戦略と現場活動の一致 (Strategy-Practice-fit)
DX(デジタル・トランスフォーメーション)と言っても、組織によってその中身は様々だ。内製チームの立ち上げ(かつアジャイルな)だったり、新しいサービスの創出だったり。そうした活動に欠ける専門性をこちら側で補完していくわけだが、共通して感じることがある。
それは、戦略と現場活動の不一致だ。あるいは、戦略から現場活動に至るまでの距離が遠い。さらに、現場活動の結果から戦略にフィードバックされるまでの距離を加えると、その「距離」は半年、1年以上の単位にもなる。何が起きているのだろう?
戦略、経営サイドから見えている範囲のイメージがこちら。
Roadmap、つまり「戦略をその実現に向けて時系列にマッピングした見取り図」のことだが、これ自体がまず無いこともあるのでクエスチョンマークがついている。つまり、戦略とその見通しが立っていないということだ。
とはいえプロジェクトを組織しないことには取り組みは進まない、ということでプロジェクトだけ走り始めることになる。見切り発車でも「やってみる」な一歩ではあるが、建て付けが脆弱なままであることが多い。実践からのフィードバックループが弱い、あるいはそのループ自体が無かったりする。結果として、方針や計画は最初に立てたものに終始し、修整が効かない状態になっている。
次に、現場活動、チームから見えている範囲のイメージがこちら。
今度は、戦略が見えていない。Sprintとは1-2週間のタイムボックス(時間の区切り)のこと。アジャイル開発の「スクラム」というフレームワークの言葉である。Dailyは日々のこと。つまり、現場サイドは日々もしくは1-2週間での最適化は進められるが、根本の戦略が何なのかは分かっていない状況。「われわれはなぜここにいるのか?」という問いにはぐんにゃりとした生煮えの回答か、そもそも答えられなかったりする。
というわけで、戦略と現場活動の一致を生み出し続ける構造が必要となる。両者の間を別のタイムボックス「ジャーニー」で繋ぐ。
「ジャーニー」と「プロジェクト」は似ているが概念としては異なる。より機動性(方針の転回と適応)を備えていくのが「ジャーニー」の狙い(詳しくは、こちらにあたってもらいたい)。
タイムボックスを繋ぐだけで、戦略と現場活動が完璧に連なるわけではない。両者の間で循環させる情報の設計や、仕組みが必要となる。このイメージで伝えたかったのは、以下のとおり。
・当事者同士であるが思いの外、戦略と現場活動が遠い場合が多い。経営、マネジャー、現場の距離の遠さがある。
・戦略と現場活動の連なりをつくるためのタイムボックス「ジャーニー」の存在は前提。
・両者で循環させる情報の設計と仕組み化が必要。
・フォーカスする切り口は「ターンアラウンド」
https://note.com/papanda0806/n/n0b18ce055ccc
戦略と現場活動の一致「Strategy-Practice-fit」に向けて働きかけていこう。自然と繋がって、いい感じになるわけではない。