いいかげんさの良いところ
こんにちは、20年ものプログラマーです。
ブラジルに住んでいると、日本と比べていいかげんだなあ、ということがよくあります。ふだんの生活でもそうですが、システム開発に関してもやはり少しいいかげんです。
例えば、システム障害があって2時間ほどサービス停止してしまった時、日本の感覚では「ホームページにお詫びのメッセージを表示して、この2時間の間に申し込みをした方はお手数ですがもう一度やってください」と知らせなければ!と思ったのですが。
「今はもう動いてるんだろ?じゃあ何もしなくてもいいじゃないか!過ぎたことよりも未来のことを考えろ!」と上司から超ポジティブなことを言われました。
それに、ブラジル人のインターネットユーザー達も、申し込んだけど返事がないから、もう一度申し込んでみよう!とか電話して聞いてみよう!など、システムがちゃんと動かないのに慣れているみたいです。
お金を二重取りされたりすれば大騒ぎですが、エラーメッセージも何も表示されなかったけど動いてなかった、なんていうのは全然問題にしません。
その代わりと言ってはなんですが、ブラジル人は融通を効かせてくれる時、すごいサービス精神に溢れています。
予約の必要なライブを突然見に行った時も、「えーっ、予約してないの?しょうがないなあ」と言いながら、通路に急ごしらえの座席を整えてくれたり。
病院で検査の予約していて1時間早く行ってしまった時も、機械が空いてたら早くやってくれるし。
ホテルのチェックアウトの時間を少し過ぎても、何も文句言われない。
極めつけに、長距離バスに乗るときは身分証を提示するルールなのですが、わたしの身分証は有効期限が切れているけど(パンデミック特別措置で法的には問題なし)、何もとがめられる事もなくバスに乗れた(笑)
多分、日本ではルールを決めると守られるのが普通なので、ルールを管理する方も守られる前提ですべての行動が組み立てられるのですが、ラテンの国々ではルールを決めても守られないのが普通なので、あまりまじめにチェックしなくなるのかもしれません。
よく言えば「融通が効く」、悪く言えば「いいかげん」です。反対に、日本人の場合はよく言えば「ルールに忠実」、悪く言えば「柔軟性に欠ける」といったところでしょうか。
あと聞いた話では、ブラジル人の祖先は狩猟民族なので、動物の行動に合わせて臨機応変に対応しないと、生き残れない。日本人は農耕民族なので、春に種を蒔いて秋に収穫するといったように、計画した通りに行動しないと、食べ物がなくなって飢え死にしてしまう。
という長い歴史の中で形成されてきた民族性があるのだそうです。なんか納得いきますね!
日本人には日本人のキッチリした良さがあって、ブラジル人にはブラジル人の柔軟性や対応力があって、どちらにも長所と短所があると思います。わたしは、少しだけブラジル人の柔軟性を取り入れたいな、と思いました。
読んでくださってありがとうございます。