行動差分、結果差分、学習差分から変化を味方につける
組織が探索(取りうる選択肢を増やす)と適応(行動の結果から次の意思決定と行動を行う)の能力を高めていくには何が必要なのか。つまり、変化を起こし、その変化に適応していくためにはどのような組織行動が必要なのか。端的に言うと、差分を捉えていくことではないかと考えている。
「差分を捉える」ということは、状況の理解から学びを掘り起こすということだ。意図的に学びに転じようとしなければ、差分は単なる変化量でしかない。そこで、どのように差分を捉えるかが問われることになる。3つの切り口がある。
一つは、行動差分。「何をやろうとしていて、何が出来て何が出来なかったのか」を把握する。差分を取るためには「何をやろうとしていたのか」ここから問わねばならない。単に出来たこと、出来なかったことだけに焦点を当てても、変化量は取れない。
こうした問いはともすると進捗の管理に繋がる。進捗管理に苦い思いがあると、こうした問いを回避しがちになる。しかし、出発点を問わねば自分たちに存在した「意志」を無視してしまうことに他ならない。それでは、行動に関して得られる学びは薄いままだ。自分たちが思い描いたように動けるようになる、まずここを目指さなければ難易度の高い仕事など出来るはずもない。
二つ目は、結果差分。「どこからはじめて、どこへ辿り着いたのか」を問う。どこから始めるのかという「From」、そしてどこへたどり着いたのかという「To」。From-Toで結果を見なければ、本当のところ変化を測ることはできない。
得てして、Toのみを見るのに関心が奪われがちになる。何が生み出せたのか、どんな数字が叩き出せたか。結果の絶対値だけに着目すると、やはり変化量が見えない。それでは結果というスナップショットの評価でしかなく、From-Toの移動を生み出すことで得られた学びを捉えることができない。学びは暗黙知止まりとなり、組織知まで昇華されない。
三つ目は、学習差分。「何からどのような知識を得て、それは次にどこへと適用できるのか」を問う。学習差分は、一つ目と二つ目の差分を元に、さらに問い直す。どのような行動や結果から、何が得られたのかを言語化し、その知識の本質は何かを捉える。そして、新たな適用先を決めて、実験を行う。行動差分、結果差分に対して、学習差分は仮説であり、将来に対する差分となる。
具体的にはどのような行為で差分を取り出すか。一つ目は「ふりかえり」、二つ目は「むきなおり」、最後は「ものわかり」にあたる。
https://note.com/papanda0806/n/n06bfc04f9e9c
どのくらいの頻度でそれぞれ行うべきだろうか。例えば、2週間に1回ふりかえりを行うとする。ものわかりは2ふりかえりに1回行う頻度が良いだろう(1ヶ月に1回となる)。むきなおりは、4ふりかえりに1回程度(例で行くと、2ヶ月に1回となる)。
ふりかえり、むきなおり、ものわかりによって変化を味方につけたい。