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正しいものを正しくつくる

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書籍「正しいものを正しくつくる」に関するマガジン。 https://beyondagile.info/ https://www.amazon.co.jp/gp/product/4…
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2022年12月の記事一覧

2022年で終える一つのジャーニー。そして、新たに始める2023年。

 一年を終えるごとに、毎回思うのは「この一年がこれまでの人生で一番働いた」ということ。2022年こそ、最もあてはまる年になったと思う。  まず、2冊本を書いた。 デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー 組織を芯からアジャイルにする  どちらも、この数年を表現する2冊になっている。  2020年コロナ禍がはじまると同時に、新たな自身の活動として、デジタルトランスフォーメーションに振り切ってきた。この文脈に振り切ったことではじめて見えてきたことが沢山ある。  思っ

人のすばらしさは、状況は変えられるという「越境」を信じられるところに、きっとある。

 一年を振り返って、白黒の星取表を作ったとする。そうして、どれだけ自分自身やクライアント組織が思うようにできたか、成果をあげることができたかを想像してみる。  2022年は果たしてどうだったか。印象としては一進一退。おそらく、白星、黒星は拮抗しているに違いない。組織変革の遠さを途方もなく感じるときは数知れず。一方で、思いがけない突破や前進を得られたときもまた、存在する。  とはいえ、あまり分は良くないだろうと想像する。一日一日目一杯の労力を注ぎ込み、その結果としてどうか?

それでも、デイリースクラムをやらない理由とは?

 引き続き「アジャイルをやることは目的ではない」から、アジャイルが言っていることをそのまま取り入れていくなんてことやらないように、という論調は存在する。アジャイルが手段なのか目的なのかはこちらで書いたので読んで頂くとして。今日は、型とどう向き合うのかという話。  スクラムの型といえばスクラムガイドがそれにあたる。このスクラムガイドで書いている内容を何らかの理由でそのまま取り入れられないと判断したとする。その理由は「やむを得ず」という場合もあるし、意図的に「やらない」という判

「両利きの変革」が不要な事業など存在しない。走り始めた組織で考えるべきこと

 「両利きの変革」という言葉を、書籍「組織を芯からアジャイルにする」で提示した。組織がその外部に向かって提案する価値を変えていくこと、またそれを持続可能、再現可能とするために組織内部のあり方も変えていくこと。どちらか一方ではなく、両者が相互に伴う必要がある。それがほぼ同時に求められる世界にあると言える。  デジタルトランスフォーメーションという文脈では、どちらかに偏りが生まれやすい。社内のプリミティブな業務のデジタル化ということから始めると、「右側の変革」が中心になる。一方

正しいときに正しいことをする

 物事が噛み合って、状況の突破口を生み出すには「その時があっているのかどうか」がかなめと思うようになった。ただやみくもに知識を集めていても、ただひたすらに行動を重ねるだけでも、突破しない壁がある。  自分は正しいことをしているはずなのに。自ら行動を起こせる人ほど、一度は通る道のはずだ。正しさが正解ではないという状況に直面したとき、どうあると良いのか。段階で考えていこう。 (1) 正しく考える (Haveの段階)  最初の段階は、まず立ち止まって考えること。置かれている状

経験からの概念化とは、仕事の結果に由来する「収穫」のこと

 いつだったか、クライアントとのミーティングか何かで、こんな問いかけをもらった。「何を楽しみとしているのか?」  日々にどんな楽しみを見出しているのか。こういう問いかけが出てきた状況が一体どんなだったのか、思い出したいところだが思い出せない。この数年は、ライフイズ仕事、仕事イズライフの日々のため、この手の問いを頂いても「仕事」としか答えようがない。なんとありきたりな回答だろう。  ただし、「単なるワーカーホリックでした」という以上にポジティブな理由がきちんと存在している。何