「父親」の役割について考えてみたことはありますか?ー父親のためのロジカル育児④-
最近、男性の育休義務化の話題がネット上を賑わせていますが、これだけ話題にのぼるということは、子どもを持つ男性=父親に対する周囲からの要望と、子どもを持つ男性のマインドが変わってきている証です。
子どもと多くの時間を過ごしたい、家事も育児もこなして父親として幸せな家庭を作っていきたい、家族のために稼がないといけない等の想いが絡まり、そこに「会社」という存在があるが故に問題が複雑になっていきます。
今回は、子どもに対する「父親」の影響という視点を中心に、その役割を考えてみたいと思います。
子どもの発育に関する研究が進んでいる
父親の一番の役割といえば「稼ぐ」ことと考えている方は多いと思います。
しかし近年研究が進んで、社会性や知的能力のような精神的な発達に、父親が大きな影響力を及ぼしていることがわかってきました。
これは、離婚により父親が家庭からいなくなった家庭、逆に、父親が在宅で働く場合や父子家庭の場合など、父親が子供と長い時間を過ごす家庭を調査することがきっかけとなり、父親が子供の発達に与える影響の研究が行われるようになりました。父親が不在の家庭の研究、父子家庭と母子家庭の比較研究、愛着の研究、親と子の気質の類似度研究などから、父親の役割が調べられるようになったのです。
乳児期の父親の役割
「赤ちゃんの頃って、パパの役割といっても、家事をサポートしてあげるくらいしかないよね。だって、おっぱいも出ないし。。。」という男性の声はよく耳にします。
そんな男性に覚えておいて欲しいのは、しゃべれなくても赤ちゃんは父親の言動を感じとることはできるということ。
母親は、乳児に話しかける際には、優しくなだめるように話すけど、父親は言葉を多く用いて、子供の体に触れて、はっきりとした言葉で話しかける傾向があるようです。すると、子供は、母親の顔を見ると、心が落ち着いて脈や呼吸の数が少くなり、父親の顔を見ると、楽しい遊びを期待して脈や呼吸の数が増えてくるので、子供は遊び相手として、父親を好むようになりまする。ただしストレスの大きい場面では、母親を選ぶ傾向になるようです。
このような父親の刺激は重要で、乳児の脳に健康な発達を促し、子供の社会的発達、精神的発達、知的発達に永続的な良い効果を与えるという結果がでています。
乳児期に子供が愛着の関係を樹立する相手は、母親に限りません。子どもに触れ話しかけ、一緒にいてあげることができれば、当然、母親だけでなく父親にも愛着を示します。
少し大きくなって「ママがいい」という子どもが多くなると言われますが、乳児期の接し方ひとつで「ママがいい」だけでなく「パパがいい」と言うようにもなりますよ。
幼児期の父親の役割
幼児期には、子供は自由に動き回れるようになり、行動範囲はぐんと広がっていきます。ただ、その動きにより危険度も高まるため、親としては行動に制限をかけ、「危ない」という状況を教える必要が出てきます。この過程で、幼児は、じぶんの気持ちと制限について理解するようになり、問題解決について学ぶようになっていきます。
幼児期でも、母親は身の回りの世話などを通じて子どもと接することが多いが、父親は体を使う荒っぽい遊びが多くなってくるでしょう。父親は、荒っぽい遊びを通じて、安全であるが冒険的な場を提供しようとします。
我が家でも4歳の男の子とは戦いごっこをしながら、何をしたら相手が痛がるのか、嫌がるのかを経験させています。また、公園の遊具も大人の思惑とは違った使い方をしますよね。それも、他の子に大きく迷惑をかけなければ容認しています。
滑り台を下から登るなんてことは日常です。
父親は、遊びを通じて子供の考え、感情、希望を理解していきながら、子供に何が必要であるかを把握してそれを与えようとします。また、スポーツを通じて、感情のコントロールや同僚との協力関係を子供に教えることも増えてくるでしょう。そして、父親は、子供が社会と良好で強固な関係を樹立できるように、長期にわたって子供を支援し続けるようになります。幼児期から、その事を強く意識して関わりを増やしていくといいでしょう。
父親が幼児に強く関与し多く遊ぶと、子供の言語能力や認識能力は向上するというようなデータがあり、国をあげて父親の育児参加を推進していく国もあるんです。
参考:Wikipedia「父親の役割」より
父親の役割を考えてみる
カナダでは、以前、「Fatherhood: it’s the best job on the planet.(父親、それは地球上で最高の仕事)」というスローガンのもと、父親に特化した育児支援のプロジェクトが展開されていました。
どうも、日本では「父親」の家庭での役割というと、「母親」の交代要員としての役割を担おうとさせる傾向がありますよね。
「家事を頑張ろう!」とか「ママにも休息を与えよう!」とか。もちろん、家族全体のことを考えれば、ママをサポートすることはとても重要です。ただ、これだけでは「父親であること」に価値を見出してない感じがしませんか?
それに比べて、カナダのプロジェクトは「父親」であることにとてもポジティブな意味合いを持たせているような気がします。
「父親、それは地球上で最高の仕事」
それには全く同感で、「父親」ってとても難易度が高く、最高にやりがいもある仕事だと思うんですよね。そして、父親でなければできない役割を担ってこそ、そこに楽しみも見いだせるんじゃないでしょうか?
オレが考える父親の役割(=仕事)とは、
①お金を稼ぎながら、子育ての時間を創り出す
②子どもの発達過程を理解し、それに合ったコミュニケーション・教育を行う
③夫婦パートナーシップを大切にし、未来の家族像をデザインする
④地域にコミットメントし、地理的に身近なつながりを創っていく
⑤「遊び」などを通じて子どもに多くの体験をつませてあげる
などがあげられると思います。
ここにあげた役割は、私見ですが、これだけ広範に及ぶものだと思います。だから難易度が高いんです。けど、それだけ、やりがいもあるというものですよね。まさに、地球上で最高の仕事だと思いませんか?
多くのパパ達と「父親の役割」について話してみたいという方は、ぜひ、パパだけのコミュニティ「オレの育児スタイル」にご参加くださいね。