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盗まれた勝利 鹿児島対YS横浜

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは、仙太郎です。

先発メンバーは先週と同じでした。うまくいっているチームはいじるなという格言があるので、そのままのメンバーなのは理解できます。ただ前半はうまくいきません。

横浜は鹿児島対策の定石のハイプレスを掛けてきました。鹿児島は前半はそれに苦しみました。鹿児島がボールを進めることが出来ても、横浜の当たりがかなり強くて、鹿児島はチャンスを作ることが出来ません。

そんな中開始早々の11分に失点します。正直、このカウンターの起点の部分はファウルだと思うのですが、それは後ほど述べさせていただきます。

ファウルギリギリのプレーからボールを失って横浜のカウンターをされる場面です。この時、鹿児島のDFは三人残っていました。相手も三人なので3対3の状況でした。なのでそれほど厳しい場面ではなかったのですが、失点してしまいました。

まず最初の問題点は藤原選手が下がりすぎてしまいました。数的同数か数的不利な場合は相手ボールホルダー正面のディフェンダーは下がりながらも徐々に相手との距離を縮めて、ペナルティエリアの前で止まるのがセオリーなのですが、藤原選手は裏を取られるのが嫌で全力で下がりすぎてしまいました。結果的にボールホルダーにプレッシャーを掛けることができませんでした。

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本来ならばこの写真の緑色の部分に藤原選手がいて、赤色の部分にヘンリー選手とフォゲッチ選手がいないといけません。藤原選手がボールホルダーにプレッシャーを掛けられていないのと、ヘンリー選手が埋めなければならない裏のスペース(赤丸の部分)を埋められていないので、そこにスルーパスを通されて決められています。大西選手も先に触れると判断して飛び出したのですが、触れません。


そしてわずか5分後に追加点を決められてしまいます。これに関しては言うことはありません。スーパーゴールでゴラッソでした。確かにヘンリー選手がもう少し厳しく行けば、シュートを打たれることはなかっかもしれませんが、PA内なので難しかったと思います。それにしても、すごいシュートでした。まさか後ろを向いた状態からあんな強烈なシュートが来るとは予想できずに、さすがの大西選手も反応できません。

こうして試合開始わずか16分間で2失点という厳しい展開です。ここから反撃開始と言いたいところでしたが、正直攻撃が活性化したとは言い難い前半でした。前半のシュートは鹿児島4本(枠内1本)、横浜シュート8本(枠内7本)でしたから2点リードされてからも防戦一方という展開でした。

というわけで上野監督、後半早々手を売ってきます。CFWの山本選手に代えて萱沼選手を投入。これはとてもいい手だったと思います。それは萱沼選手が得点決めたからというよりは、萱沼選手の方がFWらしい動きができるからです。一例を上げると適切なタイミングで裏のスペースを狙うとか、マークを外す動きとかです。山本選手の大学時代のプレーを見たことはないのですが、CFWよりもサイドにいたほうが活きるのではないかなと思います。

それにも関わらず、後半の最初は横浜にシュートを続けて打たれて決定的な場面を作られますが、相手のミスにも助けられて追加点は許しませんでした。そんな鹿児島に後半64分セットプレーから、待望の得点が生まれます。秋山選手からのフリーキックを裏に抜け出した萱沼選手がダイレクトボレーで決めました。これは相手GKも防げなかったですね。

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この得点なのですが、横浜はラインをPAの前においていました。当然、PAラインとGKの間には広大なスペース(赤丸部分)があります。本来、このスペースはGKが飛び出して守らないといけないのですが、この写真をご覧いただければGKのポジションが低いのがわかる思います。このポジションだと前に出るのは難しいと思います。正確なボールが飛び込んでくればGKが防ぐのは難しくなります。横浜のDFは自分のゴールに向かって守備をするわけですから、鹿児島の選手よりも不利な状況です。秋山選手の正確なキックも素晴らしかったですね。

これで1点差になり藤原選手がウェズレイ選手と交代。後半30分を過ぎて、流れは大きく変わり、鹿児島が反撃を見せます。

72分は砂森選手のセンタリングから萱沼選手のシュートがポストに弾かれます。そして後半74分に決定的チャンスを迎えます。萱沼選手からのスルーパスを八反田選手が受けて、ゴール前の米澤選手へパス。米澤選手はインサイドキックで流し込むだけという場面を迎えます。

誰もが米澤選手の同点ゴールと思われましたが、ここでも米澤選手は後ろから倒されてシュートできませんでした。ここもファールを取ってもおかしくないプレーでした。画面で見る限り横浜の選手はボールにアプローチせずに米澤選手を後ろから倒しているので、これを正当なチャージと言うには無理があると思います。

そして同点に追いつけないまま、後半80分に横浜が試合を決める追加点を決めます。この場面はルーズボールを中原選手が相手と奪い合い、こぼれたボールを八反田選手が奪いに行ったのですが、相手選手に奪われてしかも入れ替わってしまいました。中原選手が素早く立ち上げって追いかけますが、間に合いません。

PA前で3対2に状況を作られて、DFのいないスペースに横浜の選手が走り込んできて、決定的な3点目を奪われます。

八反田選手がボールを奪いに行くときに、ファール覚悟で止めにいって欲しかったですね。中原選手も倒れていたので、ここで入れ替わられると、かなり厳しい状況でした。

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また1点を追う場面だったこともあり、左SBでプレーしていた砂森選手のポジションが高くて、本来砂森選手がいるべきスペース(赤丸部分)にいなかったのも痛かったですね。もし砂森選手が戻っていれば失点は防げていたと思います。ただ1点を追う場面でしたから、砂森選手のポジショニングを責めることもできないですよね(ちなみにフォゲッチ選手も高いポジションでした)。もし八反田選手がボールを奪っていれば、そのまま攻撃に出られたわけで、リスクを冒して失点しました。これで1-3となり試合は終わりました。

審判の方には、最大限のリスペクトを持ちたいと思います。審判は自分でするとよくわかりますが、とても難しいです。ルール自体はシンプルですが、その解釈がその場、その時で目まぐるしく変わります。ただ先取点を奪われた八反田選手へのチャージとゴール前での米澤選手へのチャージはファールを取っても良かったと思います。特に米澤選手へのチャージはゴール前で決定的な場面でしたからね。

正直言うとYS横浜の戦術にまんまとハマりました。ファール覚悟の激しい守備で鹿児島のミスを誘い、ファール取られてもカードが出なければOKですし、ファールが取られなければラッキーです。実際、この日の審判は後ろからのチャージにかなり寛大な判断をしていましたのも、横浜には有利に働きました。

鹿児島にポゼッションさせといて奪って、素早く速攻。なんどこの場面を見せられたでしょうか。前半のポゼッション率の鹿児 65%、YS横 35%で、シュートは鹿児島4本(枠内1本)、横浜シュート8本(枠内7本)。正直前半2点で抑えられたが奇跡のような数字です。

上野監督はハイプレスも予想して、対策してきたそうですが、残念ながらこの日は完敗でした。先週の試合がとても良かっただけに、サッカーって本当に難しいですね。

それではまた来週の福島戦でお会いしましょう。
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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