
不愉快なトンレサップ湖と落ち込んだキリングフィールド
2025年1月10日、不愉快なトンレサップ湖
私にとっては2度目のシェムリアップ訪問ですが、妻は初めてなので定番のコースをまわることにしました。アンコール遺跡は日本語ガイドを頼みましたが、トンレサップ湖は見るだけなので、英語が通じるドライバーと車を選びました。シェムリアップから1時間弱で到着し、1人25ドルを払ってボートで水上のお土産店に行き帰ってくるだけのどうってことない旅になります。大きな湖で対岸が見えないから海みたいだねーっていうのと、お土産店の生け簀にいたクロコダイルがトンレサップ湖に生息しているのが怖いねーくらいの感想しかありません。「一人25ドルって高くね?」というのが正直な感想です。
トンレサップ湖のガメツイ人々
船に乗ろうとすると中学生くらいの女の子が立派な一眼レフカメラで、私たちを盗撮し、その写真が印刷された皿を、小さな子どもたちが売りにきて、買ってくれとつきまといます。「お金がなくて学校へ行けない」「6ドル」だと言います。きっと値切ると1ドルまで下がるでしょう。でも買いませんでした。クルーズ船には「ドライバーにチップをあげてください」という張り紙があったので下船時に1ドル渡したら、無表情で持っていかれて不愉快でした。実は8年前にもほぼ同じ経験をしていて「悪い意味で」何も変わっていませんでした。二度と行くもんか。
罪悪感で落ち込んだキリングフィールド
帰り道、ドライバーは私たちが不満そうなのを感じ取ったようで、「クメール・ルージュに興味があるか?」と聞いてきました。一瞬何のことかわかりませんでしたが「キリング・フィールド」だと言い直してくれました。ポルポト派によって多くの人々が虐殺された場所、処刑場です。私は不勉強で、キリング・フィールドはプノンペンにあるものだと思っていましたが、全国に380か所もあるそうです。
帰り道にその一つに寄ってくれました。処刑した人々を投げ込んだ井戸や、その井戸から掘り起こされた遺体の頭骨がギッシリと詰め込まれたガラス張りの小さな建物に言葉を失いました。
遠くない昔、処刑されるためにここに立っていた人や、何十人、何百人という人々を処刑し、井戸に投げ込んだ人間がいたことに身震いがしました。
こんなに恐ろしい出来事の跡が街中の人目に触れやすい場所にあることも衝撃的でした。シェムリアップには遺体が埋められた場所がたくさんあり、それらは遺族が供養に訪れる場所になっているといいます。「教師だと聞いたのできっと興味を持つと思った」とドライバーは言っていましたが、衝撃が大きすぎて、観光で訪れたことに罪悪感をおぼえ、かなり落ち込みました。