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眼鏡が視力を補うようにシミュレーションは知力を補ってくれる

 VBAを使って、数十種類のソフトウエアを職場で開発してきたが、長く使われているものはシミュレーションソフトだ。最初に作った時間割編成ソフトは自分では意識していなかったがやはりシミュレーションだ。あるコマを動かすと全体にどんな変化が起きるか瞬時に確認できる。人間の力ではとてもできない。コマを移動するだけで精根尽きてしまう。パソコンがあればこそ多くのパターンを確認でき、より質の高い時間割を組むことができる。

 学校業務の中で時間割が常時変化することはあまり認識されてないが、どこの学校にも時間割変更係がいる。授業時間数の調整や、先生の休暇、出張等のため4月にできあがった時間割はその後も変化し続けるのだ。シミュレーションは一年中繰り返される。だから時間割編成ソフトはなくてはならないものになる。

 授業計画作成支援ソフトも同じようにシミュレーションソフトだ。一年先までの授業配分がどうなるか検討することができる。日本の学校は「授業時間数の確保」に異常に執着しているから、毎年同じ計画で何とかなる。前年のコピペでもあまり困ることがない。だから、日本の先生には必要性がよくわからないかもしれない。
 しかし、今年はコロナウィルスのために授業時間が激減し、さすがに文部科学省も「授業時数確保」はあきらめたようだ。学力低下が懸念されているが、私は経験的に(6月から通常授業にもどれば)見た目ほど大幅な減少ではないと感じる。シミュレーションを繰り返すことで、重点部分、省略する部分が見えてくる。質の高い授業を構成するために、より多くの学校、多く先生に活用してほしい。