7年ジャーニー
7年後に引退する男のnote。43歳を迎えて、タイムリミットはあと7年。前の会社を立ち上げて終えるまでちょうど7年くらいだったので、この先はあともうワンチャンということになる。
皮肉なことに、コロナ禍以降仕事に対するモチベーションはこれまでの中でも高い方で、かつ手応えも感じている。デジタルトランスフォーメーションという名の組織変革、事業変革を支援するのが主な役割となるが、もとより重たいミッションゆえ目が覚めるような前進が連日連夜続くという華々しさがあるわけではない。
その道程は、まさしく「探索」であり、より未知の険しさを表現するならば「探検」ということになる。日々発見があり「組織とは何か」とは考えない日が無い一方、1980年代の日本が強かった時代より累々と企業が築いてきた要塞の如くの「既存の壁」にぶち当たり、ぶち当たり、当たって砕けるまでの様相を呈している。
30年-40年かけて育ててきた「既存」が、1年2年でそう簡単に変わるはずもない。揺るぎない「既存」に向き合う日々であるが、そんな中でも綻びのようなものが得られる時がある。1年前よりは前進しているのだから、10年前と比べたらこれはずいぶん進んだのではないか、と。
そういう組織に綻びを作ろうとする「前線」が存在していて、何人かであるいはまあまあの人数で孤軍奮闘をやっている。それだけでも5-6年前の頃とはやはり違う。なにしろ1人や2人ではない。デジタルトランスフォーメーションという言葉に意味があるのは、組織の中に共通の問いが持てるようになった点だ。「なぜ変えなければならないのか?」ではなく「なぜ今まで通りのことをしているのか?」という問いを。
とはいえあと7年でどこまで辿り着けるか。あるクライアントと話していると、相手もあと10年無い覚悟をしていて、今時点から残りの会社人生をかけても終わりそうにないという実感が前線には存在する。自分自身は見届けられないかもしれないから、後に託すということを今から想定することになる。フタ世代がかりの仕事。フタ世代で済めばよいが、サン世代がかりになるとしたら、組織の寿命の方が足りなくなるだろう。