記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

[ネタバレしかない] 未解決事件は終わらせないといけないから レビュー

さすがのSOMI作品だった

名作と聞いていたので購入済みではあったが、せっかくなら腰を据えて遊びたいな…と、遊ぶのを先延ばしにしたままだったこのタイトル、今日なんとなく起動してみた。そしたら2時間半ぶっ続けでプレイしてクリアしてしまった。
SOMIさんのゲームはどれもやべえが、今作もとんでもなかったな…

まずローカライズが秀逸


会話も自然だし、ミスリードはミスリードのまま翻訳していて、翻訳のせいでわかりにくいというところは多分なかった。「その…」とか「ああ…」とかのフィラーを混ぜると自然さが上がるなぁ。参考になる。
日本語だと特に、語尾や性差で誰が喋っているか分かってしまうという、このゲームでは欠点になってしまう性質があるのに、そこもきちんと翻訳していて、自分も最後までまんまと勘違いしている供述も幾つもあった。逆に、子どもの喋り方などのちゃんとわかりやすい記述もあった。おそらく原文でもあえてわかりやすくしているところというのもあるんだろうな。
でも、他の言語全部で同様の翻訳するの大変だっただろうな… ご苦労さまです!

ゲームシステムも秀逸

ゲーム性については全く知らないまま遊び始めたので、まず色んなツイートを読んでいくみたいな形式が斬新で引き込まれる。更に、どう見ても話者が違うのでは?と首を傾げ始めた頃に話者選択機能がオープンされ、更に会話の時系列も並び替えられるように。

そこからはタグと関連する会話を結びつけて情報を増やし、話者を特定していくという作業を続ける度に話の詳細、真実が分かってくるという仕組み。Her Storyみたいな、作業自体は単純だが少しずつ謎が解けてきたり、逆に謎が深まったりする意図的なミスリードの嵐、そのパズルピースの組合わさり方が非常に心地よい。
供述についている一枚絵も、話者の明らかなヒントなときもあれば、話者に見せかけて別の人の話だったりする。秀逸〜。

かなりの情報量を含む文章だからこそ、話者が違ったり、順序が違ったりすると全然意味が変わってくるのがわかる。
改めて全文章を並べ直して完璧な状態にしてから全部読み直すとまた違う体験ができる。一粒で何度も楽しめてしまうのがすごい。
予想していた通り、実況を見ていると、解き方が人によってぜんぜん違った。自分が結構苦労した傘のヒントや、元英語教師のビジュアルがいっちばん最初に出ていたこともわかった。
宮城父が車椅子だから、チュートリアルで出た発言は宮城ではないというのがわかったりするという、意図的に仕込まれたミスリード…

サントラも秀逸!

BGMも全体的に落ち着いたものだが、展開によってビートが増えてくるなど徐々に盛り上がったりサスペンス感が上がったりと、臨場感への貢献が素晴らしい。
ただ、サントラ単体で聞いても微妙かもしれない。とはいえ120円なら合わせて買っといて損はない。


プレイメモ(ネタバレ注意)

自首したと言っている元英語教師の話がなんかとっちらかっている。
妻とは離婚している?けど犀華はいて公園に行っていたり、というか誘拐犯?自分の子供の?別居していた子供を連れ去ったから誘拐犯ということ…?

あの子は既に亡くなっている… 誘拐されてからやっぱり殺されてしまったという胸糞真実があるのか?

犀華の父と、犀華の母で、なぜか父の方だけ犀華(セイカ)となってて、母の方には読み仮名がついてないのに途中で気づいた。まあ、最初は単に一度説明してるから不要だよねという意味かと思っていたが…
どうも同じ子供のことを語っているように思えず、もしかして犀華が二人いる…?と怪しみはじめる。

とうとう違う名字が出てきたときのエウレカ感。

赤いロックのところで、「犀華が死んだ日」、というのと「犀華が無事な証拠」という相反する2つがあって、ネタバレと謎を同時に展開してくるというとても高度な技を披露された。すごい。

「犀華の母」の会話だけがものすごく長くなってしまってスクロールがちょい大変だった。母なのかどうか怪しい会話は別の人のところに持っていったりして短くしたけど、割と無駄な抵抗だった。

「娘がなんであの男の子と一緒に」という供述のゾクッとさせるパワー、すごい。誰の発言であれ、どういうこと!?

迷走していたとき、文房具屋の店長が儲からないから誘拐したのかと思ったけどさすがに全然違った。

一番大変だったのが、犀華の母を疑う3つの理由、だった。
しかも原島公正という謎のキャラクターが犯人だと思ってますか?みたいな、謎が絡まった状態での提供だし。
そもそも、これが表示された段階では母に対しては「なんか変だな」くらいであり、疑うまでは行ってなかったので、むしろ「え、母が事件に関与してたの?初耳!しかも3つ!?しかも既に提示されている!?!?全然わからんが?」と慌てて後回しにしていた。
で、だいぶ進めた後戻ってきたら、他の決定的な証言をそこそこ解除してしまっていたので、もはや疑うもなにも… という状態になってて、他の情報を解放すればするほどノイズになってしまうという… よくわからないまま、怪しめなところをクリックしていたら解除できたという、偶然クリアに近くてちょっと悔しい。
Legal Dungeonでも似たような大変さがあった気がするなぁ。

犀華の母に小学校の就学通知書が届いたというところで涙腺崩壊の危険が危なかったぜ。イラストがずるい。
しかも、失踪届はその母親が出して、そのまま未解決事件になった、と… うーん、それが良いのか悪いのか…とにかく切ない。
オープニングを見直すと、そのまま70歳まで生きていたということか。それまで回復せず…?3、40年はこの状態だったのか。つらいなぁ。

最初にハッシュタグをタッチさせてきて、そうするとブランコで遊んでいる娘の姿が消えるというホラー、そして最後でもまた同じタグをタッチさせて終わるというエモすぎるところがさぁ…

最後全部順番をしっかり直して、最初から読み直してようやく、「未解決事件」の真相を理解できた。最初のエンディングのときは実はよく分かってませんでした!

いいなと思ったら応援しよう!