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【2025年1月】先月聴いた中でお気に入りのアルバム
こんにちは。やっていきましょう。今年も通常営業で。目次あった方が読みやすいですかね?試しにつけてみます。
揺らぎ『In Your Languages』(2025)
今までの持ち味を生かしつつさらに音楽性の幅広さを見せつけた力作でした。前作『Here I Stand』も今までからすると相当な意欲作だと思っていたのですが、今作はそれをされに上回る大胆さと精細さを兼ね備えた作品になったのではないかなと思います。8分にわたるる幽玄なアンビエントからはじまり、続く楽曲は徐々にリズムとビートが入っていきます。そこでも多彩なサウンドアプローチを試みつつしっかりとまとめ上げ、最終またアンビエント色の強い楽曲でアルバムはフェードアウトするという、とても強度の高い構成になっていました。優しく響くアコギの音色としっかりとリズムを刻む太いベースの音のコントラストが個人的にかなりお気に入りです。よりアート志向の作品作りで各楽曲の個性とアルバム全体の一体感、双方が見事に輝いている一枚です。いったいこのバンドはどこまで拡張し続けるのでしょうか…
taffy『lull』(2025)
広漠としたサウンドスケープが印象的なアルバムでした。ギターにはしかりとした歪みとリバーブがかけられていながらもドラムとベースがしっかりとしたリズム感を押し出しているので、スペーシーで浮遊感がありながらもと耳に残る聴きごたえのある音楽になっていました。特にベースがリードギターの役割を担うように滑らかに動くのがお気に入りです。切なげで哀愁漂うメロディーをバンドアンサンブルがよりエモーショナルに盛り上げていて、そうした壮大な音像の中でも歌声が中心にしっかりと据えられていました。打ち出されるイメージはファンタジーらしさもあり、どのジャンルでも一括りにできない特殊な音楽性でした。
Acid Black Cherry『Recreation 1』(2025)
大胆なアレンジが光る名カバーアルバムです。どの楽曲もオリジナルのテイストからかけ離れたものばかりですがどれも新しい魅力を引き出していて、原曲とは違う雰囲気をまといながらも華のある仕上がりになっていました。またyasuの歌声が特に素晴らしく、どのテイストの楽曲でもなじみまた寄り添うような歌声でした。今までJanne Da Arcなども聴いてきたはずなのですが、本作品でこの強く耽美な歌声がグサッと刺さりました。また堂々とした歌唱っぷりがさながら自分の歌のような違和感のなさを可能にしており、往年の名曲にフレッシュな味わいを付加させていました。今一度この歌声に注目して今まで聴いてきたものも見返していきたいです。
星街すいせい『新星目録』(2025)
前作からさらに表現の幅が広がったように感じました。特にロック色の強い前作とは打って変わってダンサンブルでビートを強く感じるような楽曲が多い構成でした。各楽曲の物語性が独立されており、「それぞれの革命」というテーマにあるようにアルバムとしての統一感よりもそれぞれの個性が存分に生かされた内容になっているかと思います。またTHE FIRST TAKEへの出演や武道館公演など、彼女の活動が現実世界に侵食しているかのような実在性が、今回楽曲にも色濃く反映されていたと感じました。今までとは違うリアルさが強烈に漂っています。バーチャルという架空のような存在が一アーティストとしての存在を確立していて、メインストリーム文化との境界線が曖昧になってきた時代。今まで何となく隔たれてきたカルチャーの橋渡しにもなりえる力強さがこのアルバムから感じました。そういったトピックにおいて、これからこのアルバムはより重要な一枚になっていくのではないかなと思います。
綿菓子かんろ『リサージュの風景』(2024)
早速出ました、去年聴いていたら絶対フェイバリットに入っていたであろうアルバムです。アルバム全曲がほぼ途切れなく繋がっており、使用されている楽器もごくわずかでありながらもとても広がりを感じる、コンセプチュアルな作品でした。歌声も特徴的で始め聴いた時はボーカロイドだと思ってしまったほどピッチが整った伸びのある声がとても魅力的でした。この絶妙な歌声がハーモニーを重ねることでいよいよ機械と人間の中間のような独特な美しさが出てきていていました。それでも割と加工のされていない独唱のパートだとちゃんと人間だと感じるので混乱します。可愛さと儚さが共存するシンセのメロディーとの相性が抜群で、極上のドリーミーさが体験できる一枚です。公式YouTubeチャンネルにアップされていたビジュアライザービデオもおすすめです。
Tomotsugu Nakamura『For a Fleeting Moment』(2025)
去年発表された『Moon Under Current』はチェックしていたのですがこちらの作品は漏れていました。泡のようにプカプカと浮かんでくるようなサウンドが特徴的で音数もよりミニマルなものになっていました。しかし一音一音の深みがしっかりとあり音一粒の存在感が大きく感じられました。とても広い空間を少ない音数で贅沢に表現していて、ゆとりのある落ち着いた雰囲気にさせてくれます。時折登場するピアノやアコースティックギターのサウンドも滑らかな肌触りで、同じ空間に溶け込むような優しい演奏でした。余裕のある音楽なので聴いている時間も贅沢に感じられます。スピーカーを通して今いる環境に溶け込ませるのもいいですが、イヤホンで聴いて細かな音一つひとつの振動を感じ取る聴き方も楽しいなと感じました。このアルバムも去年聴いていたらフェイバリットアンビエントに入っていたでしょう。
空間現代『Palm』(2019)
(なぜかSpotifyにありませんでした)奇妙なグルーヴが永遠と鳴り続けるオルタナロックアルバムです。ギター、ベース、ドラムの3ピース構成なのですが、それぞれのパートが少しずつずれていて、また同じ演奏をループさせているようでこれも少しづつ変化していくのでどこかもどかしさや歯がゆさがずっとある異様な作品です。大きな展開があるわけでもなく淡々とこのゆがんだうねりのようなものが機械的にずっと続いていきます。しかしフィールドレコーディングやアンビエント作品によくあるループしているようで常に変化し続ける気持ちよさや、またそのディテールを楽しむといったことと似ているなと思いました。となると人力でそれを再現しようとすると多大な集中量と繊細さを兼ね備えていないと難しいのではないかなとも感じました。意図的にこのうねりを生み出す演奏力、パート同士のコンビネーションの妙が織りなす唯一無二のサウンド体験でした。
以上。先月聴いたアルバム一覧のリストです↓
他にも気になったアルバム何作か名前をあげておきます
雪国『Lemuria』(2025)
水中スピカ『Lux』(2025)
ヒトリエ『Friend Chord』(2025)
文坂なの『Lost & Found Vol.1』(2025)
indigo la End『MOLTING AND DANCING』(2025)
えんぷてい『TIME』(2024)
ハナカミリユウ『特定少年A』(2024)
ざっとこんなところでしょうか。前回の投稿でも少し触れましたが今年はスローペースでアルバムを聴いていこうかなと考えていて、実際去年の1月と比べるとちょうど40枚減っていました。それはまぁ色々な理由があるので省略しますが、それでも個人的には満足できる聴き方ができているのではないかなと思います。今回の記事にも起こったことですが、サブスクのプラットフォームごとに配信される・されないの違いって何なんでしょうね。普段はYoutube Musicでアルバムは聴いているので、他の媒体で配信されてると見落としちゃうみたいなことがままあります。そこまで大問題ではないのですが、全部統一してするしないをしてくれたら便利ですよねー。そんな感じです。