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[ネタバレしかない] 百英雄伝Rising 感想
百英雄伝をクラファン支援したあとにrisingが出たときはなんで目的のゲームを作らないで違うゲーム作ってるの?アホなの?と思って全然やらなかったが、とうとう本編が発売され、パッケージ版が発送されるとなった前日譚のrisingやっとかなきゃならんのではと思い、おもむろに行ったゲーム屋でなぜか新品でそこそこ安かったので買ってみた。というか元々DLで1500円だからパッケージでもさすがにフルプライスにはならんわな。
HD2Dに見えて、キャラのグラフィックはEARTH WARSやLOST EPICみたいな、体のパーツが分かれている紙人形みたいな表現になっている。正直ちょっと安っぽく見えてあまり好きなタイプではないが… まあ慣れると特に気にならない。背景はとてもきれい。
ただ、肝心のアクションとしては最初は攻撃を一発出せるだけの、めちゃめちゃ単純な横スクロールアクションゲームか、これは数時間で終わりかなー。まあ、本編のオマケみたいなもんだしな… と思ってあまり期待せずに遊んでいたんだが、強化していくと上下の打ち分けやコンボもできるわキャラ交代必殺技ができるわ二段ジャンプとかもできるわで、かなりできることが増えてくる。
クエストもめちゃめちゃ数があり、武器防具の強化もできたりと拠点の設備も充実してきて延々と遊んでしまう。
最終的に17時間でほぼコンプ完了した。思ったより長かったなー。でも最後まできちんと楽しめた。
アクション
前述の通り、初期のドラキュラ形式のシンプルなアクションだと思っていたが、武器屋防具屋クエストを進めて武器防具を強化すると、攻撃回数が増えたり、ダッシュできるようになったり、ガードできるようになったりしてアクションの幅がかなり広がっていく。
CJとガルーは殴るだけだが、イーシャは魔法というのもあり、装備するルーンで攻撃方法が変わるというのが面白かった。溜め攻撃もかなり変わって楽しい。
ただルーンの付替えがめんどくさいので、なんか矢印キーとかで攻撃属性の変更とかできたらもっと良かったかも。
ただ、結局CJが移動にも攻撃にも便利すぎてずっと彼女を使っていた。アクセサリーの効果が操作キャラのものしか適用されないというのもあって彼女に素材用アクセを装備させて探索も攻撃もさせることに。
ガルーは攻撃がもっさりしていて敵を処理しきれないし、イーシャは移動は遅いわジャンプも低いわ近距離に来られると弱いわで、あまり使ってあげられなかった。
とにかくジャンプという基本性能が各キャラで異なるというのが、メトロイドヴァニアとは壊滅的に相性が悪いと感じた。もう全部CJでいいんじゃないかな…ってなる。ガルーは溜めジャンプできるようになるけど、CJの二段ジャンプのほうが便利だし、イーシャのワープは強化してもキャラ一人分くらいで、これマジ?ってなったし。
あとは、ガルーのガードも押しっぱなしでガードではなく、敵の攻撃の瞬間にしかガードできないし、他のキャラはそもそも敵の攻撃が来たらどうしようもないため、敵が物量で来られると連続で攻撃を食らい、かなりどうしようもないことになる。
かろうじてCJのダッシュが移動中無敵というバランスブレイカーなのでそれで逃げられはするが、戦闘エリアは画面1個分なので逃げられると言っても限界があり、駆け引きもなにもなく、殺すか殺されるかだった。イーシャが仲間になってからは、敵が画面ギリギリにいるところで溜め魔法を当ててからボコボコにして一人ずつ消していくというやり方ばかりしていた。
ただ、慣れてくるとイーシャで溜め攻撃中にワープで一瞬攻撃をかわしたり、ガルーでパリィしてから溜め攻撃を当てたり、CJで空中打ち上げ攻撃を当てて敵が落ちたところで好き放題したりと、一応敵の数がそこまで多くない場合はだいぶアクションゲームできた。
ボス戦はさすがにどうしようもなさは少なく、ガードゲージを削って体制を崩したり、攻撃を撃ち返したり、地面全体に広がる攻撃をリンクアタックなどで宙に浮いてかわすなど、ギミックが色々あってちゃんと攻略すればちゃんと倒せるようになっており、楽しい。
あ、でも状態異常になるとキャラ変更ができなくなるというのはなかなかイライラ要素だったな…
アイテムとか
ドロップアイテムが50個までしか集められず、序盤はすぐいっぱいになって捨てるみたいなことが頻発してて、このままだと途中で諦めそうだな…とだいぶイライラしていたが、ミッションで最大200まで増やせるので、取り放題で徐々に楽しくなってくる。
金策のために基本的にレアドロップを狙うようにしていたが、そうすると基本素材が手に入らず、結構足りなくなるという事態が発生したりしていた。
しかし… どうも装備するアクセサリーでドロップ品のレア度を上げたりするやつは、チームではなく操作キャラ単体で効果が発動しているらしいのがだいぶだるかった。あとは、同じタイプのアクセを装備しても効果が重複しないということも知らず、ずっと同じのをつけていた。その説明はないので、自分で検証したのだが。
中ボスはリンクアタックで倒したりするため、アクセを装備していないキャラでとどめを刺してしまい、アクセ効果が出なかったりしてぐぬぬすることも多く。チーム全体に反映させて欲しかったな…
いろんなゲームに換金用アイテムというのが存在するが、換金用アイテムなのに合成やイベントに必要だったりするゲームとそうでないゲームがあり、その区別がつかないことが多い。アイテムの説明文でも「高く売れる」くらいしか書いてない事が多い。良いゲームだと、「*換金用アイテムです」って書いてあったり、そもそも店で売るのではなく換金メニューがあったりするんだが… (ひどいゲームだと換金用アイテムですって言いながらクエストに必要だったりする)
このゲームも武器防具の強化に色々な素材を使うので怪しかったが、中盤になっても必要にはならなかったのでガンガン売った。
あとはたまに手に入るレアドロップは強化素材にも必要だが、売ると金になるのでなかなかお世話になった。
しかし換金用アイテムには相場があって値段が変わるとか書いてたが無視。その要素はいらんぞ。
クエスト
クエストを達成するとスタンプが押されて、ランク最大まで貯めると街が発展して施設が増えたりクエストが更に増えたりするという流れなので、クエスト達成は必須だし、数もめちゃめちゃある。
ただ、マジでお使いだけのクエストが多いのが難点。あの子がいないだの親がいないだの、しかも見つけた時点で終わりではなく、依頼主のところまで戻って「いたよ」と報告する必要があり、下手すると数往復することになる。自分で探せよ… 村の内部でワープができるからまだ良かったけど、FF16形式だったら途中で諦めてた気がする。
一応ストーリーやキャラクターの相関関係が少しずつ分かってきて面白いというのが救いではあるが。
なんか旦那にお灸をすえるために包丁が欲しいという嫁さんがいて、そのクエストだけではなにもないのだが、まさかのストーリークエストでその旦那というのがゲーム序盤で広場で飲んだくれてたおっさんで、時計台修復の鍵を握っているという、色んな人たちがつながっていく展開になるのはなかなか楽しい。
幻想水滸伝シリーズは、もちろん100人の主人公たちがそれぞれに相関し合っているという関係性も楽しいのだが、NPCたちの関係というのは特になかった気がする。なのでこういう町の住人たちのキャラクターが詳しく描かれているというのはとても良い。
あと途中まで気づかなかったが、クエストで目標に設定しておくと、きちんと探すアイテムの場所がマップ上にも表示される。便利。それまでは全マップ探索してたわ…
システム
拠点だとマップごとにショートカットできるのはとても便利だった。全ゲームこれを導入してほしい。お前のことだよFF16!
あと、キャラの会話シーンでアイテムを渡すときとか驚いたときに吹き出しで説明するのがわかりやすくて、アニメや画像も省略できて良い手だと感じた。
敵のドロップアイテムが、倒してから敵が消滅してポンと出てきてようやく取得判定が出るので、倒した後その場にちょっと留まっておく必要がある。ダメなアクションゲームでよくあるやつ。本作は結構遠くからでも取得できるのでそこまでだるくはなかったが、それでももっとスッと手に入ればなぁと思うことは多かった。
ルーンの付替えで謎の柱が壊せるという、割と手抜き感のあるメトロイドヴァニア要素だが、これは別に対応ルーンを装備していたら壊せる、じゃなくて普通にストーリーの進行具合で誰でも壊せるようにして良かったのでは。更に欲を出せば、マップ上で壁の場所はアイコンを出してほしかった、まあ、ストーリーの進行に関係のない柱の数は少なかったし、そこまで重要アイテムが隠されているとかもなかったのでいいけど。
金策は質屋でモノを売るだけなのだが、ストーリーの展開上、序盤は半分くらいだったか、そして後半でイーシャが仲間になった時点から7割取られるという暴利が待っていて、さすがにこのままにはならないだろうと思って売るのを控えてストーリーを進めたら3割まで落ちてくれた。でも結構長い間7割だったな…
7割のときは武器の強化なども難しく、だいぶしんどかった。ここはゲーム性もなんもなく、結構なイライラ要素だったなぁ。イーシャへのヘイトが溜まってしまう。お前仲間面してるけど儲けの7割持っていってるのどんな気持ちなん?って。お前の装備の強化をこっちの金で支払ってるんだが?
思ったより金が足りないゲームだった。クエストの報酬が少なすぎた感がある。
ストーリー
CJがお宝を探しに来たトレジャーハンターで、レンズというのがなんだかわからないが、とにかく大きいものを探しているという、わかりやすい展開。そしてレンズを探すための探索には許可が必要で、そのために村のスタンプカードを埋める、と。CJの性格が良すぎて、素直に町の人々のお願いを聞きまくる。ご褒美にスタンプやお金、経験値をもらえるという流れ。
うん、スムーズにクエスト機能につながるね!(そうか?)
ただ、村の中で誰か探してきてという、お前が行けば的なものと、盗賊を討伐してくるというクエストのご褒美が同じスタンプ一個というのはどうなん?というのはずっと感じていた。
お使いクエストばかりだが、キャラクターたちがいきいきとしていてやり取りを見るのが楽しい。メインキャラたちももちろんいいやつらばかりだった。CJも熱血バカで良いし、ガルーは四次元ポケットつきのカンガルーでしかも魔法少女好きという謎の要素盛り盛りでもう素晴らしいし、イーシャは地味に一人だけ過去がつらすぎるが貴重な遠距離攻撃持ちなので便利だったし、村長でもあって完璧超人過ぎる。
ユウゴだったか村の用心棒みたいなやつが最初から怪しさ満点だったのに加え、途中で情報が盗賊に届いている、裏切り者がいる、みたいな話も出てきて、ははーん、これはいつユウゴとのバトルになるんだ?と思ったら、結局ただの思わせぶりキャラだった、だと…?最後までストーリーにはほぼ関わりがなかった。そんなんありかよ。悪人っぽすぎるゴクトーも単にいい人だったし、メロールもプレイアブルになりそうでならなかったし、本編では使えるようになるんだろうなー。
CJが探していたお宝を諦め、というか「お宝はもうあるよ。この村の人たちとガルー、イーシャというかけがえのない友達だ!」という、あまりにも王道過ぎる展開になり、なるほど逆にそっちね、となったけど、ここまでCJとして冒険してくると彼女はこれでいいんだ、とも思えた。ガルーの裏切りがなんかなかったことになってるのは少々気になるが、村の人々も許してるならまあいいか。娘さんと仲良く暮らしてくれ。
クリア後
クリア後に難易度ハードが追加されたのでさっそくやってみたら、序盤の雑魚も一撃で倒せないようになっててやりごたえはだいぶ上がっていた。ボスとかもレベル50や55とかになってて、攻撃を一発食らうと体力が1/3くらい減る。
やり甲斐はあるが、クリアした時点でクリティカル100%のアクセサリーをもらっていて、それで攻撃すると敵がずっと怯むので特に問題なかったりした。
ボスやでかい雑魚を倒すと経験値が9999もらえてフィーバーだけど、次のレベルまでが長いのであんまり上がらない。というかレベル上げても強くなってるのかよくわからないので特にMAXまで上げたいとかもなかったなぁ。
装備の強化は最後までしたかったけど、最終段階になるとボスや中ボスの素材がたくさんいるし、結局隠しボスみたいなのがいなくて強化する意味もないので、そこまでのやりこみはしなかった。
村クエをコンプリートしたら交換屋で最後のアクセサリーという、リンクアタック無限になるやつをもらえて、実績解除されたがそれ以外は特になかった。
これまではランクを達成する事に村が発展するムービーが入ったのにそれもなかったし、特にイーシャから「このスタンプカードをコンプリートしたのはお前が初めてだ」みたいなプチイベントでもあるかと思ったのに。割と拍子抜け。
そしてそのあとはちょっと報酬が上がった同じクエストがたくさん出る感じ。
最後のクエストとして超強ボスが出たりするかなとも思ったけどそうでもなかった。
まとめ
まず、このタイミングでrisingを遊ぶと、情報を調べようとすると「百英雄伝Rising」で調べてもおせっかいなGoogleさんが百英雄伝そのものの情報をわんさか渡してくるのでネタバレ必至になり、とても怖かった。そういう意味でも早めに遊んでおけばよかったとは思った。
おそらく、背景やキャラグラ、オブジェクトなどの素材がある程度できた時点でテストのためにも小さなフィールドを作ってみたら案外ゲームとして成り立ってるのでは、となり、もったいないから完成させようか、となったんじゃないかなー。
というかrising発売された頃のインタビューとかでそういうのを読んだのかもしれない。
まあ、そういうのは本編を遊んでみてのお楽しみ。本編のオープニング見てみたけど、その予想は当たってそうな雰囲気はあった。あと、キャラ紹介ラッシュでちゃんとメイン3人、そしてメロールもいたので、これは仲間になるのが楽しみだなー。
しかしデータ引き継ぎができるというのにrisingはSwitchで、本編はxbox版にしてしまった。あーあ。
でもなんかテキトーにつけた武器や特産品の名前だけらしいので別にいいか。