誰かひとりに届けるような

先日ようへいメンバーと2ndアルバム制作について話していた時のこと。彼の口から「次のアルバムは、みんなに受け入れられるんじゃなくて、誰かひとりが、「すげえいいじゃん!」って言ってくれるようなアルバムにしたい」というような言葉が出た(正確な言葉ではないかもしれなくて申し訳ないが、だいたいそういうような意味合いのことを言った)。

なるほど、そうか。それっていいな。いろいろやりたがる僕らだが、今回作っているアルバムの方向性はそちらかもしれない。


で、昨日読みはじめた本。

夏葉社という出版社をひとりで立ち上げ、経営している島田氏の著書。神保町の東京堂書店でコーナーができていて、気になってはいたんだ。なんか妙に目につく、気にかかる、手に取った重さが不思議、ぱらぱらっと読んでみて、あれこれ読んでみたいかもと思いつつ、その日はそのままにしておいたんだ。

が、職場の図書館に入荷した。これは読んでみないわけにはいかない。


夏葉社のコンセプトが「1万人、10万人の読者のためにではなく、具体的なひとりの読者のために、本を作っていきたいと考えています。」というもの。

おお!まるでお告げのような。

この本、改めてとても良い。本当に大切なことを丁寧に手をかけ、ひとつの「本」というものに対しての思いを込めて。その心持ちが紡がれていく。

日々の速度が増すとともに、閉塞感も増すばかり、先行きの不透明さがますます顕著に思える現代において、「大変だけれども確実に丁寧に、職人のように心を込めて本を作っていく」ということ。「やっぱり大事なのはそっちだよね」と、改めて思わされた。


で、先日のようへいメンバーの言葉。「誰かひとりに届けるようなアルバム作ろうよ」っていう心地は、より厚みが増した。うはー制作が楽しくなってきたのが、より楽しくなってきた。時間と思いを込めたアルバムづくりをしていこう、うんそうしよう。

(ひさとし)

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