[ネタバレしかない] 劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師 感想
そういえば忍たまの映画おもしろそうなので見たいんだった、というのを、ガンダムジークアクスのために映画館に行ったあとに思い出したのだった。結局ジークアクスのあとに二本立てで見るという映画デーを楽しんだ。
ただ、忍たまの知識はほとんどない!子供の頃に忍たまのアニメを見たり漫画を読んだりしたくらいで、一番印象に残ってるのは食堂のおばちゃんの「お残しは許しまへんで」。
あとは主人公であるメガネの乱太郎、守銭奴のきり丸、食いしん坊のしんべヱ、今回の映画のキーマンである土井先生、あと顔が濃い山田先生とヘムヘムと鳴く猫?のヘムヘム(あとで調べたら犬だった)、そして敵であるサングラス一味とそのボスである八方斎、くらいか。
生徒はたくさんいるのはなんとなく知ってるが、個別にはほとんど知らない。
という状態で、下調べもせずに見てきた。
結果として、多少は下調べしておいたほうが良かったと思いました!
せっかく忍術学園の面々がみんなかっこいいのに、誰が誰だか全然わからん。
五年生六年生は誰もわからんし、山田先生に息子がいるのももちろん知らなかったし。
敵かと思ったらそうでもないようでやっぱり敵?という茶色忍者服の二人に関しては全く知らなかったため、映画オリジナルなのかと思っていたが、それにしては関係性が構築されすぎている… そしてかなりの重要キャラ扱い。
最初土井先生と決闘を繰り広げたやつがなぜ忍たまたちの先生をやることになるのかもわからず、最後まで結構そのノイズに悩まされてしまった。
あとで調べて分かったが、戦ってたやつは別に敵ではなく単に土井先生をライバル視しているだけで、その上司である雑渡先生が責任を取ったということだったのか。でも、雑渡先生に関してはなんで包帯まみれなのかは映画を見たあとに調べてもわからんかった。
しかし、忍たま乱太郎というより、完全に忍たまきり丸だったな。きり丸と土井先生が主人公で、乱太郎はマジで脇役状態。
また、一人称「ボク」なイメージの乱太郎が「私」だったので、発言のたびにあれー?となってた。
そして映画を見ていたときはなぜか乱太郎たちが四年生だと思い込んでおり、
『大活躍している五年生六年生と違って余りにも役に立たなくないか?六年生は本気の土井先生相手でも怪我は食らっても生き残れるレベルなのに。乱太郎たちは映画の半分くらいは縛られてたし、忍者的な仕事は全くできてなかったぞ…』
と思ってたら普通に一年生だった。二〜四年は土井先生と関係ないことと、戦闘要員ではないから出てこなかっただけだったか。
逆に上級生が強すぎるのかもしれない。そしてドクタケ忍者隊がヘボすぎるのかもしれない。
八方斎一味のダンスが始まったときはどうしようかと思ったが、元の忍たまはこんな殺伐としてるわけないからこっちの方がオリジナルに近いんだろうな。八方斎の顔がマジメすぎたから笑うシーンなのかどうかよくわからんかったけど…
しかし、おそらく土井先生の過去だと思われる、曼珠沙華が咲き乱れる…というかそれは血の暗喩なだけで実際は人々が死んでいく風景が結構な頻度で差し込まれて、エグい。
ドクタケ地域でも痩せこけた住民が描かれるし、戦では普通に一般兵士の死者出まくってるっぽいし、これは良い子供向けアニメ映画だ。
でも忍術学園の食事はとても美味そうだったし、乱太郎たちは恵まれてるんだな。どの忍軍も殿様直下だから金はあるのかもしれない。
それよりなにより土井先生がかっこいい。それに尽きる映画。
序盤の優しいまま強いのも良いが、記憶喪失後に目つきが変わって残忍になる… これは老若男女やられますわぁ。
でもドクタケのあんなお気楽な漫画で洗脳されてしまうのはなかなか天然なのかもしれない。だがそれもまた、良い…
戦闘シーンは土井先生はもちろん、全員動きまくるし、しっかりと血も出るし目を離せない。ただ、教え子たちをあしらうシーンしかなかったので、山田先生など同レベルの忍者との戦いも見たかった気もした。
雑渡先生とはバトルすると思ったんだけどなー。
そして土井先生が正気に戻るシーンは、きり丸の涙がポタリと落ちてその感触で目覚めるという安易な展開は嫌だなぁと違う方向でドキドキしていたら、三馬鹿のいつものやり取りで胃が痛くなって気づき始めるという展開で、とても良かった。まあ、最後は結局感動展開になったけども。
ただ、土井先生が正気に戻って、戦いに参加して勝利するという流れかと思ったら、なんかドクタケがなんの反抗もせずスッと捕まって終わった。諦めが良すぎる!
原作をほぼ知らないこともあり、全体的に楽しんだ感じがゲゲゲの謎に近く、作品のファンと言うよりはただ面白いオリジナルの映画として受け止めたと思う。ゲゲゲでも最初は飄々としてた親父と水木が後半覚醒して盛り上がったわけだし。
そんな自分がこれだけ楽しめたんだから、ファンとしてはもう感涙垂涎号泣ものだったんだろうなー。
実際、パンフレットが通常版も豪華版も売り切れてた。まあ、公開後一ヶ月経ってるからそりゃそうか。
いやー、見て良かった。大満足。
忍たま知らないけど見てみるかー、と思った人は、多少は下調べしておくことをオススメする。