帰ってきた鹿児島の三銃士 第24節 鹿児島対讃岐
鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは仙太郎です。先週は今シーズン一番苦しい試合を木出選手の一撃でなんとか勝った鹿児島。残り試合が少なくなる中、ここからの1勝や1敗は大きな意味を持ちます。ホームでの讃岐戦を振り返りましょう。
https://youtu.be/Pov3VQH0UsI
先発メンバーはいつもの中盤のメンバー、木村、中原、ロメロ・フランク選手が戻ってきました。先週、レッドカードをもらい出場停止の米澤選手に変わり、今シーズン初めて木出選手が先発します。
試合序盤は讃岐の前からのプレスにボールが前に運べません。縦パスを奪われて、即FWの松本選手へのロングボールを入れるシンプルな戦術がとても有効に働いていました。そんな開始直後1分も立たないうちに讃岐が先制します。松本選手へのロングボールのこぼれ球を青戸選手が拾い、左にいた中村選手にパス。中村選手が1対1から広瀬選手をかわしてセンタリングしたボールに白坂選手が飛び出しますが、ボールに触れず松本選手がヘディングで難なく押し込み先制します。1分もしないうちの失点で言葉も出ませんでしたが、逆にまだ89分もあると切り替えて行くしかありません。
失点そのものも痛かったのですが、鹿児島の攻撃が先週と同じく機能しないことのほうが絶望感がありました。讃岐は先制したあとも鹿児島のパスを奪ってカウンターを仕掛けます。ただ15分を過ぎた当たりから先週と違い鹿児島がそれに対応します。木村選手がDFラインに下がってきてビルドアップに関わりボールポゼッションを安定させます。そして中原選手が下がってきて最終ラインから出てくるパスをワンタッチで返して讃岐のプレスを弱めます。そうしておいて空いたサイドにパスをして讃岐の守備を広げておいて、中のパスコースが空いたら縦パスを入れて大きく前進するようになります。そしてそんな中から同点ゴールが生まれます。
前半27分、五領選手のシュートが有田選手に当たりコースが変わりゴールになります。これは半分五領選手の得点にしてあげたかったですね。この得点のキープレーがDFラインに下がってきた木村選手から有田選手への縦パスでした。木村選手は下がってきた有田選手に絶妙のタイミングで縦パスを通し、有田選手は前を向きます。そのままドリブルして相手DFを引きつけた有田選手が五領選手へパス。いつもならそこで1対1を仕掛けて縦へ突破するか、星選手の上がりを待ってコンビネーションで崩そうとするのですが、今回は自分で中へ切れ込みシュート。それが有田選手に当たってゴールになったのはラッキーでしたが、シュートを打たなければ絶対に入らないのですから、この積極的なプレーが生んだ得点と言えるでしょう。
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同点に追いついて落ち着いた鹿児島の攻勢が続きます。29分に木村選手から五領選手へパスが通り、五領選手が仕掛けるふりをして時間をかせぐと、できたスペースに中原選手に飛び込んできて五領選手がヒールでパスしてシュートして外れましたが、崩した形を作れています。
そして31分に鹿児島が追加点を取ります。PKでの得点ですが、最初のキッカケは讃岐のビルドアップ局面でロメロ・フランク選手がボールを奪取。木村選手とボール交換し前進しないワンツーで相手のマークを外し、外に開いた星選手にパス。星選手がセンタリングしたボールが手に当たりPKとなりました。これは上げていた手を下におろしてハンドですから、明らかに不自然な手の動きなのでPKは当然だと思います。
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その後は鹿児島がコンパクトな陣形を保ったまま、ボールを前進させて讃岐を押し込んだので、讃岐はカウンターをしたくても前に人がいなくて有効な攻撃ができなくなりました。これで1点リードして鹿児島が前半を折り返します。
そして後半10分、有田選手が追加点を上げハットトリックで引き離します。これは五領選手からのパスを受けた星選手のセンタリングを有田選手がダッシュしてマークを外しニアサイドで合わせたゴールでした。有田選手の高いヘディング技術がもたらしたゴールでした。
これで2点差になったので今日は楽に試合見られるかなと思ったのもつかの間。後半22分に讃岐が1点返し、3−2と一点差になります。これは正直ゴラッソなので、仕方ないですね。ゴールの外から巻いて来たシュートだったので、白坂選手も防ぎようがなかったです。ここから讃岐がボールを握って鹿児島ゴールに迫り、讃岐が続けてシュートまで行きますが鹿児島も必死の守りで防ぎます。
さらにアディショナルタイムの92分に讃岐に決定的チャンスが生まれます。左サイドからのセンタリングに川崎選手が渡邉選手のマークを外してヘディングで中に折り返すと吉井選手が合わせようとしますが、ほんの少し合わず鹿児島がクリア。これは心臓が止まりそうになり、本当に紙一重で、鹿児島にはまだ運が残っていました。
讃岐はロングボール主体の攻撃が多かったのですが縦パスできるCBいるし、中盤の選手もいいのでロングボールに頼らなくてもビルドアップできると思うんですよね。ただ両サイドの選手が個人で突破を仕掛けないで、早くセンタリングしてくれたので、中央だけ守っていればそんなに危険なシュートは打たれませんでした。
讃岐の青戸選手は中間ポジションを取るのがうまい選手で、鹿児島は結構苦戦しました。後半途中で交代してくれて、正直助かりました。FWの松本選手もポストプレーからのキープ力があるので、最初は苦戦していましたが、ボールを松本選手に触られても自由にプレーさせなかったり中盤の木村選手などが素早く戻ってきてボールを回収できるようになったので讃岐の攻撃をうまく抑えることに成功しました。
もうひとつの鹿児島の課題は中途半端に前プレス掛けて、簡単に讃岐がボール前進する場面が多々ありました。前からプレスかけるなら全体で押し上げないとだめですし、中途半端にプレス掛けて前進されるなら、一度引いて守らないと相手の攻撃も加速させますし、試合展開が不安定になり、いつものように試合終了間際にバタバタしてしまいます。
それにしても木村、中原、ロメロ・フランク選手の3人はさすがとしか言いようがありません。試合序盤、まったく攻撃が機能せずボールを奪われては速攻されていたのですが、それを修正して鹿児島ペースに戻したところは、やはり経験とサッカーの理解力が優れていると感じました。
首位のいわきは87分に北九州の不用意なファールから得たPKで1−0の辛勝でした。いわきも決して楽な戦いをしているわけではありません。鹿児島も苦しい戦いが続きますが、全力でついていくしかありません。
それでは来週の北九州戦でお会いしましょう。
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」