鹿児島ユナイテッドFC 2024年シーズンを数字で振り返る:2024年シーズン振り返り 後編 (数字編)
昨年に続き、2024年シーズンの鹿児島ユナイテッドFCを数字で振り返ってみましょう。今年も多くの試合を経て、数字から見えてくるチームの傾向や課題を探ります。(多少の間違いはご容赦ください。)
大島監督時の成績
2024シーズン開幕は大島監督の下でスタートしました。17試合で3勝9敗5引分と厳しい結果に終わり、勝率は17.6%、平均勝ち点は0.82にとどまりました。攻撃面では1試合あたりの平均得点が0.88、無得点試合が9試合と、得点力不足が目立ちました。また、1試合あたりの平均失点は1.88で、守備面にも大きな課題が残るシーズン前半となりました。
浅野監督時の成績
シーズン後半からは浅野監督に指揮が引き継がれました。21試合で4勝13敗4引分、勝率は19.0%、平均勝ち点は0.76と、大島監督時代と比較しても勝ち点の面で改善が見られませんでした。しかし、平均得点は0.95、平均失点は1.29と、得点・失点ともに若干の改善が見られました。とはいえ、水戸戦と愛媛戦を除くと平均得点は0.47と大きく減少し、大島監督時代の半分にしかなりませんでした。これでは勝利を掴むのは難しく、チーム全体として攻撃力にも大きな課題を抱え続けました。
攻撃戦術と連敗の要因
浅野監督時には8連敗を喫するなど苦しい時期が続きました。この間、無得点試合が5試合もあり、得点力不足が連敗の大きな要因であったことは明らかです。特に夏の中断明け以降、サイドバックを高い位置に配置せず、シンプルにサイドから中央の有田稜選手にボールを集める戦術に変更しました。この戦術により、守備時のトランジションには強さを発揮しましたが、攻撃のバリエーションが乏しく、相手のセンターバックの高さや強さに阻まれてしまいました。
守備を重視した戦術により、失点を抑えようという意図があったと思いますが、得点も減少してしまい、結果として勝てない試合が続きました。しかしながら8連敗中の5試合で複数失点しており、浅野監督は攻撃面・守備面の両方で効果的な再構築ができなかったことが数字に表れています。
接戦に見える1点差負けの実態
浅野監督時代には1点差での敗北が8回あり、大島監督時代の3回と比較しても増加しました。一見すると接戦を演じたかのように見えますが、実際には相手が1点リードした後にペースを落とした試合が多く、実質的には競り合いの内容とは言えませんでした。
なぜ改善が見られなかったのか
興味深いのは、昨年後半に就任して守備を改善し、昇格を果たした大島監督が、なぜ今シーズン同じような成果を上げられなかったのかという点です。そこにはJ2とJ3のレベルの違いなどがあったとは思いますが、頑なに戦術を変更しなかった理由については、本人に直接聞いてみたいところです。しかし結果的に、チームは攻撃力の不足と守備の脆さに悩まされ、シーズンを通して安定したパフォーマンスを発揮できませんでした。
来シーズンへの期待と課題
得点が少なく、失点が多かったのでは、当たり前ですが勝てません。2024年度の降格の原因は、これが主な要因です。しかし、J3での鹿児島ユナイテッドFCは人件費では、他のチームと比べて比較的優位に立てる状況です。だからこそ、すぐに昇格という結果を求めるのではなく、目指すべき方向をしっかりと決め、一歩ずつ前に進んでいくことが重要です。そして、次回J2に昇格した際には、1年で降格しないための基礎体力を身につけることが目標となるでしょう。
2024年シーズンの数字から見えてきたのは、チームの攻守におけるバランスの欠如と、戦術の柔軟性の不足でした。来シーズンは、より多様な攻撃パターンと、守備の安定感を追求することで、鹿児島ユナイテッドFCが再び輝き、活躍できることを期待しています。