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攻撃改善も仙台の守備を攻略できず 第27節 仙台対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは。仙太郎です。

中断明けから2連敗した鹿児島ユナイテッドFC。負けられない試合が続きますが、今回は私も現地で応援してきました、アウェイの仙台戦を振り返ります。

前節の秋田戦から5人を変更し、河野、井林、戸根、稲葉、沼田選手が外れ、渡邉、広瀬、岡本、中原、武選手が先発しました。

改善された鹿児島の攻撃と課題
鹿児島の攻撃は、先週の秋田戦に比べてかなり改善されていました。中原選手が入ったことで、ボールを保持できるようになり、良いポジショニングからボールを受け、状況に応じてワンタッチ、ツータッチ、ドリブルなどを的確に使い分けてボールを前進させていました。

8分の鹿児島の決定的な場面。広瀬選手のロングボールから裏へ抜け出した有田稜選手が、ボールをキープ。そこへ後から田中選手がサポートに向かってくる。この時、GKが飛び出していてゴールはガラ空き得点の可能性は高かった。
ただ仙台の選手が後から猛然とダッシュしてきて、シュートをブロック。ほんの一瞬でも遅れていればゴールになっていたかもなので、こういう小さなプレーはもっと評価されていいと思う

いつも素晴らしいプレーを見せる山口選手。この日も攻守両面で多くの場面に顔を出してプレーに関与していました。最近はドリブル技術にも磨きがかかり、相手の予測を裏切り、ドリブルで前進する場面も見られました。

仙台は前から積極的にプレスを掛けずにミドルプレスを選択したので、CB二人は比較的容易にボールを持てていたことも鹿児島のビルドアップを容易にしていました。

ただ鹿児島はボールを前進させることができていたものの、仙台のペナルティエリアに近づくと、そこから崩すのに苦労していました。

岡本選手がボールを持っている場面。左サイドには田中選手が張っていて、インサイドには外山選手がいる。この時、外山選手は岡本選手からのボールを受けられない。なのでSBはそこをカバーする必要がないので、田中選手に寄っている。ゆえに岡本選手から田中選手へパスを出しても、すぐにプレスが来て自由にプレーできない。もし外山選手がもう少し中にポジション(赤丸の位置)すると岡本選手からのパスが受けられる。そうするとCBかSB(か両方が)がプレスに来るので、田中選手か中央の有田稜選手もフリーになり、相手の守備組織が崩れる。ちなみに中央では鹿児島は2対1の数的有利な状況

それには当然、理由があります。仙台は4-4-2のゾーンディフェンスを敷いており、鹿児島はライン間でボールを受けたいのですが、そこに誰もいません。これにより、仙台のサイドバックは中を守る必要がなく、サイドにボールが出たらすぐにプレスに行けます。その結果、サイドで苦し紛れのセンタリングをするか、無理に突破を試みるか、ボールを下げるかの選択肢しか残りません。そのため、仙台の守備組織を崩すことができず、得点に繋げることができませんでした。

時折、ライン間でボールを受けることができ、鹿児島がチャンスになりそうな場面もありましたが、最後の最後で仙台の守備強度に阻まれました。

11分 鹿児島の攻撃の場面。ゴール前でマンツーマンでがっちりマークされている
11分 鹿児島の攻撃の場面。センタリングを有田稜選手が折り返すが、仙台の選手の戻りが早くクリアされる

勝敗を分けた失点
選手個人を責めるわけではありませんが、失点の場面について。岡本選手がボールを受ける時の体の向きが悪く、それを見た仙台の有田選手が猛然とダッシュ。岡本選手のトラップミスをもあり、ボールを奪いそのまま抜けしようとしたのを岡本選手がたまらずファウルして止めてしまい、フリーキックを与えてしまいました。そのフリーキックの際、泉森選手はセンタリングを予想していたのか、ファーサイドに寄りすぎてニアサイドが空いてしまい、そこを狙われました。泉森選手がファインセーブで防ぎましたが、コーナーキックを与えることになりました。

14分 仙台のFKの場面。泉森選手がかなりファー寄りに立っているのがわかる。コースが甘かったのと泉森選手の反応が速いのでセーブできたが、CKを与えてしまう。壁の人数を増やしても良かったかと思う。恐らく距離が少しあったので直接狙ってくることはないと判断したのかもですが

コーナーキックの場面では、背の低いファーサイドにいた外山選手が仙台のエロン選手と競り合い、ヘディングで折り返されました。中央には鹿児島の選手が三人も寄せていましたが、誰もボールに触れず、逆サイドにいた郷家選手に押し込まれてしまいました。

15分 仙台のCKの場面。ファーサイドで外山選手とエロン選手が競り合うが、中に折り返されてしまう。この時、武選手はファーサイドにポジションしている
中央にいた仙台の選手に鹿児島の三人が寄せるも誰も触れず、ボールは郷家選手の元に行き、ゴールされる。本来、郷家選手をマークする武選手が不用意にポジションを上げてマークを外してしまっている

このとき、郷家選手をマークすべきだった武選手が、エロン選手が折り返したときになぜかポジションを上げてしまい、郷家選手のマークを外してしまいました。ヘディングでクリアしたならポジションを上げるのは理解できますが、それをしていないのにポジションを上げるのは理解に苦しみます。

この一連の流れの中で、一つ一つのプレーは細かいミスですが、それが積み重なって失点に繋がりました。だからこそ、一つのプレーも疎かにできませんし、見逃してはいけません。

18分 有田稜選手が見事なターンから縦突破を図るも、仙台の選手が厳しくマークしていて、自由ににセンタリングできず、GKにキャッチされてしまう。中央に鈴木選手がマークを外してフリーだったので、もう少しマイナスのパスが出せれば決定的な場面だった

結局、町田がやっているのはそういうことですよね。失点したらその原因を徹底的に潰し、1%でも勝つ確率を高める。サッカーは一点差で勝負が決まるスポーツですから。

高い守備強度で守り切った仙台
では、仙台が良かったかというと、そうではありませんでした。不動の守護神・林選手がこの日は欠場し、第2GKも出場できない状況で、松澤選手が途中で足をつり交代。GKという重要なポジションに不安がある状況でした。

41分 鈴木選手が厳しいプレスで鹿児島ボールになった場面。この時も仙台の選手が全力で戻っている
有田稜選手がドリブル突破を図り、抜けそうになるもあっという間に囲まれてボールを奪われる。ファーにいる武選手にもきっちりマークが付いている

本来なら鹿児島がたくさんシュートやセンタリングを上げて、GKを慌てさせたいところでしたが、仙台の守備強度が高く、それを許してもらえませんでした。

ビルドアップの局面でも、鹿児島が仙台の中盤の選手をマンツーマン気味にして守っていたため、ボールを前進させるのに苦労していました。たまにロングボールや個人技で前進することができても、押し込んだ後に決定的な場面を作ることができず、攻撃面ではあまりうまくいきませんでした。

51分 武選手がロングボールを収めて、中央にドリブルし左サイドへ展開。仙台の守備組織が崩れている
しかし左サイドからセンタリングしたときには、すでにゴール前に戻ってきてクリア。後に二人詰めていたので、クリアできなければ得点の可能性は高かった

しかし、守備の強度は高く、鹿児島はゴールを割ることができませんでした。特にゴール前では数的有利を作り、厳しく寄せる守備が徹底されており、鹿児島はボールを保持して攻撃できていたものの、失点をゼロに抑えられてウノゼロの勝利となりました。

攻撃時もカウンターを警戒してある程度の人数は後に残すという徹底ぶりも印象的でした。

総 評
アウェイ2連戦、中5日で開催された仙台戦。移動時間も長く練習時間も少ない中、現実的なやり方として、中断前のやり方に戻して、ある程度は立て直してきたと思います。ただ、ほんの少しの差が勝敗を分けるのがサッカーの厳しいところで、そこができていないから勝てていない鹿児島ユナイテッドFC。

次は首位の清水とホームで戦います。残り試合は少ないですが、諦めずに応援していきましょう。現地で応援される方、よろしくお願いします。

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「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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