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組織アジリティの成熟度をどのように置くか

 組織的な変革を伴走支援していると、そもそも組織の熟達をどのようにして知るかが問われることがある。例えば、組織のアジリティ(変化への適応性)を高めていくためには何をどう測って、判断していけば良いのか。

 まず理想的な状態から考える。もっとも変化に適応できる組織とは、一人ひとりの構成員が誰からの指示も前提とせず、状況を観察、把握し、その時々で必要な行動を起こせること、なおかつそうした活動を1人2人で出来ているのではなく、組織に動けている状態と考えられる。いわゆる自己組織化

 ここから逆算して考えてみる。その前段にはどのような状態がありえるだろうか。自己組織的に動けるということは、状況を理解し、そこから必要な行為を考え出せるということ、つまり学習のサイクルを構築できている状態が前提と言えそうだ(学習の仕組み化)。

 行為から学習できるということは、安定して仕事ができている状態が必要になるだろう。守破離で言えば「守」がきちんと出来ている状態。「型」どおりに、安定的に行為を繰り返せること(安定した実行力)。こう捉えると、先程の「学習の仕組み化」は、行為から新たな型を取り出していく、守破離の「破」にあたると考えられる。

 さて、段々と状態は手前、つまり出発地のイマココへと近づいてきた。的を得た行動が取れるためには、置かれている状況、前提となる情報を入手できている必要がある。これは、見える化が出来ているということだ。組織のアジリティを高めていくために、最初の段階として「見える化」が問われるのは経験則的に妥当といえる。こうして逆算して作った段階が論理的に成り立つかどうか、今度は見える化から正方向に捉え直して検証する。

 これは組織の成熟度をあらわすものだから、見える化とは組織的な活動、環境における見える化のことである。その状態に立つためには、さらに手前として、個々人としての段階がありそうだ。組織としてチームとして、見える化に取り組めるということは、個々人において状況の把握とその可視化を行えていること、つまり自己管理(セルフマネジメント)が状態として考えられる。

 ということでまとめると以下のようになる。

一歩目 自己管理
二歩目 見える化
三歩目 安定した実行力
四歩目 学習の仕組み化
五歩目 自己組織化


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