミックがあるのかもしれないとも考えました。
このあと、視点が切り替わるなどする構成で、違った目線から前の出来事を見たり、第三者的に各エピソードを比較したりすると答えが浮きあがってくるパズルタイプの話の可能性もあるかな?と。
最後に作者様にお書き頂いた『注目ポイント』についてお答えします。
1.消えた一回の謎はどう感じたか
状況がいきなり崖っぷちとなり、その点は今後の物語にはいい作用です。
しかし、唐突さは感じました。
物語の謎というよりは、呑みこんだばかりの前提ルールが、なぜかいきなり崩れた印象があります。
あらすじを読んだ段階では、最後の一回が消えた事実だけだったので、その理由については、本文でわかると思っていました。
『右掌にあと何回、生があるのかわかる仕組みになってる』と言われている。
生を繰り返すごとに生命線が減っていくのに気づいている。
この事実に間違いがないのであれば。
記憶に無いのに生をもう一回余分に繰り返している?
なぜ記憶に無いのか? 記憶に無いほどの瞬殺? くりかえしの超最初に殺されたか死んでしまった? だとしたら誰が? なぜ?
じゃなくて、実は生一回につき生命線が一本ではなく、複数減ることもある?
それならどのような法則で減ってる? わ、わからん!
といった、目の前の話から離れたことが気になってしまいました。
生き残りたい唯さんが、仮説を立てるなどの謎解きを試みていないのも気になります。
2.どういう結末に落ち着くと感じたか
唯さんが最初に『生存』を強く願っているので、もう殺される心配無しに生きていけるハッピーエンドで終わるのが、読者としては落ち着きますが。
1話の最後では、復讐に目的の比重が移っているので、逆に殺す、破滅させるなどの、いろいろと物騒な展開になったりして終わる可能性もありそうだなと思いました。
3.元カレ?の真意はどう感じるか
可能性1 おそらく誠も未来を知っていて、唯さんと同じようにループしている。何か誤解があって唯さんを敵視し、目的のために殺していたとか。
謎の土下座は、その間違いに気づいたからだろうか、など。
可能性2 誠が多重人格的。美也子のことが好きな人格がいる、死亡フラグの数だけ人格がいたなど。謎の土下座や、性格の違いは、異なる人格の仕業だったり?
1話の内容からは、こんな風に感じました。
以上です。
感想依頼して頂き、ありがとうございました。
(何かありましたら、マシュマロにて作品名でご連絡ください。誠意を持って対処いたします)
1-17 黄泉坂学園で生き返りを目指して
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タイあら、そして本文。いずれも、内容と売りになるポイントがわかりやすい作品でした。
死にたい主人公と、生き返りたい相棒で、さまざまな試練に挑む、という仕組みで、すでに劇的なものが約束されています。
現代ファンタジー設定ですが、世界観もわかりやすいです。学園というなじみ深い構造を持つ異界なので、だいたいのようすも、何があって何が起きるかも、想像しやすい設定です。
学園という設定自体も、人気のあるものです。
主な登場人物が、若くして死んだキャラたちとなるので、それだけで背景やいきさつに劇的なものが含まれます。
生き返りたさへの欲求度合いも、人によって違いが出るし、ペアの相性や考え方など、さまざまな拡張性が期待できます。
『善行』とはいったい何なのか、どのようなシステムで競うのかなど、具体的に知りたい気持ちになります。
あらすじで示した内容は、読みやすくわかりやすく語られているのですが、説明やセットアップが主体で、全体的にあっさりと進行し、第1話での劇的な起伏は少ないです。
また、これは笑ったりしていいエンタメなのか、それでは失礼にあたる重いシリアスな物語なのかの判断が難しく、これももう少し先を読まないとわからなくなっています。
作者様にお書き頂いた『注目ポイント』についてお答えします。
1 読みやすかったか
癖のない文章で読みやすかったです。
出だしからわかりやすい構成で、話も時系列で進んでいき、ちろりちゃんと一緒に説明を受けて特殊設定も示されるので、自然と理解できました。
さくさくと進みながらも、ちろりちゃんの心情はしっかり書きこまれ、伝わってきます。
話の内容は問題なく通じるのですが、寮の個室や校舎のようすなどの説明が無いなと感じました。背景画像が見えないノベルゲームのようで、場面のイメージはしづらかったです。
2 続きが気になったか
強烈な引きというほどではないですが、興味のある事柄がまだ具体的に出てきていないので、続きがあったらクリックすると思います。
ペアの相手がどんなキャラなのか。
他にはどんなペアがいるのか。どんなキャラがいるのか。
どんなことをして競うのか。
この話のアイデアには、これだけの興味要素があり、少なくともこれらが好みに合うかどうかを確認しようと感じさせます。
その内容によって、もっと続きを読むかどうか決まると思います。
3 キャラは魅力的だったか
まだ設定やストーリーの説明が主で、キャラの情報があまり出ていないので、判断は難しいのですが、主人公のちろりちゃんは、ちょっと可愛いところがあります。
赤い髪の男子の行動にやたら驚いていたり、年下の蛙津梅雨くんにビビったり、生き返りたくないとは言いだせない所などに、性格が出ていました。
他のキャラ(蛙津梅雨くん、赤い髪の男子)についても、まだ登場しただけで性格や能力、くわしい容姿などの情報が出ていないので、続きを見ないと判断はできないです。
蛙津梅雨くんは、たぶん、第一印象よりいい奴だろうと予想します。
以上です。感想依頼して頂き、ありがとうございました。
(なにかありましたら、マシュマロにて作品名でご連絡下さい。誠意を持って対処いたします)
第二会場
2-01 シナスタジアの聖女、今日も最前線を征く
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初読時は『シナスタジア』を、最前線の地名だと思い込んでしまいました。共感覚のことだったんですね。
まずは、主人公のアリシアさんに好感度大です。
あらすじではちょっとわかりにくかった日々の活動、実に素晴らしい良いものでした。
顔だけ聖職者たちはいい気味&アリシアさんの株があがります。
アリシアさんの特殊能力も、非常に強力で活躍が期待できます。能力自体にも、人間観察的な、興味深い面白さがあります。
見るだけで相手の内面がわかる超絶便利さと引き換えに、情報過多で脳の疲弊、人の本音へのストレスなど、弱点もあってバランスが取れています。
相手役なのかな?と思える勇者リョウは、まだセリフもないのですが、とても興味深く感じられました。
アリシアさんの能力によって誠実な人格が保証され、ドラゴン相手に圧倒的な力を示し、人としても勇者としても、レベルが高そうです。
勇者が実際にはいったいどんなキャラなのか、もっと詳しく知りたいと感じました。
聖女、異世界召喚勇者、魔王討伐など、定番のわかりやすいネタを使いながら、物語には硬派さや、予断を許さない雰囲気を感じます。
女性主人公で聖女物でも、恋愛要素は甘くなさそうで、予定調和ではない人間関係やドラマの面白さが期待できます。
能力で色々うまく立ち回れそうな一方、友情や恋愛など近くて深い人間関係は得意ではなさそうで、特技と弱点として、話が面白くなりそうです。
第一話だけでも、話の運びは早く、事件は大きく劇的なもので、これが最前線に行ったらどうなるのかと、期待が高まります。
最後に作者様にお書き頂いた『具体的ポイント』についてお答えします。
1 今後の期待する展開は
『アリシアさんが今回の事件で大活躍し、戦いのなかで勇者とも交流する』
やはり勇者には、内面から強くカッコよくあって欲しいです。
もちろん、アリシアさんは勇者一行の聖女になって、魔王討伐の最前線で活躍して欲しいです。
互いを尊重し、信頼する人間関係を築いていく恋愛要素と、時に苦しむハードさもある戦闘やドラマを期待します。
(そういうお話ではなかったらすみません、好みが入ってしまっています)
2 500字ほど削ったのだが、必要十分だったか
普通に読んだときは、なんかここ足りないな、急に飛んでるなと感じる箇所はありませんでした。
話の最初の方で、アリシアさんの年齢がわからなかった(後で勇者と同じ年ごろとわかる)くらいです。
『足りてるかどうか』という穿った視点を持ちながら何度か読むと、強いて言えば……。
このあたりは、アリシアさんの目で、大通りから郊外の広場はどう見えるのか、空間的な位置関係などの説明が少し足りない気もします。
このふたつの間に『アリシアさんも、黒を纏った騎士を追って、郊外の広場に移動した』という要素の記述が足りないかもしれません。
また、勇者が飛んで(跳んで?)ドラゴンを地に墜とすところ全体的に、派手で劇的な見どころの割にはあっさりめに思えましたが、ここはリミテッドアニメ的というか、言葉が少ないことでスピードや間を感じ、青空のはるか高みで行われている感じや、勇者の規格外の強さが表現されてもいるので、あまり変えない形で情報がもう少しあれば、と感じたくらいです。
3 単純に続きが読みたいか
読みたいです。続きがあればクリックします。
アリシアさんはこの戦いでどう活躍するのか。勇者リョウはどのようなキャラなのか。
混じりっけ無しの『誠実の白』、喧騒の中の『凪いだ青』。深読みするといびつなのではと危惧しつつも、アリシアさんにぴったりの良い相手であることを期待します。
以上です。説明が長くなってしまってすみません。
感想依頼して頂き、ありがとうございました。
(何かありましたら、マシュマロにて作品名でご連絡下さい。誠意を持って対処いたします)
第四会場
4-03 愛は不要なので結婚しましょう
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人気のある結婚ネタ+ファンタジーです。
一介の平民、しかも忌まれし者であるヒロインが、大国の王子と結婚するというシンデレラ結婚、売れ線のアイデアです。
本格的なファンタジーの雰囲気がありつつも、親しみやすいわかりやすさがある文体と作風です。
よりライトな異世界恋愛を楽しんでいる読者でも読みやすく、ファンタジー色が強いものを求める読者も楽しめそうです。
出だしから「うわ、これは大変な呪いだ、悲惨だな!」と感じる描写で、王子当人や王様たちに同情できました。
獣のようにわめき、苦痛にもがく姿に迫力があり、くわしく描写されています。
リアクションで、まわりがそろって引いていて、肉親たる王と王妃だけがひるまず抱き締めるさまからも、相当深刻だなとわかります。
『一国の王子が、誰にも解けない大変な呪いにかかって苦しめられている、どうにかしたい!』という、物語の前提に説得力がありました。
主人公のジェラさんが魅力的です。言霊を使いこなすダークエルフ、腕利きの呪解師として名を知られるというファンタジー的な高めスペックで、態度や物言いはクール。モンスター扱いで忌避される存在でも卑屈さなどはなく、淡々としていて、好感度大です。
結婚って言えば諦めるだろうと思ってたのが、予想外の展開でどんどん進んでしまって、ちょっと当惑している様も可愛いかったです。
魔法的な小道具の面白さもいろいろありました。
王妃様の服に防御魔法がかかっていたところ。危険を顧みず抱きしめながらも、しっかり対策してあるのはいいですね。
依頼者に対して選別して開く扉。魔法仕掛けにわくわくすると同時に、平民であるジェラさんが、いちいち使者などを挟まず、権限のある王と王妃と直接的に交渉でき、手早く話が進む良い仕掛けです。
言霊で荷物を準備したり、扉そのものを消してしまったり。ファンタジーなディティールでわくわくすると同時に、うん、これならしばらく留守にしておいても泥棒とか絶対安心だな、と思えます。
王様と王妃様の、息子を救いたい気持ちがよく伝わり、共感できるのですが、大国の王と王妃としての言動も若干欲しいなと思いました。
別に人の親として諦めなくていいし、愛する我が子が苦しんでいる親としてはおかしくないのですが、王様としての判断や考え方、その葛藤も見えるといいかもと思います。
王様としての立場、国の利益もわかった上で、親ムーブ全開でかなぐり捨ててるぜ!ということだと思うので、設定自体の曖昧さに見えると勿体ないです。
最後に、作者様にお書き頂いた注目ポイントの『次話を読みたいと思えたかどうか』についてです。
筆者は、こういった魔法やディティールに凝ったファンタジー物が好きで、クールなジェラさんに魅力を感じ、呪いの謎や呪解について興味を持ったので、続きがあればクリックします。
まだイケメン王子がどんなキャラかもわからないし、平民しかもモンスター同然のダークエルフと王子を結婚させることでどうなるのか、呪いの詳細は、こんな酷え呪いかけたのはどこのどいつだ、その目的は? といった、引き要素がいろいろとあります。
王様と王妃様も「昔のつて」という言葉や、手際のいい連行など、何かありそうです。
以上です。感想依頼して頂き、ありがとうございました。
(何かありましたら、マシュマロにて作品名でご連絡下さい。誠意を持って対処いたします)
4-25 貧乏令嬢の花婿探し ~なぜか、悪役令嬢に溺愛されるなんて聞いてませんけど!?~
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タイトル、あらすじのときから内容もキャラも明快、実際の本文も、タイあらから期待されたものを満たし、ふくらませた内容になっていました。
とてもわかりやすく、読者の予想や期待を裏切らない楽しさで応えた作品だと思います。
乙女ゲーム世界転生、異世界恋愛、悪役令嬢、百合、主人公溺愛など、わかりやすく人気のあるネタが盛り込まれています。
主人公のアーシェさんが、とてもかわいらしくて魅力的です。優しい家族や、人のいい領民らに囲まれて、すくすく育ってきたのだと感じられます。
みんなが大好きだから、幸せにしたいから、頑張って金づるをゲット! という目的にも共感できます。
金目当てで結婚を考えているというと、卑劣な行為や、相手を騙したり嘘をついたり、汚いことでも何でもやりそうなイメージがありますが、アーシェさんは絶対しなさそうで安心です。
口では金づる!と言いながら、目的達成には非効率、効果の薄い、むしろ逆効果、でも人として好感が持てる、可愛い、そんな行動を取りそうです。
気になったのは出だしの『一時間前』です。
田舎者だとバカにされうる領地にある自宅から出発してきたのであれば、あまりに王都に近すぎるように思えます。
もちろん、魔法がある世界なので、王国内に転移ゲートやワープゾーンなどが設置された交通網があれば問題ないのですが。
だからといって、肝心の美味しさとは関係のない移動関連設定を、出だしからやたら説明していたら、今のさくさくテンポや読みやすさを損なうなとは思います。
また、イザベラさんもレオン君も、おそらくはアーシェさん推しの異世界転生者だと思うのですが、一人の人間としてのアーシェさんを、ちゃんと見ていない感じを受けました。
生の推しを前にして舞い上がってしまう気持ちはわかるとはいえ、相手役候補としてはちょっとマイナスです。
最後に作者様にお書き頂いた『注目ポイント』についてお答えします。
1 文章全体の読みやすさ
さくさく読めて、内容も無駄なくスピーディに展開します。
冒頭から、いったん過去に戻り、冒頭につながって現在にいたる流れもわかりやすいです。
ところどころ「?」と意味で引っかかる部分はありましたが、文章自体はとても読みやすいです。
視点・主人公であるアーシェさんの気持ちがよく伝わります。
作風にもマッチしています。
2 お話が楽しいと思ってもらえたか
明るくライトで気軽な感じの作風、語り口にもアーシェさんの素直な可愛らしさと、楽しいユーモアがちりばめられています。重い事件や、嫌味なエピソードの心配はいっさいなく、安心して楽しめそうな感じです。
家族と領民思いの元気で前向きな主人公がとにかく可愛く、楽しいお話だと思います。
3 この後どんな展開になると予想しますか
基本は、学園生活やカリキュラム、行事などを軸として進行。
イザベラさんとレオン君が競って張り合いながら熱烈アプローチ、さまざまな溺愛行動で気を引こうとする。
アーシェさんは、二人に振り回されつつ、ついドキドキして揺れ動く。
アーシェさんが花婿探し目的で他の男子に近づくような行動に出ると、すごい勢いで邪魔される。(目的としてはとても困るが、内心嬉しい?)
剣聖の息子、宰相の息子、学園教師もみんな中身が転生者で、それぞれの推しのための行動に出る。学園生活はますます騒がしく、混乱していく。
といった感じでしょうか。
4 続きを読んでみたいかどうか
筆者自身はこの作品の売りである『主人公溺愛、百合、おそらくは逆ハーレム』の対象読者ではないため、続きを読む動機は薄いです。
はっきり示された目的『アーシェさんはうまく金づる花婿をゲットし、貧乏領地を幸せにできるのか?』これは話を転がすためのもので重要ではないと予想。
両側から腕をつかまれた最後のシーンから『常に二人に振り回されて困る展開』だとイメージ。
実際はどうなのか、次話をクリックして確認します。
結論としては、筆者は対象読者ではないだけです、長々すみません。
以上です。感想依頼して頂き、ありがとうございました。
(なにかありましたら、マシュマロで作品名にてご連絡下さい。誠意を持って対処いたします)
マシュマロはこちらです
祭り開催中は、匿名でお願いします。
『21-1-26 かぐや姫』作者、のように書いて頂ければわかります。
作者様がどなたかわかるような情報は書かないようにお気をつけ下さい。
更新履歴
24/04/30
受付6・7番の感想を記載。
『6番 4-25 貧乏令嬢の花婿探し ~なぜか、悪役令嬢に溺愛されるなんて聞いてませんけど!?~』
『7番 1-17 黄泉坂学園で生き返りを目指して』
受付した7作品の感想依頼をすべて完了。
24/04/26
受付4・5番の感想を記載。
『4番 2-01 シナスタジアの聖女、今日も最前線を征く』
『5番 1-15 Re;TRY!〜どうか、今度こそ殺されませんように!〜』
24/04/24
記事公開 受付1~3番の感想を記載。
『1番 4-03 愛は不要なので結婚しましょう』
『2番 1-12 殉葬妃は蘇る ~今度こそ愛する貴方と生きるために~』『3番 1-02 ドキッ♡ヤクザだらけの異世界転生〜仁義もあるよ〜』