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介護力を急性期から意識して欲しい理由を、私の経験からお話します

前回の記事では『介護力』について書きました。ご覧いただけましたでしょうか。

読んでくださった方々、ありがとうございます。


介護力の把握が何となく大事、というのは伝わったと思います。

それでも、急性期のセラピストとかはひょっとすると「時間が限られている中でそんな介護力まで見ていられるか」と思っている方もいらっしゃるかもしれないな、と考えています。

今回は前回の記事の補足みたいな内容になります。


なぜ介護力が大事なのか part2


介護力とは、前回の記事ではこんな風にまとめています。

●家族構成。友人関係。
●家族の希望、意思(親族や友人についても同様)
●患者本人との関係性(ざっくりと表現するなら疎遠なのか、親身なのか)
●家族や親族、友人や知人の仕事内容
●介護に掛けれられる経済的な余裕(本人や周り両方とも)
●済んでいる家は賃貸か持ち家か(福祉用具の導入、自宅改修の関係)
●家は古いのか新しいのか
●ケアマネージャーとの関係性(これも親身か距離を置きたそうな人かどうか)

本当はもっとあります。細かいところを挙げだすとキリがありません。

で、これを急性期でのセラピスト介入から意識した方がいい、というのが前回の記事での私の主張でした。

それに賛成の方もいれば、きっと反対だったり懐疑的に見られる方もいるかもしれません。


私も2年目から4年目まで急性期で仕事をしていました。今とその当時では急性期を取り巻く環境が全然違うのは承知しています。

当時は入院期間が1カ月くらいは可能でした。徐々に短くなる傾向が出始めていた時期でしたが。一方で今は大体2週間くらいの入院期間になっていることがほとんどです。これはDPCによるものが原因だと思われます。

※参考資料(PDFです)


リハも含めて期間の余裕がないんです。短期間の方が患者さんのその後の経過はよい、というデータも沢山出ているようですが、一方現場からは期間が短い上にセラピストの数も少ない中で、効率的な介入ができない、という声も聞かれます。

急性期から転院されてきた患者さんからも、介入時間があまりしっかり取ってもらっていなかった、という話はよく聞きます。マンパワーと入院期間の狭間で、急性期のセラピストのジレンマが垣間見えます。


それでもこの介護力を意識してほしい。それはなぜか。

私の経験です。

・バリバリ一人で歩けて階段も昇れるのに、どうしても家族の同意が得られず施設に退院となった患者さん
・人工呼吸器が挿管されていて、寝たきりの状態になっているけど、頑張って自宅で看ます!と言ってくださった家族さんのお陰で退院支援にいたった患者さん


こういう方々を相当数見てきたからです。

いくら機能障害を治して、歩ける、段差の昇り降りが出来る。そんな人でも家族が待つ自宅に帰れないんです。そしてその逆も然り。

急性期の介入スタート時点で、その介護力も把握して、疾患や手術後の予後も含めて、どうすれば自宅に帰られるのか。自宅に帰るのが厳しいならその原因は何なのか。原因はどうにかすれば取り除けるのか。それは身体状況を改善すれば良いのか、そうでないのか。

施設も考えないといけないのであれば、早期のうちから介護サービスの何が必要なのか。そのための介護度はどれくらい必要なのか。患者さんや家族さんは介護サービスに対してどんな考え、イメージを持っているのかを確認していく。

この辺りの評価がありきで、介入をするべきだと思っています。実際私は急性期にいる頃からこれを意識していました。入院期間が今よりも少し長めに取れるからといって、ダラダラ入院期間を延ばすようなことがないように意識しながら。

これはもちろん、生活期でも回復期でも意識しないといけないことだと思っています。

どのステージだから必要だとか、不要だとかではなくて、どのステージでも常に、どんな患者さん、利用者さんでも頭には常に入れておくと介入がよりスムーズに、目標を明確にできると思います。


終わりに


久しぶりに文章を書くと、なかなか短時間でまとめにくくて、15分以上かかってしまいました。

介護力とか、介護についてはまだまだ考えることがあって、介護分野で働いていない私だからこそ、色々と考えたり、調べたりしています。そんな情報や考えをこれからもシェアできたらと思っています。

今回もここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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