107本目「アビゲイル」【ネタバレなし】

※本文は全て無料です。

TOHOシネマズ新宿にて

公開日:2024/9/13
監督:マット・ベティネッリ=オルピン、タイラー・ジレット(アメリカ)

元刑事フランク、巨漢の用心棒ピーター、凄腕ハッカーのサミー、元狙撃兵リックルズ、逃走車ドライバーのディーン、医師ジョーイの互いに面識のない6人の男女。指示役ランバートによって集められた彼らは、富豪の娘であるバレリーナの少女アビゲイルを誘拐する。計画は順調に進み、あとは郊外の屋敷で少女をひと晩監視するだけで多額の報酬が手に入るはずだった。しかしその少女の正体は、恐ろしい吸血鬼だった。少女を監禁するはずが逆に屋敷に閉じ込められてしまった6人は、どうにか生きて脱出するべく悪戦苦闘するが……。

https://eiga.com/movie/101660/

まえがき

最近こんなのばっかりで申し訳ないが、特にはっきりした理由があって観に行った映画というわけでもないのだ、これも。

何というか、「吸血鬼」という要素自体が結構王道のホラーをできなくなってるテーマだと思ってて、予告を観ても「幼女」+「吸血鬼」+「バレリーナ」、それもちょっとモンスターパニックめいた味付けを感じて、まぁ「B級ホラー」枠として期待していたのである。

何故だろう、吸血鬼。いつから、そして何故こんなに「B級の常連」感が出てしまっているんだろうか。やっぱり、「意思疎通ができる」という点で他の怪異より脅威度が低く見えるんだろうか。あと、吸血鬼ホラーの死体は「吸血鬼にやられた」痕跡がはっきり残っちゃうってのも大きいかもしれない。首筋に傷が残ってたり、血がなくなってたり。弱点が明確かつ有名すぎるのも問題か。杭、ニンニク、十字架、聖水、日光、流れる水、招いてもらえないと言えに入れないetc…。これらの条件を外すと「吸血鬼」ものじゃなくなってしまうのも難しいところ。

そんな、何かと不遇な吸血鬼が文字通り牙を剥いたということで、「とりあえず観に行ってみるか」のモチベーションで行ったのが本作である。

弱者を装う「幼女」要素は今どきホラー珍しくもなく、「バレリーナ」が付与する新しい感じの動きに来たいが高まるところ。

感想など

B級ホラーを期待していったらどうなったか?
知らんのか?B級ホラーが観れた。

期待の範囲からほぼはみ出ないB級ホラーであった。
どちらかと言えば、「吸血鬼」ものというより閉所系のパニック映画の方がテイスト近いかな。殺人鬼やデストラップの代わりに吸血バレリーナ幼女が配置されてる感じ。

主人公チームは割ときっぱり、それこそゲーム的にロール分割されている。
射撃に長けた元軍人、作戦立案が得意な元刑事、ハッカーなどなど。
もっとも、死ぬのが早すぎて持ち味を活かせてない奴の方が多い気もするが。

吸血鬼キャラクターの造形はまずまず。
お馴染みの怪力はもちろん、空中浮遊、他人を噛んで増殖、憑依、縄抜けにバレエ仕込みの動きの謎拳法と引き出しが多い。その上実年齢はウン百歳。老獪でいらっしゃる。設定としては。
気になったのは、「何百年も生きてて老獪」なはずなのに、時々少女そのままのメンタリティを見せてくるところ。一貫してるとは言えない。ストーリーの帳尻合わせ感が強く出ていて、そこはちょっと残念。

あと、弱点を突かれた吸血鬼の死にざまは新しかったかも。これまでの吸血鬼映画では「灰になって消える」とかだったけど、この映画ではなんと爆・発・四・散!これでもかというくらいに飛び散る。砕け散る。サヨナラ!


ペーパーお勧め度

★3。
とことんB級ホラーに徹した一作。
光るところもあるが、真面目に観るとやや粗が目立つか。
老獪、ただしメンタルは幼女なウン百歳は無理があるって。

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