ハム太郎とミニモニと、ゴジラ
子どもの頃「とっとこハム太郎」を結構観ていた気がする。
物心つく前の記憶だから明確に覚えてることは少ないけど、毎週録画していたしビデオテープも買ってもらった。誕生日プレゼントにシルバニアのような感じの「ハムちゃんずの地下ハウス」を買ってもらい、上に合体して遊べる「ハムハムハウス」を持っていた友達と一緒に遊んだりもした。
おそらく同じ頃に世間でブームとなっていたのが「ミニモニ」だ。当時近所に住んでいた4個上の女の子がハロプロ大好きで、モー娘。やミニモニのことも全てその子から教えてもらっていた。
私もだんだんミニモニが可愛くて素敵だと思うようになって、スーパーで数百円くらいで売っていたであろうミニモニのおもちゃを、おそらく親に買ってもらったのだと思う。プラスチックのインカムやケータイでよく遊んでいたような記憶がある。とにかく当時の私にとって、イケてる象徴はミニモニであった。
そして、ある年ハム太郎とミニモニがコラボする。
「ミニハムず」というキャラクターが誕生し、それが映画化したのだ。ミニハムずの中身はもちろんミニモニ。ミニハムずとして曲もリリースしており、それは劇中でもミニハムずがパフォーマンスしていた。
とにかく可愛すぎて見たくてたまらなかった。そして映画館に連れて行ってもらったのだ。
今もあるのかないのかわからないが、子ども向けの映画を見に行くと入場記念でグッズがもらえる。そのハム太郎の映画を見に行った時ももらえたのが、ハム太郎のキーホルダーだった。
ただ、普通のハム太郎ではなく、ゴジラの着ぐるみをまとったハム太郎、通称「ゴジハムくん」だった。
なんでこんなもの着てるんだ?的な感覚を抱いて私は入場した。
そして真っ暗な劇場のスクリーンに映し出されたのは、
かわいいミニハムずではなく、
おっかない真っ黒なゴジラたちだった。
ゴジラとハム太郎は何度か同時上映されていて、私が行った時はおそらく最初の同時上映だった。
当時ハム太郎を楽しみに映画館に行った私のような子どもたちが、予期せぬゴジラに慄き涙した同時上映だったが、数年前にゴジハムくんが復刻され話題となった。
そのニュースを見た時「あぁあれか、めっちゃ怖かったやつや」と気がついた。
どの順番で上映されたのかはさすがに覚えていないが、とにかく怪獣たちが街を破壊して喧嘩している姿にただただ恐怖しかなかった。怖すぎてストーリーももはや記憶にない。ただ、ラストシーンで、倒したはずのゴジラが上半身を海底に埋まったままの状態で映し出され、死んでいるのかと思ったら心臓の鼓動がドクッドクッと聞こえている。。。という描写のままフェードアウトしてゾッとしたのははっきり覚えている。
この出来事以来、ゴジラがこわい。
シンゴジラが大きな話題となった時があったがもちろん見なかった。私の父親はゴジラが好きなようで、実家にフィギュアが置いてあるのだが正直捨ててほしい。あんなこわい生き物の映画なんか見て何が面白いんだと未だに思っている。街を破壊して、ただの脅威でしかないのに、なぜかっこいいとさえ思うのか理解できない。
あの時の恐怖感が強すぎて理解する気にもなれない。
幸いにも、ミニハムずの記憶とゴジラの記憶は私の頭の中では別個になっているようで、ミニハムずを思い出したところでゴジラへの恐怖心は蘇らない。
ただ最近ミニハムずを思い出す機会があって、あれいつ見に行ったっけと考えたところ、この摩訶不思議な同時上映とリンクしたのだった。
ハム太郎もミニモニもミニハムずも、私の懐かしいかわいい記憶なのになぁ。
なんでゴジラセットだったんだろう。
でももらったゴジハムくんは、かわいかった。笑