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正しいものを正しくつくる

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書籍「正しいものを正しくつくる」に関するマガジン。 https://beyondagile.info/ https://www.amazon.co.jp/gp/product/4…
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2024年9月の記事一覧

プロダクトづくりでマネジメントするのは、「ステージ」か、「ステート」か

 「ステージ」という言葉を比較的よく耳にする。「XXXステージを定義し、ステージの終わりにゲートを設けて、内容を審査する。ステージゲートでクオリティを担保しよう」みたいな話。  いにしえのソフトウェア開発でよくあった状況であるし、近年は事業開発の文脈でも、ステージゲート法が用いられることが多い。先に述べておくと、何も見ていないより、ステージゲートがあったほうが余程良い。ただし、"ステージ" という言葉に込められている暗黙的な傾向には注意したほうがよい。ステージは、「計画指向

正しくやれているのに、残念な仕事

 何かにつけやるべきことを増やしてしまって、徐々に身動きが取れなくなってしまう。本来目指すべき目的の達成以上に、「これまでの仕事の考え方、判断軸とあっているかどうか」を優先してしまう。絶望的に時間が掛かり始めて、当初の想定よりも圧倒的に目処感がつかなくなっていく。要は、仕事を増やすことになるので、疲弊もする。やがてどこからと言わず、怨嗟の声があがりはじめる…。  このパターンは多くのことにあてはまる。例えば、新しいプロダクトや事業の開発、あるいはアジャイル開発をはじめて取り

「PdMO」と「アジャイルなプロダクトづくり」

 最近、熱をあげているプロダクトマネジメントオフィス(PdMO)についての勉強会を開いた。考え自体は、もう数年前からパブリッシュしているものだが、ここにきて「PdMOに向き合わない日はない」という状況になっている。価値創出と組織変革の2つの文脈が交わるという点で、かつ現代組織が抱える負債をいなしつつもプラクティカルに取り組めるという点で、私と周辺にとっては欠かせないものになってきている。  例によって、ここ数年の取り組みから一定の蓄積が得られてきたので、言語化しはじめている

「アジャイルなプロダクトづくり」 を現場、組織に。

 9月4日に「アジャイルなプロダクトづくり」を上梓した。この本を作るにあたってのインセプションデッキがこちら。どのような本をおおよそどう作ったかを書き著してみた。  さっそく、ご感想もいただき、大変感謝の限りです。  皆様、ありがとうございます。  デッキにも書いている通り、この本には「ストーリー」がある。まとまったストーリーを書くのは2020年の「チーム・ジャーニー」以来で、気がつけば4年ぶりであった。  「正しいものを正しくつくる」を「カイゼン・ジャーニー」のよう