この先には、希望しかない。
この先には希望しかないと思った。
これがこの数年の数々のDX、組織変革の激戦の果てにたどり着いた私の結論。脇目もふらず時間を注ぎ込んだ、この日々。コロナとともにあったことさえ既に懐かしい。思うようになることがあるなんて思うな。折れる心なんて、とっくに捧げている。一体、組織に何が起きているのか。
日本の組織に共通する根深すぎる課題。一体どのようにして、この難題を乗り越えていくというのか。経営、マネージャー、現場が一体となって乗り越える? そんなものは必要条件でしかない。問題の難易度はとっくに無理ゲーの域に達している。
それでいて、いまだなお「これからも変わらぬ日々(From)」しか見えていない人々と、向かわねばならぬ。どのようにすればたどり着けるかも分かない、これから先の「To」に向けて。
8つのFromと、8つのTo。どれも端折ることができないと思った。次に向かうには、8つのFrom-Toが必要なんだ。そう思って、無心に書物を続けていたら、いつの間にか100枚を数えていた。
届けねばならなかった。「これまでの仕事」にいまだ心を砕いている、同朋たちに。あるいは、「これからの仕事」に向けて無力感に苛まされる、仲間たちへ。
大丈夫。この先には、希望しかない。私達の一歩は、その一歩がどれほどささやかだとしても、漸進だったとしても、それは前進に他ならない。その越境が、今すぐにでも次に繋がる。今すぐにでなくとも、半年後には繋がる。半年後にではなくとも、20年後には繋がる。
20年前にまさか自分がこういう本を書くとは思ってもいなかった。でも、この本には20年の間に学び重ねてきた「⼀つ⼀つ」 の上に成り⽴っている。何が、いつ繋がるのかは誰にも分からない。でも、この先のどこかに必ず繋がることだけは分かっている。
だから、この先には希望しかない。あなたにこそ、この本を読んでもらいたい。