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[読書感想文] モナドの領域

いつどこで買ったか全く記憶にないけど、たぶん御書印もらうときにテキトーに買った本のひとつだろうな。

筒井康隆作品を読むのはめちゃめちゃ久しぶりなので感覚を忘れていて、最初にバラバラ死体が出てきて、パン屋で発見された部位と同じ形のバゲットが流行るという謎めいた展開になり、さあ誰が犯人なんだろう…とドキドキしながらページをめくっていたところ、パン屋の常連だった教授が突然全知全能の神に憑依されるという展開で、あっ、そういえば筒井康隆作品だったわ、と気づいたと言うか思い出したというか。

その後はもうずっと筒井康隆感。人々がとにかくGODに翻弄され、そして全てはGODの予定、いわゆる「モナド」の通り。

テレビ出演でもうえらいことになるのは、マスコミ嫌いの自分としても「よし、もっとやれ!」という気分になってしまうし、GODの予定通りなんだから仕方ないよね!

モナドというとどうしてもゼノブレイドを思い出してしまう。意味合いも同じだった気がするけどあっちは武器名か。

メタ要素も出てきて、平行世界の説明にかこつけてこの世界は小説だとネタばらしするわ、時をかける少女の展開と同じだとか言い始めるわ、キャラクターがもう出番がないことを悟ったり、とても良い。

関わった人たちの記憶を全て消してGODも消えるが、なぜかダイヤモンドだけ分裂しているという、また別世界と融合してしまったということかな…

最近普通の小説ばかり読んでたから、逆に新鮮で一気に読み終わってしまった。

しかし帯にも「おそらくは最後の長編」と書いてあるが、筒井康隆さんも1934年生まれ、もう89歳か… 本当に最後の長編になりかねんな…

同様にいつ買ったか覚えてない短編集、堕地獄仏法/公共伏魔殿もあるから続けて読んでみるかな。

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