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今年最高の内容で快勝!奇跡に向けて一歩:第35節 鹿児島ユナイテッドFC対愛媛SC

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん こんにちは仙太郎です。

第35節 明治安田J2リーグ、鹿児島ユナイテッドFC対愛媛FCの試合を振り返ります。前節からのスタメン変更は2人。渡邉選手と稲葉選手が外れ、山口選手と田中選手が入る形となりました。とはいえ最近はスタメンも固定されてきていて、戦術的な連携も取れてきています。

この試合は、鹿児島が戦術的に優位に立ち、4-0で愛媛を圧倒した試合でしたが、その背後には綿密な戦術と選手たちのハードワークがありました。

愛媛は守備時に5-4-1の布陣を敷き、鹿児島がバックパスをすると、愛媛は中盤から一人か二人を前線に上げて二人もしくは三人でプレスをかけ5-3-2や5-2-3になります。しかし、その結果として中盤にスペースが生まれ、特にサイドにスペースができることが多くなりました。このスペースを鹿児島の鈴木翔大選手が巧みに利用し、サイドに流れてボールを受け、チームのボール前進を助けていました。また圓道選手が左サイドに貼り、そこからのドリブル突破もあり、鹿児島の攻撃は左サイドからの展開が多くなっていました。

12分 鹿児島の先制点の場面。愛媛の5−3−2は構造的にサイドにスペースがある。そのスペースに鈴木選手が降りてきて、ボールを受けて前進することが多く見られた。この場面ではスルーして、そのまま前に走り出す
鈴木選手はそのまま前に前進して、相手の選手を引き連れて行く。圓道選手のドリブルを警戒した愛媛の選手が二人でマークすることで、その横に大きなスペースができていて、画面の外から山口選手が走り込み、見事なミドルシュートを決める

愛媛がサイドのスペースを埋めるためにウィングバック(WB)を前に出すと、鹿児島はその裏のスペースを狙います。これにより、愛媛の3バックのうち一人がカバーせざるを得なくなり、CBとサイドに「ポケット」と呼ばれるスペースが生まれ、鹿児島はこれを効果的に利用して攻撃を展開していました。また、鹿児島は積極的に選手がボールを追い越して前進していく動きを見せ、これにより愛媛の守備は混乱し、対応に苦しんでいました。

先制点の場面も、愛媛のサイドに空いたスペースを鈴木翔大選手が流れ込んで起点を作り、そこからボールを前進させて押し込む場面を多く作り、そしてミドルシュートで先制点を挙げました。その後も鹿児島は攻撃のチャンスを数多く作りましたが、愛媛もゴール前には選手が多く、追加点を奪うことはできませんでした。

一方、愛媛の攻撃は前線の人数不足が影響し、基本的にはベン・ダンカン選手の単騎突破によるカウンター攻撃が中心でした。時折、鹿児島陣内に押し込む場面もありましたが、そこからの効果的な崩しはほとんど見られませんでした。

本来なら松田力選手が前線にいて、ベン・ダンカン選手と絡まないといけないのですが、鹿児島が押し込む時間が長かったこともあり、松田選手も下がって守備や組み立てに参加せざるを得ず、ゴール前で脅威になる回数は少なかったです。

鹿児島の鈴木翔大選手のプレーは(いつもですが)素晴らしかったですね。例えば、最初の得点の場面でサイドに流れてボールを受けるふりをして相手を引きつけ、スルーした後に縦に走り込んで愛媛の最終ラインを下げさせ、スペースを作り出しました。そのスペースに山口卓己選手が走り込んでシュートを放つシーンは、鈴木選手がボールに触れなくても攻撃の鍵となる選手であることを示していました。

29分 鹿児島の攻撃の場面。愛媛はペナルティエリア内に11人全員が戻っている。ただこれだとなかなかボールを前に運ぶのが難しい

また、追加点の場面でも鈴木翔大選手は見事な動きを見せました。相手のマークを外すために一度外に逃げ、相手センターバックを引き出してスペースを作り、そのスペースに再び侵入して相手より前に入りゴールを決めました。この動きは、鈴木選手が得点力のある選手であることを証明するものでした。

鹿児島は先制点後も単純なアーリークロスに頼ることなく、じっくりとパスをつなぎ、相手陣内に押し込んでからクリアボールを拾い続けました。また、相手ボールになってもすぐにプレッシャーをかけてボールを奪い返し、試合を支配していました。前半のボール保持率は64%に達し、これだけボールを保持できればサイドバックの守備の不安も表面化しません。

守備においてもこの日はプレスの強度が高く、愛媛の前進を阻んでボールを奪取する場面が目立ちました。そして後半途中から登場した福田選手は実に4ヶ月ぶりの復帰となり、最初のボールタッチで二人の相手を振り切りPKを獲得、自らそのPKを決めて復帰戦をゴールで飾りました。この場面はチームの士気を大いに高め、鹿児島に勢いを与えました。

後半の愛媛は、点を取る必要があるので、前からボールを奪いに行きましたが、最終ラインを上げられず、ライン間が空き、そのスペースに鹿児島の選手が入ってきて、縦パスが入ることで、愛媛はボールの奪いどころがない状況に陥っていました。

31分 鹿児島の攻撃の場面。愛媛の選手がボールに三人寄っていて、CBとの間(いわゆるポケット)のスペースで有田稜選手が受けて、シュート

鹿児島は後半も前からプレスを掛け、後ろの選手たちも連動してパスの受け手にプレッシャーをかけることで、相手のミスパスを誘い、ボールを奪取することができていました。

後半途中に攻撃の核だったベン・ダンカン選手と松田力選手を交代させた後は、鹿児島の一方的な展開となり、その後の愛媛の攻撃はセットプレーとロングスローのみとなりました。

後半は、愛媛がボールを保持する時間も増えましたが、最終的なボール保持率は60%で、鹿児島が試合をコントロールしていたことを示しています。試合終盤には愛媛のオウンゴールで4-0とし、試合は終了しました。

完勝とも言える結果でしたが、課題も見られました。特に、自陣での不用意なファウルが目立ち、愛媛にセットプレーのチャンスを与えてしまったことは改善が必要です。この日は失点にはつながりませんでしたが、愛媛の有効な攻撃手段がセットプレーのみであったため、それを簡単に相手に与えるのはリスクが高い行為です。

52分 鹿児島の攻撃の場面。有田稜選手がポストプレーで、星選手へパス。そこから田中選手へ斜めのパスが通り、前を向く。愛媛は前からプレスを掛けざるを得ないので、DFラインの前に広大なスペースができている
田中選手から再度上がってきた星選手へパス。センタリングすると見せかけて、ポケットのスペースに侵入した藤村選手へパス。鈴木選手は一度後へ動く動きを入れてCBを後に動かした後、前に入り、藤村選手からのセンタリングを体で押し込んだ

残り3試合で勝ち点差8という厳しい状況に変わりはありませんが、この試合で見せた戦術的優位性とチームの成長は、今後の試合に希望をもたらしました。鹿児島は一試合一試合全力で戦い、勝つしかありません。次の長崎戦に勝利し、成長を続けることが重要であり、それが残留のための唯一の道です。

https://x.com/J_League/status/1847912784153235746


愛媛戦は今シーズン見てきた、鹿児島の試合のなかで、ここまで戦術的に有利に戦えていたのは初めてで、正直驚いています。 この2週間の間に何があったのか知りたいです笑。

ただ(結果的に負けたけど)栃木戦から明らかに、プレー内容が向上いているのは間違いないです。この調子を維持できれば、残り三試合全勝は夢ではありません。

あとは大分の結果次第ではありますが、それは鹿児島がコントロールできることではありません。 鹿児島ができるのは一試合一試合を全力で戦い勝利を目指すのみ。それで残留できようが、降格しようが、それはそれで仕方ないし、諦めも付きます。

正直、こんな試合ができるなら、もっと早くやってくれよと言う恨み節のひとつやふたつも言いたくもなりますが、とりあえず、次の長崎戦に勝たなければ話にならないので、それに向かって練習し、全力で臨むのみ。

正直、前節までは奇跡を願っていましたが、今は奇跡を起こせる希望が出てきました。ならば、奇跡を起こせるように全力で、応援しようではありませんか。

次はアウェイの長崎戦です。
新スタジアムでの応援、よろしくお願いします。

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「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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