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北都プロレス・シングルトーナメント2024について(あと一週間になったので)書く。


北都プロレスの恒例イベント、シングルトーナメントの開催一週間前になりました。

例年は1日で行われていたものが、今年は12月1日恵庭、12月2日琴似と2日に分けての開催となりました。



シングルトーナメントの歴史

シングルトーナメントは2016年7月31日、琴似のコンカリーニョで始まりました。

ワンデイタッグトーナメントみたいな感じで、これといったものはないだろうと高を括って会場の中に入ると、赤いベルトが本部席のテーブルの上に置かれ、シングル王座が設立されるサプライズ。HWC王座誕生の瞬間でありました。

8名参加のワンデイトーナメントで、決勝戦で梅沢菊次郎に勝利した池田昌樹が初代HWC王者となり、その後は優勝者が新王者になるのが慣例です。

なので、今年優勝した選手は第11代王者となるはずです。

シングルトーナメントは2016年から毎年開催されていましたが、新型コロナの影響で2020年と2021年は行われず、2022年から復活。

2022年までは夏の札幌大会での開催でしたが、2023年からは年内最後の札幌大会(今年は恵庭&札幌)での開催となったようです。

歴代優勝者は以下の通りです。

2016年 池田昌樹(初代王者)
2017年 梅沢菊次郎(第2代王者)
2018年 池田昌樹(第4代王者)
2019年 グルクンマスク(第6代王者)
2022年 藤原秀旺(第8代王者)
2023年 仲川翔大(第10代王者)


今年は2日間の開催

今年の特徴は、1回戦を12月1日の恵庭大会、準決勝&決勝を12月2日の琴似(札幌)大会で行うことになり、2日間の開催になったことです。

北都の興行は大体2時間程度なので、トーナメント7試合と女子の試合、計8試合を1大会で行うと、駆け足気味に進むことが多かったです。

そして、最大で1日3試合闘うとなると、短期決戦を狙うのは当然ではありますが、それと同時に1回戦や準決勝で敗れる選手をあまり見られないという欠点もありました。

勝負事なのでどういう展開になるか分かりませんが、2日に分けたことで時間の余裕が出ることは間違いなく、じっくりした試合をする選手、あえて逆手に取り短時間決着を狙うなど、1日制に比べるとやれる幅が広がるはずです。

特に初日の恵庭大会は各選手1試合のみなので、あれこれやる事でしょう。

デメリットは、見る側は倍の値段を払うことですが、北都プロレスは他の団体に比べチケット代が安い(2日間で前売り券なら計5,500円)のでそこまで金銭的な負担にはならないと思います。


トーナメント1回戦


レッカ(2大会連続2度目) 対 鈴木心(初登場)

レッカ、鈴木両選手ともに、2023年ころから北都に参戦する機会が増えたと思いますが、鈴木選手はヒザの負傷による長期欠場で1年ぶりの北都参戦となります。

鈴木選手が欠場中の間、レッカ選手は北都のレギュラーとなり、どの会場でも盛り上げ欠かせない存在になったと思います。

レッカ選手は昨年8月の神田愛実10周年記念大会で、カツオ選手相手にHWC王座に挑戦します。

いつもは明るく楽しませるプロレスをしているレッカ選手が激しい試合をし、カツオ選手をあと一歩のところまで追い詰め、今後の活躍に期待を持たせる内容でした。

その後、2023年11月に行われたワンデイシングルトーナメントに初参戦するも、仲川選手にジャックナイフ固めで丸め込まれ1回戦敗退となりました。

対する鈴木選手はトーナメント初参戦。鈴木選手にとっては結果もそうですが、「鈴木心の試合をまた観たい!」と思わせることが大事かなと思います。

どこか沖縄の匂いを感じるこのカード。ルチャっぽい試合になるかもしれませんが、激しい試合になる事を期待したいです。


・木藤裕次(2大会ぶり2度目) 対 神崎ユウキ(初登場)

当初は藤原秀旺対神崎ユウキだったのだが、TTTの大会で藤原秀旺が負傷し欠場。藤原秀旺は2019年の時も骨折して欠場したので、5年ぶり2度目の参戦辞退となります。

藤原秀旺の代役はLOW-GUY(ロウガイ)のパートナーである木藤選手になりました。

木藤選手は今回のメンバーの中で北都の参戦歴が一番長く、キャリアも長いので神崎選手にとっては厳しい闘いになると予想されます。

木藤選手は派手さはないものの巧い選手で、2022年の小樽大会では藤原秀旺の持つHWC王座に挑戦。

木藤選手は藤原秀旺のお株を奪いノラリクラリとしつつ首攻めを行い手玉に取り、実力者ぶりをいかんなく発揮しました。

2022年のワンデイシングルトーナメントに参戦した時は仲川選手相手にジャックナイフ固めで丸め込まれ一回戦敗退。

木藤選手は呆気なく負ける可能性もありつつ、波に乗ると優勝する可能性もある中々読めない選手だと思います。

対する神崎選手は、今年の9月に北都プロレス初参戦。北海道出身でPOD時代は「神崎ライガー」という名前で活動するくらいのライガー選手のファンです。

2016年6月23日のアジアンプロレス・ことにパトス大会でアステカ選手相手にデビュー(当時は神崎佑樹)。ちなみにアジアンプロレスのチラシでは「神崎佑介」になっていました(苦笑)。

その後はFTO所属になり、W-1札幌大会などで試合をするなどしていた印象。紆余曲折があり今はTTT所属となっています。

キャリアだけを考えれば木藤選手が有利で、どういった試合展開を見せ、神崎選手がどう対応するかという展開になるんだろうって予想します。

まあ、策士策に溺れるという言葉もあるから、木藤選手のスキが出来たところを一気に攻めるなど手はあり、圧倒的不利というわけではないと思います。


・神田愛実(初登場) 対 磐城利樹(3大会連続3度目)

今回のトーナメントで一番のサプライズとなった神田愛実参戦。

女子選手としては初の参戦ではありますが、自身のプロデュース大会「i am(アイアム)」で男子選手相手に髪を振り乱しながらエルボーを打ちまくる姿を見ていたら、エントリーするのは必然の流れだと思います。

とはいえ、体格的には圧倒的不利なのは変わらず。

神田本人はあくまでも優勝を目指しており、健闘して「神田、よくやった!」という展開を望んでいないので、どんな手段を使って勝ちを狙うかが優勝へのカギとなるでしょう。

対する磐城選手は3年連続3度目の参戦。2022年はカツオ選手相手に秒殺されましたが、2023年は1回戦で藤原秀旺に攻め込まれながらもサムソンクラッチで丸め込み勝利、カツオ選手に敗れるも準決勝進出を果たしました。

今年は天敵?のカツオ選手は参戦しておらず絶好のチャンスですが、一回戦の相手が神田愛実となり、カツオ選手以上に厄介な相手かもしれません。

女子選手相手に勝って当然の流れかもしれませんが、神田選手が何を企んでいるか読めないこと、圧勝しても大人げないとみられる可能性を考えると磐城選手からしたらリスクの割に旨味がないなと思います。

神田選手は極論、どんな手段を使おうが勝てばいいのですが、磐城選手はセンスを問われる形になるはずです。彼の器が問われる試合ともいえるでしょう。

とはいえ、トーナメントはあくまでも勝つことが第一ですが…


・仲川翔大(4大会連続5度目) 対 シドニー昌太スティーブンス(2大会連続2度目)

第10代HWC王者の仲川選手。2023年のワンデイシングルトーナメントで優勝し、2024年8月の北都プロレス20周年記念大会で梅沢菊次郎相手に防衛。その後も安定した活躍を見せています。

今回は難敵ともいえる藤原秀旺、カツオ、北海熊五郎が参戦していないこともあり、本命視しても間違いはないでしょう。シングルトーナメント初の二連覇達成も充分あり得ます。

シングルトーナメント5度目の参加は、カツオ選手に並び最多出場タイとなり、ベルトの有無に関わらず、北都の中心人物として活躍している証ともいえます。

一方、シドニー選手からするとデビュー戦の相手で、自身の三大師匠の一人(仲川翔大、神田愛実、ALLマイティ井上)に勝つことで恩返しをしたいところです。

今年から拠点を岩国に戻し、北都プロレスへの参戦頻度は減りましたが、見ていない間にどこまで成長したかがポイントになるでしょう。

シドニー選手のキャリアを考えると、まだ2年強なのでそこまで焦ることはないのですが、30歳手前ということを考えると結果や爪跡を残したいとは思います。

シドニー選手の課題は攻めに迫力がないことなので、それがどこまで修正されているかだと思います。セコンドに「遠慮するな!」「ガンガン行け!」と言われずに試合をしてほしいところです。

背はそこまで高くはないですが、体重はあるので体を活かした攻めを見せれば番狂わせはあるかもしれません。

今年の8月には松本千穂がデビューし、ファンも末っ子を見るような優しい感覚で見ず、シビアに見られると思うので、結果と共に内容を求められるようになると思います。


最後に

あれこれ書きましたが、とにかく会場に足を運んで見てみよう!ということです。

初日の会場、夢創館は照明が明るく、ノリやすい会場です。JR島松駅そばにあります。

なぜか藤原秀旺がハッスルする会場で、2022年10月の同所で行われた大会ではダークネスベアー(現・龍寿)とのタッグ「シューティーベア」で好勝負を繰り広げ、テンションの上がった藤原秀旺は試合後、「俺達がシューティーベアだ!」と絶叫。

翌年の同所での大会では、欠場した仲川選手の代打で、秀秀秀46が登場。レッカ選手に敗れるも、謎の「秀秀秀」コールで盛り上がり、関東の一部にも飛び火しました。

メインでは木藤裕次とのタッグ「LOW-GUY(ロウガイ)」で、「大人のプロレスを見せる!」と豪語するも、カツオ&北海熊五郎相手に真っ向勝負を繰り広げ、試合後には「LOW-GUY」コールが起こりました。


2日目のコンカリーニョは北都プロレスの聖地と言っても過言ではないでしょう。ちなみにJR琴似駅直結です。

テイセンホールが閉鎖してからコンカリーニョを使用する団体は多かったですが、現在この会場を使えるプロレス団体は北都プロレスのみだそうです。

北都プロレスと言えば、どこかほのぼのとして温かい気持ちになれるイメージだと思いますが、いつもよりもシリアスでちょっと違った北都プロレスが見られる2日間になると思います。

とにかく、百聞は一見に如かずです。興味のある方は足を運んで見てはどうでしょうか。