110本目「ヒットマン」【ネタバレなし】
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公開日:2024/9/13
監督:リチャード・リンクレイター(アメリカ)
まえがき
映画の予告編でかかる曲というのは結構、大事である。
知ってる曲ならなおさらで、その映画が大体どんな雰囲気なのかを想像する手掛かりにもなるというものだ。
例えば、この映画の場合は「Don't Let Me Be Misunderstood」が使われていた。Santa Esmeralda版である。テンポが小気味いい、ちょっと西部劇の決闘っぽい一曲である。というか、「Kill Bill Vol.1」のラストの決闘で使われて追った。
テンポからして暗い映画ではなさそうだし、グレン・パウエルがいろんな服装で出てくる予告と「誤解しないでくれ」という歌詞は結構言いたいことが分かるような気がしないだろうか?
まぁ、人にわかるかどうかはとにかく、私がこの映画を観に行くことにしたのはこの曲と、そしてグレン・パウエル主演であるというだけの理由に過ぎない。「ツイスターズ」でのあの鮮烈なアメリカン・イケメンっぷりを見せつけられて、気にならない人がいるだろうか?しかも、今回は「チャーリーズ・エンジェル」ばりに色々なコスプレを見せてくれそうだ。そりゃ、観に行くってもんだろう?
感想など
思ってたよりは結構真面目な映画では、あったかな。
実話をベースに相当盛った映画らしいのだが、「なりたい自分を演じること」と「演じた像に引っ張られること」という二面性のあるテーマを感じる、それでいて結構笑わせにも来る誠実なつくりの映画であった。
我らがグレン・パウエルはおとり捜査官として、捜査対象が「殺し屋っぽい」と思う諸々のコスプレをしていくのだが、どれも結構よく出来てる。
無難なマッチョから、スティーブ・ブシェミがやりそうな几帳面な変態とか、もういろいろ。ちなみに、一番似合ってないコスプレは「主人公本人」の役。あの顔、ガタイ、マッスルで「冴えない大学講師」とは言えないでしょ…。
しっかりしたテーマはあるが、しかし造りとしてはテンポと主演の魅力でガンガン引っ張っていくスタイル。当節の映画には珍しく、がっつりベッドシーンもある。ほんと、久々に観た気がするよ、ベッドシーン。
難しいこと考えても観られる、考えなくても楽しめる、いい塩梅だと思う。
ペーパーお勧め度
★4。
グレン・パウエルの魅力を巧いこと引き出したいい映画だったと思う。
ちょっとご都合主義的展開もあるのだが、まぁコント的に考えたら納得感はある流れ。「冴えない大学講師」設定にツッコミを入れに行こう!
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