強い女に、甘いパンを
頭痛やふらつきを薬で抑えながら仕事をしている、時には涙を流しながら机に向かっている、そんな告白をされるとは思っても見なかった。
このnoteに書いた、「強い女」。
もともと4人だったチームから、ひとり辞め、またひとり辞め、残ったひとりは、別の拠点に移動して、たったひとりに。
業務量は変わらないのに人は増えない、そういう状態なのに会社は何もしてくれない、付け焼き刃な対応だけしてそれでうまくいかなければ自分の責任どといわれる、などと文句を言いながらも、決して弱音は吐かずに大量の業務をさばいている、そういう印象だった。
私のチームに合流してから業務の整理はしてきたものの、優秀な彼女には仕事が集まり、なかなか業務が減らない。
夏の繁忙期を迎えて業務量がピークを迎えた時、彼女がこそっと打ち明けてくれたのが、冒頭の言葉。
確かに残業時間は人一倍多くなっていたが、自ら仕事を作り出してはバッサバッサとさばいている姿や、他人と議論をしている姿からはとても想像ができなかった。
表の顔と裏の顔が違うのか、意地になっているのか、それとも自分でもどうしたらいいのかわからなくなっているのか。
いずれにしても、他人が深く介入してあげないと状況を変えることができない状態におちいっていることは疑いようのない事実だろう。
今週は、少し痛みを伴う業務環境の改善に取り組む必要がありそうだ。
ハード系パンの特徴は、パリッとかたいクラスト(皮)と柔らかなクラム(内層)。
さしずめ彼女は、パリパリのクラストを味わうバゲットのようにみえて、実は内層の柔らかさがポイントのバタールだった、といったところだろうか。
こんな精神状態の時には、水分の少ないハード系のパンはきっとのどを通らないだろう。
一口で食べられる大きさで、甘さが心の硬直をゆるめてくれるパンが、今の彼女にはふさわしい。
ミニパンオショコラなんてどうだろう。
今度会った時に、どんなパンが食べたいか、聞いてみよう。
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