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戦術の不確実性が生む課題:迷走する鹿児島 第29節 甲府対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは。仙太郎です。

中断明けから4連敗し苦戦が続く鹿児島ユナイテッドFC。暗闇の中から光は見えたのか。アウェイのヴァンフォーレ甲府戦を振り返ります。

鹿児島ユナイテッドFCは、浅野監督の指揮の下で苦戦が続いており、最近の試合ではスタメンが定まらず、メンバー選定において迷いが見られます。

甲府対鹿児島 スターティングメンバー

直近の試合でも、4人のスタメンが入れ替わり、新たなメンバーで試合に臨みましたが、試合の流れを変えることができず、結果的に敗北を喫しました。これは、チーム全体における戦術の不明確さが、選手たちのパフォーマンスに影響を及ぼしていることを示唆しています。

試合の展開に目を向けると、鹿児島は甲府のサイドバック(SB)の裏を狙う攻撃を試みましたが、相手の守備がしっかりと対応しており、その意図は十分に機能しませんでした。

18分 鹿児島の攻撃の場面。左サイドからのセンタリングは厳しい守備でブロックされて防がれる。しかもゴール前には一人しかおらず、完全に数的不利な状況。これではセンタリングしても得点が取れる可能性は低い

甲府の守備陣は、守備のスライドを迅速に行い、裏のスペースをカバーすることで、鹿児島の攻撃を封じ込めました。攻撃の形が定まらない中で、ビルドアップの過程でも効果的な戦術が見えず、CBがボールを持ち上がる場面はあったものの、相手ゴール前での崩しには結びつきませんでした。

山口選手や中原選手がボールを持っても、サポートが遅れ、前方へのパスコースが閉ざされるため、やむを得ずバックパスを選択せざるを得ない場面が多々見られました。このような状況では、攻撃が単発に終わり、相手にとって脅威となる場面を作り出すことが難しいと言えます。

45+1分 甲府GKのパスミスから、有田稜選手がボールを奪い、ヒールパスを藤本選手に出すが、このシュートもバーに阻まれ得点ならず。この時も甲府の選手がスライディングして、シュートをブロックしようとしている。結果的に藤本選手のシュートは上に打たざるを得ず、バーに当たってしまう。

フィニッシュに関しても、鹿児島の攻撃はアーリークロスに頼る場面が多く見られましたが、相手DFに跳ね返されることが多く、ゴールを脅かすようなチャンスは限られていました。外山選手のセンタリングも、甲府の選手にブロックされる場面が多く、鹿児島の攻撃は効果的に機能しませんでした。

浅野監督は、藤本選手をトップ下で起用するという選択をしましたが、彼は本来センターフォワード(CFW)としてのプレースタイルが特徴であり、このポジションでの起用は結果的に功を奏しませんでした。彼はツートップのようなポジションでプレーする機会が多く、結果的にトップ下の選手が不在で中央でボールを受けられず、攻撃が外へと流れてしまいました。このため、甲府の守備に容易に対応され、鹿児島の攻撃は効果を欠いたものとなりました。

45+5分 鹿児島の決定的な場面。サイドチェンジを外山選手がフリーで受ける。それを中に切り替え委してシュートするも、惜しくもポストに阻まれる。

外山選手のオウンゴールの場面では、甲府の飯田選手が外側に位置していることを認識し、沼田選手へマークの指示をしています。なのでゴール前に戻りながらの守備で後が見られなかったので、触らないと詰められている可能性があるのでヘディングで触ったのだと思います。ただ甲府のセンタリングのボールが予想以上に曲がって落ちたので、自分の意図よりも厚く当たってしまいオウンゴールになったように見えます。

1点をリードされた後は、甲府の541の守備ブロックを崩すことが非常に困難になりました。甲府の守備は非常に組織的で、541の形を基本としつつ、時には532に変化させることで、スペースをしっかりと管理し、鹿児島にチャンスを与えませんでした。

67分 甲府のカウンターの場面。2対1の数的不利で絶体絶命な状況だったが、戸根選手が下がりながら距離を縮めてパスコースを切りながら寄せて、パスをブロックした見事な守備。これ以外にもウタカ選手との1対1も防ぐなど、この日の戸根選手は素晴らしい守備対応を見せてくれた

前半、鹿児島の前プレスは中途半端で、相手にロングボールを蹴られると、最終ラインが下がり、中盤の選手が戻るのが遅れて、こぼれ球を拾われピンチを招く場面が目立ちました。このような守備の不安定さは、試合全体の流れを悪化させ、結果的に失点へとつながる要因となりました。

また、試合後半においても、鹿児島はボールを保持する時間が増えたものの、効果的な崩しの形を作ることができませんでした。藤村選手が途中出場してからは、ボールが回り始め、いくつかの良い形が生まれましたが、ゴールに直結するプレーにはつながりませんでした。

69分 鹿児島の攻撃の場面。藤村、山口、鈴木選手のコンビネーションから藤村選手が縦に突破。鹿児島のいい時の攻撃パターンが出た

戸根選手の1対1の守備対応は良好でしたが、CBやMFからの縦パスは前線との距離が遠く、相手にインターセプトされる場面が多く見られました。もう少し距離を縮めてからパスを出すことが求められるでしょう。

鹿児島ユナイテッドFCは、現在、戦術的な方向性が見えず、プレー全体が一つにまとまっていない印象を受けます。個々の選手が奮闘しているにもかかわらず、チーム全体としての連携や戦術が欠如しているため、結果を出すことが難しい状況に陥っています。このままでは、今後の試合でも同様の苦戦が続くことが予想されます。

76分 甲府の攻撃の場面。右サイドからセンタリングされるが、ゴール前では外山選手と甲府の選手が1対1になっている。この時は幸運にもセンタリングが合わなかったが、かなり危険な状況を作られている

しかしながら、鹿児島ユナイテッドFCが直面している困難は、決して乗り越えられないものではありません。チームが一つにまとまり、戦術が明確になることで、再び勝利への道筋が見えてくるはずです。

どんなに長い夜でも、必ず明ける時が来るように、サポーターとしては選手たちを信じ、応援を続けることが大切です。試合の結果が芳しくない時こそ、サポーターの支えがチームにとって大きな力となります。

これからも、鹿児島ユナイテッドFCの選手たちを見守り、彼らが再び勝利を掴む日を信じて応援し続けましょう。

次はホームのいわき戦です。
私も現地で応援しますので、よろしくお願いします。

We are challengers!
チェストー!鹿児島ユナイテッド!

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