いつも笑顔で、ただそれだけで。を伝えたかったんだ。「園という縁」セルフ・ライナーノーツ

はじめまして。PAPA FRUTAS です。保育園で出会った、東京都文京区の
パパ同士が結成した「素人系パパバンド」です。


「子どもたちのために、園で一度演奏会をしてくれないか」園長先生から
の言葉がきっかけで、2013 年の11 月に前身のバンド「いちご楽団」を
結成、翌年以降は「フルーツバスケット」に改称し、毎年新メンバーを受
け入れながら文京区の保育園で演奏をしてきました。
当初は「アンパンマン」や「となりのトトロ」といった園児が喜ぶ楽曲を
園児たちに向けて演奏していましたが、活動を続けているなかで、いつしか
オリジナル曲を作るようになり、徐々に音源が増えていきました。そしてこ
のたび「フルーツバスケット」のスピンオフプロジェクトとして「PAPA
FRUTAS」名義でアルバム制作を敢行、約3 ヶ月の制作期間を経て、いま
手にとってくださっている、この「園という縁」というミニ・アルバムが
生まれたのでした。

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初めての入園式のことを、いまでも覚えている。


預け先が無事に決まった安堵と、その脳裏には期待と不安。いや本当を言えば、不安が90%ぐらいあったかもしれない。初めての出産、初めての子育て。初めての保育園。目まぐるしい日々についていくのに必死で、無我夢中だった。
陽が当たれば暖かくても、風はまだ肌寒くて、空は澄み渡って青く、桜がほんのりと行く道を照らしていた。


アルバムのタイトル・チューン「園という縁」は、保育園生活がついに7 年目に突入したパパ達から、保育園の先生方への感謝を表現するために
作った曲です。いつも笑顔で朝、送り出してくれて、いつも笑顔で夕方、迎えてくれる。そのことへの感謝です。


保育園に預ける朝、子供たちはしばしば、まるで今生の別れのように泣き叫びます。泣き声とともに、自分の親としてのありように、自信が持てなくなることがあります。先の見通しが立たないとか、閉塞感、失われた数十年とか、そんな言葉が、ちょっと耳に馴染みすぎていて、もしかしたら、親の感じるストレスや緊張が、子供たちに伝染しているのかもしれない。親として何か欠けているから、泣き止まないのかもしれない。いや、それは考え過ぎかもしれない。
そんな逡巡もひっくるめて(かどうかはわからないですが)先生がたは、何も言わず、いつも笑顔で子供たちを引き受けてくださります。


PAPA FRUTAS のメンバーは、ふとしたきっかけで、子どもたちに歌をプレゼントすることを続けてきました。毎年新しい出会いがあり、少しずつ活動が広がってきました。もちろん、万事が順調とは行きません。毎回、紆余曲折して擦った揉んだします。そしてその渦中で思ったのでした。


いつも笑顔でいることは、「当たり前のこと」かもしれないけれど、生半可なことではないのだ、と。


先生がたへの感謝と敬意を表現したい、いや、しなければならない。いつやるの?いまでしょ!
―――なんていつもの通りのノリと勢いで作ったこの曲を発表しようと決めたのは、多くの人に、例えば卒園式や謝恩会の場なんかで歌ってもらえたら、とっても素敵なことだと思ったからです。いつも笑顔でいることの大切さを教えてくれた、保育行政関係者の皆さんに、感謝を伝える。日々子育てをがんばっているパパママから。それがきっと、次の親子の笑顔につながり、笑顔の波紋が広がっていくのではないか。


親になって思うようになりました。
幸福とは、自分達自身が、ハンドメイドで作り上げていくものなのだ、と。

本当は、笑顔があれば、笑顔がありさえすれば、それ以外のことは、どうでもよかったりするのかもしれない。ふと忘れそうになる笑顔を、忘れない。ただそれだけ。

いつも笑顔で。ただのそれだけ。それだけあれば、いい。


偶然保育園で知り合ったパパ同士、あくまで素人系バンドの手作り作品です。聞き苦しい部分もあるかと思います。だからこそ―――というと、
少々手前勝手かもしれませんが―――だからこそ、これはストレスフルな日常に対するアンチ・テーゼなのであります。


このアルバムを手に取ってくれたご縁に感謝を!
2019 年1月 本駒込の自宅にて

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この文章は、ひさとしメンバーとの共作です。ほんとは、制作途中の往復書簡が面白いんだけど、いつかどこかで公開できるだろうか。

PAPA FRUTAS初の音源リリース「園という縁」プロジェクト。
徐々に身近な方々に届き始めております。

作ってきた思いや背景を知ってほしいと、ブックレットを作り込んだので、ぜひCDを手にとってほしい。でもやっぱり今の時代、もう音楽は配信じゃないと聞かないんだ、という方もたくさんいる。Spotify、頑張ってる!私はまだまだiTunesがメインです。あ、でもamazon musicは使ってるなぁ。

そんなこんなを思うなかで、やっぱりWebでも思いをしっかり届けたいな、と、と。前置き長くなりましたが、ことはまぁ単純な話、セルフ・ライナーノーツをここに公開させていただいたのでした。どうぞ、お見知りおきくださいませ。

(ようへい)

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PAPA FRUTAS は保育園で出会った、東京都文京区のパパ同士が結成した「素人系パパバンド」です。 「子どもたちのために、園で一度演奏会をしてくれないか」園長先生からの言葉がきっかけで、2013年の11月に前身のバンド「いちご楽団」を結成、翌年以降は「フルーツバスケット」に改称し、毎年新メンバーを受け入れながら文京区の保育園で演奏をしてきました。 当初は「アンパンマン」や「となりのトトロ」といった園児が喜ぶ楽曲を園児たちに向けて演奏していましたが、活動を続けているなかで、いつしかオリジナル曲を作るようになり、徐々に音源が増えていきました。そしてこのたび「フルーツバスケット」のスピンオフプロジェクトとして「PAPA FRUTAS」名義でアルバム制作を敢行、約3ヶ月の制作期間を経て、インディーズにて音源発表させていただきました。
https://www.tunecore.co.jp/artist/papa-frutas
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