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「リーマンショック10年目の衝撃」前編 読後まとめ

 リーマンショックとは、2009年9月15日のリーマン・ブラザーズ社の破産から連鎖した金融恐慌を指すと思います。
一方で、この問題の根本はリーマン・ブラザーズ社が破綻したことではなく、下記のようなサブプライムローン証券の仕組みの綻びだったようです。

 「住宅価格が下がり担保価値が下がると金利が上昇する米国の住宅ローン」(サブプライムローン)をまとめて証券化したもの(=CDOトランシュ)の価値の下落が一連の問題の始まりです。
※住宅ローンの貸し手(金融機関)が即座に貸した金を回収するために証券化します

具体的には2006年頃からの米国の住宅価格上昇が頭打ちになり、CDOの証券価値が大幅に下落しました(住宅ローン返済が滞ってきたから)。
このとき、CDO証券を多数のヘッジファンドが運用しており、その決済を大手銀行が自己勘定(銀行の責任)で行っていました。
また、銀行自身も資産運用としてCDO証券を大量に購入している状況でした。
このため、銀行の手元に多額のCDO証券が存在し、暴落したCDO証券が銀行の信用を蝕み、銀行が短期貸借取引(レポ取引)でお金を借りづらくなりました。
つまり、銀行が簡単に手元資金を用意できない状況です。
一方で銀行は常に手元に一定のお金が必要です。
お金を借りられない分、貸し出しを減らしたり、資産(各種証券)を現金化してドルを市場から吸い上げました。
これが経済を圧迫します。
こうして金融関係者の多くがサブプライムローンとCDO証券にビクビクするようになりました。

 このような状況下でヘッジファンドのリーマン・ブラザーズが破綻します。
破綻はCDO証券の大量保有のためです。
より詳細には、上記の銀行の場合と同じく、CDO証券を担保にお金を借りることも売り払うこともできなくなったためです。
そして破綻の影響は、リーマン・ブラザーズに資産運用を依頼した金融機関にも及びました。
例えばMMFです。
MMFは元本割れしないほぼ現金みたいなものだと思いますが、これが元本割れしそうになります。
このためMMFからの引き出しが急増したり、MMFによる各種証券の現金化が始まったりしました。
こうして影響が連鎖して経済を圧迫して、俗にいうリーマン・ショックとなりました。

<以下の記事に続きます>


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